介入はちゃんと効くじゃん ～カードを手に入れた～

為替介入には慎重と見られていた菅首相が民主党の代表選挙に勝ったことによって、円高が進んだ。
そして、そのタイミングで６年ぶりという為替介入が行われ、一気に円安に振れた。
８２円台だったものが８５円台にまで切り返しているから、これは効果があったと言っていいだろう。

効果を発揮した一番の理由は、「意外性」だったのだろう。
「為替介入も腹にすえて」とおっしゃっておられた小沢氏ではなく、あまり動かないだろうと考えられていた菅首相が再選され、市場が「それなら」と円を買い進めていただけに、サプライズと受け止められたようだ。
私も驚いた。

もうひとつ驚いたのは、意外に効果が大きかったことだ。
多くのエコノミストや市場関係者は、
「諸外国と連携のない単独介入では効果は限定的」
と言っていた。
今回の効果をもって、限定的、とは言えないだろう。

もちろん、これから９０円、１００円ともっていくのは難しいだろう。
また、再度８２円を割れるような数字にアタックされた場合、同じような効果を発揮するかどうかはなんともわからない。
しかし、少なくとも一定の効き目があることははっきりした。
これは、これからのことを考えても、大きなカードを手にしたと言える。
カードは、使わなくても、持っているということを相手に意識させるだけで大きな効果を発揮する。