SSブログ

映画評 「JOKER」 [映画評]

「バットマン」に登場する悪役ジョーカーが誕生する経緯を描いた作品。
是枝裕和監督の「真実」の受賞が期待された第76回ヴェネツィア国際映画祭で
金獅子賞を受賞した。

監督のトッド・フィリップスさんは「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」を撮った、
コメディ映画を得意とする人。
本作も最悪の悲劇なのだが、
喜劇的な要素を交えて描いている。
ラストシーンをドタバタで終わらせているあたりにも、皮肉が効いている。

この映画では、主演のホアキン・フェニックスの演技にも注目が集まっている。
ほとんど出ずっぱりであり、彼がひとりで映画を引っ張っていく。
鬼気迫る演技は、評価されるにふさわしいものであり、新たなJOKER像を見事に提示した。

映画の緊張感は、最初から最後までずっと途切れず、
甘っちょろい演出もなければ、
ぬるい映像もない。
とにかく、暗く、嫌になる話ばかりが続く。
滅入ること請け合いである。

これでもかと不幸が襲い掛かるのだが、
エンタテインメントとしての基本は外さない。
よくできた映画である。
しかし、「大好きか」と聞かれたら、私の場合、そうでもない。
「傑作か」と聞かれても、素直にうなずけない。
歴史に残る作品になるには、何かが足りなかった気がする。
それがなんなのかよくわからないし、
ここをこうすべきだったと指摘できるような要素もない。
しかし、どうにも。

タグ:JOKER
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。