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意見が分かれる内容ほど見出しは正確に願いたい [ヨモヤ]

朝日新聞DIGITALに、
「子どもの7人に1人が貧困状態 18年調査で高い水準に」
との見出しの記事があった。
この見出しを読んだらほとんどの人がこう思うはずだ。
「子どもの貧困が、18年の調査でそれまで以上に高い水準になったのか。それは大変だ」

しかし中身を読むと、どうもそうではない。
内容は、
・2018年の子どもの相対的貧困率は13.5%
・前回2015年からは0.4ポイントの改善
・2012年は過去最悪の16・3%であり、そこからは2回連続の改善
というものであった。

「あれ?」
と思う。
見出しと内容がかみ合っていない。
さらに読むと、
・日本の相対的貧困率は経済協力開発機構(OECD)の平均12・8%を上回っている
・ひとり親世帯の貧困率も2.7 ポイント改善して48.1%と初めて5割を切ったが、なおも高水準
といった記事になっている。

つまり書き手とすれば、率は多少改善したとしても、いずれにしても厳しい状況に変わりはないので、
こうした見出しにしたのだろう。
しかし、そうであれば、
「18年調査で高い水準に」
ではなく、
「やや改善も依然高い水準」
としてほしかった。

ちなみに毎日新聞の見出しは、
「子どもの貧困率13.5% 前回15年から改善せず」
である。
先に書いたとおり、前回調査の13.9%、前々回の16.3%より改善しているのだが、
改善の幅が物足りないということだろうか。
しかし、新聞の見出しとしての正確性はいかがだろう。

子どもの貧困は非常に深刻な問題だが、
・相対的貧困率で判断することに違和感がある
・親の責任をしっかり問うべき
といった意見もある。
そのように意見が分かれる題材だけに、見出しは疑義のないものにしてほしかった。
書き手にそうした意図はないとしても、
ある方向に誘導することを狙ったように思われる見出しを付けてしまうと、
かえって議論は悪い方向に行ってしまう心配があるからである。
読む側も気を付けたい。

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