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映画評 「ラスト・ワルツ」 [映画評]

ずっと以前から、「ラスト・ワルツ」という映画があることは知っていた。
マーティン・スコセッシ監督作品で、ザ・バンドという名前の(すごい名前だ)グループの解散コンサートの様子をとらえたドキュメンタリーだということも知っていた。
おそらく観た方がいい映画なのだろうとも思っていた。
しかし1978年公開の作品で、その当時の私はまだお子様で全く洋楽に興味がなく、
その後も、主体的にこの作品を観ようとまでは思わなかった。

先日、ネットをブラブラしていたら都内で公開されていることを知り、
FBで意見を聞いたところ、
2賢人より、「まあ、観てもいいんじゃない」的な声をいただいた。
今こそ、何十年の思いが果たされるときである。

しかし、なんと言っても、個人的に「ザ・バンド」なるグループへの思い入れがない。
予備知識がない。
知っている曲がない。
夜の上映だったこともあり、
楽曲には字幕がつかないこともあり、
睡魔さんがお越しになることも覚悟した。

ただ、始まってみると、全然眠くはならなかった。
知らない曲ばかりで、
何を言っているのかも全く分からないのだが、
不思議と眠くはならない。
分厚い音に浸されて小気味よい時が流れる。

ドキュメンタリ-ということで、インタビューも挟まれるが、解散の経緯やらが語られるわけではない。
湿っぽさも、全くない。
後で調べると、中心人物だったロビー・ロバートソンという人が勝手に決めてしまった企画らしく、
他のメンバーは解散やツアーを止めることに不満たらたらだったという。
演奏はノリノリでやっているように見えたが、実際には葛藤があったのだ。

ゲストがやたらと豪華で、当時のザ・バンドの位置がわかる。
ボブ・ディラン、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、マディ・ウォーターズ、
ヴァン・モリソン、ドクター・ジョン、ジョニ・ミッチェル、ボビー・チャールズ、
ロニー・ホーキンズ、ポール・バターフィールド、ニール・ダイアモンド、
といった面々である。
ロン・ウッドとリンゴ・スターも、最後にちょっとだけ出てくる。

圧巻というか、なんだか笑ってしまったのは、マディ・ウォーターズとの絡み。
同じようなことを延々とやっているのだが、
途中からそれが私のツボを刺激して、ニヤニヤニヤニヤ笑けてしまった。

演出らしい演出はほとんどなく、ライブの様子が映される。
実際には音は随分足されているらしく、生の演奏とはかなり違うらしいのだが、
まあそれはそれで。
お祭りを見た感じである。
やがて悲しき、という描かれ方はない。

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