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踏ん張る日本の自動車産業 ~トヨタ世界販売で首位を奪還?~ [経済を眺める楽しみ]

かつては、家電が日本のお家芸と言われた。
ソニーを筆頭に、松下、東芝、日立といった会社が世界を席巻し、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、日本製が世界にあふれた。
しかし、今はその存在感を急速に失っている。
テレビではまだファイティングポーズを崩していないが、それ以外の製品では、もう韓国勢、中国勢、台湾勢などと太刀打ちできそうもない。

利益率の薄い量販品の家電から離れ、利幅の高いところで勝てているのならともかく、日本の電機メーカーはほとんどすべての分野で苦戦を強いられている。
ソニーやシャープ、NECといった会社の株価の低迷がそれを象徴している。

一方、もう一つのお家芸である自動車は、なんとか踏ん張っている。
トヨタ自動車が25日発表した平成24年上期の世界販売台数は、グループ全体で前年同期比33・7%増の497万台となり、平成11年の統計開始以来、最高を記録したという。
このご時世で過去最高、というのがすごい。
年間を通しての結果はまだわからないが、少なくとも上期については、独フォルクスワーゲンと米ゼネラル・モーターズを抑え、トヨタが世界販売で首位に返り咲く可能性が出てきた。
日産の世界生産台数も過去最高らしい。

もちろん、この好調の背景には、エコカー補助金がある。
これが終了した後の反動には、心配があると言わざるを得ない。
しかし、それを差し引いても、自動車産業の健闘が光る。

今の日本経済では、すべての業種が好調ということはありえない。
何か、引っ張ってくれる業種が必要である。
そうした点で、裾野の広い自動車産業の好調は、日本全体の支えにもなっている。
今後拡大するアジア市場においても、日本メーカーの存在感が増していくことを期待したい。
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葦立 茂蔵

前にも書きましたが、電機モータ化やモジュール化が急激に進展すると自動車産業への参入障壁が下がるので、今から考慮しておく必要はあります。そうなると、何が自動車の価値となるのか。
by 葦立 茂蔵 (2012-07-29 11:38) 

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