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映画評 「ペンギン・ハイウェイ」 やはり必見   ~ 2回目の鑑賞&原作読了 ~ [映画評]

観終わった瞬間に「間違いない」と思える映画もあれば、えらく感動したのだが、本当によいものだったのかどうか半信半疑な気持ちになる映画もある。
今年で言えば、「カメラを止めるな!」が前者の代表、そして「ペンギン・ハイウェイ」が後者の代表である。

「ペンギン・ハイウェイ」は、前評判も予備知識も何も入れないで観に行った。
映画が終わって、すごいものを観たと興奮したが、世の中的には「カメラを止めるな!」のようなムーブメントにはなっていない。
これは、私の早合点だったか。
期待を裏切られた「未来のミライ」の反動だったのか。
いや、そんなはずは・・・
と思いながら、どうしても観たくなって、確認もしたくなって、「ペンギン・ハイウェイ」二回目の鑑賞となった。

いい映画とはそういうものだが、一回目より二回目の方がよかった。
さらに感動が深まり、鼻の奥が何度もツンとした。
間違っていなかった。
今年の夏は、この映画である。

少年のひと夏の冒険の物語。
少年も愛おしいが、
少年と絡む「お姉さん」の魅力的なこと。
少年の声の北 香那さん、お姉さんの声の蒼井 優さん、お二人とも素敵だった。

子ども時代だからこその純粋さ、
無垢ゆえの残酷さ、
恋の淡さ、
友とのつながりの危うさ。
奇跡的にギュッと詰め込まれている。

「今年の夏は、どこにも行かなかったなあ」というあなた。
「冒険していないなあ」というあなた。
「暑いだけで、なにもない夏だったなあ」というあなた。
「ペンギン・ハイウェイ」をご覧になればいい。
それだけで、特別な夏になる。
夏にふさわしい映画なので、できればお早めに。

併せて、森見登美彦さんの原作も読んでみた。
映画を観てから読むと、
原作にはこんなシーンもあったのか、
ここを切るのは断腸の思いだっただろうなあ、
などと思う。
そして、脚本の素晴らしさにうなる。
すごい、と思う。
ラストシーンは原作にないものが足されているが、決して不快ではない。

ネットにある本作の感想を読むと、
「意味不明」
「何が言いたいのかわからない」
という意見もあるようだ。
世の中、わからないことの方が多い。
わからなければいけないものでもない。
わからないことを受け入れられたらいいのに、と思う。

そこらじゅうで上映している映画ではないけれど、足を運ぶ価値がある。
上映が終わる映画館がある一方、新たに始まる映画館もある。
繰り返しになるが、今年の夏は「ペンギン・ハイウェイ」である。
チャンスを逃さぬよう。
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