映画評 「ブラック校則」

本作は、Sexy Zone の佐藤勝利くんと King & Prince の高橋海人くんが共演する青春映画。
ジャニーズの男の子が出ている映画を、ジャニタレ映画などと蔑む方もおられるが、
私は面白ければなんでもいいという立場。
そして、面白いかどうかは観てみなければわからない。

この映画の感想を一言で言えば、
「惜しい！」
となる。
別の表現で言えば、
「もったいない！」
である。
傑作まではともかく、青春映画の快作となる可能性は十分にあった。
それを手放してしまったのは、惜しいし、もったいない。
咎は、もちろん映画の最高責任者である監督さんにある。

なんというか、雑なのである。
細かいところへのこだわりが感じられない。
飲食店の人がしゃべっているときに唾が画面に映ってしまっているシーンがあるのだが、
そのくらい消してから公開してほしかった。
そのシーンは何のため、そのセリフは何のため、その設定は何のため、
いろいろ問い質したくなる。
いい映画になる要素は結構あったのに、自ら放棄してしまった格好である。

もうちょっと悪役をしっかり立たせて、
余分なシーンはしっかり削って、
背負いきれない登場人物は追いかけないで、
とやっていけば、ずっといい映画になったのに。
惜しい。

佐藤勝利くんと高橋海人くんは、変てこりんな映画の変てこりんな役をしっかり演じていた。
ヒロイン役のモトーラ世理奈さんの演技は正直微妙だが、あれはあれでとは思えた。
他の生徒役の俳優さんたちは、キャラ付けがフラフラしているせいで、
何をやっているのかさっぱりわからなかった。

「ブラック校則」は惜しい映画。
ということは、一方的に詰まらない映画ではないということ。
佐藤くんと高橋くんのファンなら十分楽しめるだろうし、
青春映画が好きな人もまずまず行けると思う。
腑に落ちないところが、嫌と言うほどありはするけれど。

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