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「アスリート・ファースト」って何? [ヨモヤ]

トランプ大統領が、「アメリカ・ファースト」を言うのはわかる。
そりゃそうだろう、と思う。
小池知事が、「都民ファースト」を言うのもわかる。
当然そうだろう、と思う。
しかし、「アスリート・ファースト」という言葉には、すとんと落ちないものがある。
もちろん、競技者は尊重されるべきだが、必ず一番に据えなければならないとは限らない。
アスリートよりも優先すべきものがあることも少なくないと思う。
アスリート・ファーストを絶対善のようにおっしゃられると、「え?」と思う。

IOCが一方的に、東京オリンピックのマラソン会場を札幌に変更した。
その理由が、「アスリート・ファースト」。
東京開催に向けて準備してきたアスリートの時間や努力を全く無視して、
アスリート・ファースト。
東京でのマラソン開催のために、何年も準備してきた人たちのあせも気持ちも全く無視して、
アスリート・ファースト。
なんだろう、これ?

さて、萩生田文部科学相が投手の連投や投げ過ぎが問題視されている高校野球について問われ、
「国際オリンピック委員会(IOC)のアスリート・ファーストの観点で言えば、甲子園での夏の大会は無理だと思う」
とおっしゃったらしい。
甲子園におけるアスリートは高校野球児であり、彼らは、夏の甲子園を夢見ている。
だから、本当にアスリートのことを考えれば、夏の甲子園をやめようという発想にはなりようがない。
しかし、
「IOCのアスリート・ファーストの観点」
となると話は違ってくる。
なにしろ、アスリートも携わっている人も無視してのアスリート・ファーストだから。
萩生田大臣は、皮肉を込めておっしゃったのかもしれない。

だって、そうじゃなければ、ちょっと変だ。
みんなが夢に見ている舞台を取り上げて、アスリート・ファーストになるわけがないのだから。

なんだか「アスリート・ファースト」という言葉を聞くたびに
「え?」
と思ってしまいそうだ。
誰のための、なんのための「アスリート・ファースト」なのだろう。

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