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M-1グランプリ2017を振り返る  ~ 残念ながら3年連続の最高の夜とはならず ~ [ヨモヤ]

私は、M-1を一年間楽しみにしている。
私にとっては、最終決戦の放送日が、ある意味お正月のようになっている。
思い切り笑わせてくれる芸人さんたちに、心からの感謝と敬意を持っている。
人生をかけて人を笑わせようとしている芸人さんたちが大好きだ。
そして、うらやましくもある。

おととし復活したM-1は実に素晴らしかった。
去年も、すごかった。
しかし今年は・・・。
残念ながら、3年連続の最高の夜とはならなかった。

なぜ、そうならなかったか。
一つ目の理由は、最終決戦に残った3組が、3組揃って面白い漫才ができなかったからである。
とろサーモン、ミキと、連続して私には全く響かないネタを披露され、この展開なら今まで見た中で最悪の和牛でも優勝できると思ったのだが、さらにその下の感じの和牛だった。
去年の2本目を披露出来ていたら、パーフェクトもあったのではないか。
二つ目の理由は、ちょっと違う感じの3組が最終決戦に残ってしまったことである。
私が3組を選ぶのなら、「和牛」と「ジャルジャル」と、あと一組は「スーパーマラドーナ」か「かまいたち」か「ゆにばーす」かで迷うところだ。
審査に文句はないが、私の選球眼とは違っていた。

私にとっては、ハッピーエンドとはほど遠いM-1になってしまったが、大会自体のクオリティは例年通り高かった。
一組ずつ振り返ってみよう。

トップバッターは、ゆにばーす。
見た目のインパクト抜群の女性のボケ役のはらさんのキャラに頼りっぱなしになるとキツイな、と心配していたのだが、ツッコミの川瀬名人の良さも十分に引き立つ素晴らしいネタ。
もし、彼らが敗者復活で、例年のように最終組でネタをやっていたら、そのまま最終決戦に突き抜けたのではないかと思わせるほどだった。
一組目から、しっかり笑わせていただいた。

2組目は、カミナリ。
私は彼らが大好きで、今年一番動画を見た芸人がカミナリである。
どのネタも大好きで、繰り返し繰り返し見て笑って来た。
そのため、本番のネタも見たことがあった。
面白いのだが、できれば新ネタで勝負してほしかった。

3組目は、とろサーモン。
実にうまかった。
これまで蓄積されたものが、最高の形で結実したように見えた。
高得点が出たのも納得であるが、それだけに最終決戦のネタが残念。
どんなネタだったのか、今となってはほとんど思い出せないくらいに印象が薄い。
4,000組の頂点のネタとしては、かなり寂しかった。

4組目は、スーパーマラドーナ。
笑ったという点では、それまでの3組の何倍も笑った。
ボケの田中さんのぶっ飛ばしぶりが半端なかった。
とろサーモンの上に行ってもらいたかったが、点数は伸びなかった。
笑えたのだが、漫才としてどうか、という点では、確かに微妙な面もあった。
敗者復活のネタの方がしっかり二人の掛け合いで笑わせていて、順番を入れ替えていれば、と悔やまれる。

5組目は、かまいたち。
キングオブコントのチャンピオンの彼らは、準優勝のにゃんこスターに話題をさらわれたことを逆にネタにしている。
コントの方により高い適性があると思うが、漫才も達者。
この日もしっかり笑わせてくれたが、小朝師匠がおっしゃったとおり、「勝ち切るネタ」ではなかった。

6組目は、マジカルラブリー。
ある意味、最もおいしかったのが彼ら。
ちっとも笑えなかったのだが、そこを審査員の上沼さんにズタボロにされ、ネットでも評判になった。
しばらくの間、このネタでやっていける。

7組目は、さや香。
よく知らないコンビだったが、さすがにここまで上がってくるだけにいいものを持っている。
うまいし、笑わせる。
しかし、この10組の中で3位に入るまでではなかった。

8組目は、ミキ。
しゃべくり漫才で評価の高い彼ら。
これまでも数々の賞を受賞しているが、正直私にはピンと来なかった。
この日見たネタは、今までで一番面白く、良さが少しわかった。

9組目が、和牛。
大本命としてM-1の舞台に上がるというのは、どんな気持ちだろう。
勝って当たり前、という立場で笑わせるのは、想像を絶する難しさとプレッシャーだろう。
しかし、その困難を和牛の二人ははねのけた。
前半にゆっくりしっかり伏線を張り、それを後半でがっちり回収する。
いいネタを作ることができ、それをしっかり演じられる二人だからこその傑作である。
「音楽巾着」には笑った。

ラストの10組目が、ジャルジャル。
新たなスタイルを追求している彼らが、今年もやった。
お笑い芸人というより、アスリートのような舞台だった。
命を削り、鍛え上げた人間だけがたどり着ける境地。
それで堅苦しくなく、思い切り笑わせてくれる。
私は、彼らのネタが一番面白かった。

最終決戦の出来が悪く、3年連続の最高の夜とはならなかったが、芸人さんたちが悪いわけではない。
審査員が悪いわけでもない。
笑いは水物であり、こういうこともある。
ただ、進行には一考の余地があると思う。
それについては別に書こう。

タグ:M-1
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