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映画評 「宮本から君へ」 ~ 観る側の覚悟も問われる熱い映画 ~ [映画評]

「熱量が高い」
と評される作品がある。
小説でも、芝居でも、そして映画でも。
この作品は、まさに熱量が高い作品。
覚悟を持って観ないとしんどい。
そのしんどさに負けてしまうと、映画の魅力にたどり着けない。

私は、役者としての池松壮亮くんと蒼井優さんのファンである。
二人がガチンコで共演しているとあっては観に行くしかない。
しかし、その程度では覚悟としては甘かった。

序盤から中盤にかけては、結構辛気臭い展開が続く。
間延びした感も無きにしも非ずだし、
二人の関係がどうにもいびつに見えて、話に溶け込めない。
途中、大きな波乱が起きて、物語が劇的に展開していくが、
そこでも蒼井さん演じる女性の感情の向き方が今一つ腑に落ちず、
こりゃこの先、厳しいなあ、という気持ちになる。

しかし、ここであきらめてはいけない。
ここからが本番である。

池松くんの魂のこもった芝居に、
蒼井さんも全力で打ち返す。
ナチュラルボーン俳優二人の、
ガチンコ勝負。
観る側にグイグイ迫ってくる。

なんだかわけがわからない話だし、
主人公二人の行動はまったくもって理解不能だが、
んなことはどうでもよくなる。
強烈な映画だ。

池松くんと蒼井さんを観る映画だが、
脇を固める井浦新さん、ピエール瀧さん、佐藤二朗さんの存在感も強烈。

「宮本から君へ」は要注意映画。
いい加減な気持ちや、
中途半端な体調で観に行くと火傷する。
作り手の覚悟に応えられる覚悟があるときに、意思を強く持って観に行こう。
観る人を選ぶ映画とも言えそうだが、
もしそうなら、是非選ばれたいと思った。

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