結果を示していただかないと・・・ ～総裁はインフレターゲットはお嫌いのようですが～

Ｇ２０出席のため訪米中の白川日銀総裁は、ニューヨークで講演し、物価安定だけを重視する政策が「時代遅れになっている」として、インフレ目標政策に否定的な考えを示されたとのころである。
菅財務相は物価の上昇について、政府・日銀で目標を共有化しつつ達成していきたいとの意欲があるようだから、両者の思惑はすれ違っているということになるのだろうか。

白川総裁の発言が、インフレターゲット論を全否定したのかどうかよくわからない。
そもそも、「物価安定だけを重視する政策」などあるのだろうか。随分、極端な政策である。
とにかく日銀の方は、インフレの目標値を設定するのがお嫌いである。
それは事実であろう。
なぜなのだろう。
達成できなかったときに責任をとりたくないからだろうか。
そこまで物価の上昇にコミットできないと知っているからだろうか。

インフレターゲットのやり方が時代遅れになっているのかどうか、私にはよくわからない。
発言の真意もわからない。
ただ、日銀が結果を出せていないことは事実である。
それも、ここ最近出せていないのではなく、もうずっと出せていない。

まずはデフレを克服すべき、という議論が根強くある。
デフレが良くないことであるという認識は、日銀も共有しているだろう。
であれば、一刻も早くデフレを退治していただきたい。
これをのさばらしておいて、インフレターゲットを否定してみても、「なるほど」とうなづく人はいないだろう。