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映画評 「私がモテてどうすんだ」 [映画評]

失敗例が累々と横たわる漫画原作の映画化。
本作はどうか。

原作は、第40回講談社漫画賞・少女部門を受賞し、テレビアニメ化もされた同名コミック。
あらすじは、
「アニメキャラやクラスのイケメン男子たちのBLを妄想するのが大好きな女子高生が、大好きなアニメキャラが死んだショックで1週間寝込んだことで激ヤセ。起きてみたら誰もが振り向く美女に変身する。そんな彼女に、スーパーイケメン男子高生が次々に恋に落ち・・・」
というもの。
めちゃくちゃな設定だが、それは別に全然かまわない。
この馬鹿馬鹿しさを気にするのなら初めから観に行かない。
馬鹿馬鹿しくても面白い作品はいくらでもある。

しかし、残念ながら。
そうだろうなあ、そうかなあ、と心配してはいたが、そのとおり楽しめなかった。
残念ながら。

なんといっても、ヒロインの魅力が伝わってこない。
目が覚めたら誰もが振り向く存在になっていた、という設定なのだが、
演じる山口乃々華さんからそうしたオーラは受け取れなかった。
これは山口さんがどうこうではなく、演出や撮り方に問題があるのだと思う。
まあ、広瀬すずさんや浜辺美波さんが演じているのならどうやっても説得力が出るのだろうが。

とにかく、男の子たちが次々に恋に落ちる理由がさっぱりわからない。
もちろんコメディなのだが、せめてその点だけはしっかり描いてくれないと。
「そんな、マジに見ないでよ」ということかも知れないが、
作る以上は追い込んで作っていただきたい。
コメディだからいいじゃない、ではなく、
コメディであれば、なおさら。

終始わちゃわちゃした展開が続くが、面白い場面、興味深い表現等は特になし。
始まった映画がいつかは終わることを信じて時を過ごした。

私が愛する「ちはやふる」組からは、坂口涼太郎くんと優希美青さんのお二人。
坂口くんは素っ頓狂な役を生き生きと演じていた。
優希さんは「ちはやふる」の頃と、ずいぶんイメージが変わっていて驚いた。
イケメン若手俳優が4人出ているのだが、特に印象はない。
富田望生さんがもう一人のヒロイン役なのだが、すっぽり想定の範囲内でこちらにも印象はない。

「私がモテてどうすんだ」は、多くの人が予想しているとおりの映画。
多大な期待を持たずに観に行けばそれなりに楽しめるし、
映画愛を持って観に行くと「こんな映画作ってどうすんだ」となる。
漫画はきっともっと面白いのだろうと思うので、原作ファンからすれば残念至極であろう。

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