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映画評 「みをつくし料理帖」 [映画評]

高田郁さんのベストセラー小説「みをつくし料理帖」シリーズを、角川春樹さんのメガホンで映画化。
角川春樹さんの監督ということで、「天と地と」的な大技になるのかと思ったら、
江戸の庶民の風景を描く、しっとりとした時代劇に仕上がっていた。

おそらく原作ファンとしては、やや不満が残る出来だろう。
じっくり書かれたエピソードをごちゃっと詰め込んだ感があり、
一つ一つにコクがない。
「いや、そこじっくり描いてよ」
と突っ込みたくなるシーンが多々あったと思う。
私のように原作未読の人間からしても、かなり唐突感のある展開が少なくなかった。

しかし、だからつまらなかったというと、そうでもない。
わかりやすい展開が次々に示されるので、楽しく時間を過ごせた。
出演者も楽しんでいるように見えた。
傑作、と呼ばれるような作品ではないが、こういうのもありだなあと感じた。

角川春樹さんは78歳。
8歳のお子さんがおられるという。
凄い人だ。

主演は松本穂香さん。
今年に入ってから、彼女が出演した映画を観るのはこれで5本目。
使いたくなる女優さんなのだろうか。
「君が世界のはじまり」が圧巻だった。
幼馴染役に奈緒さん。
幻の花魁、という難しい役どころをしっかり演じておられた。
窪塚洋介さんが、珍しくといってはなんだが、割とまともな役で出演。
セリフ回しがちょっと「ピンポン」のペコっぽかった。
そういえば、「ピンポン」でドラゴン役だった中村獅童さんも出ていた。

角川映画の黄金期を飾った
薬師丸ひろ子さん、渡辺典子さん、浅野温子さん、野村宏伸さん、榎木孝明さんらが出演されているのも楽しい。

「みをつくし料理帖」は、楽しい娯楽作品。
原作の力に負うところが大きそうだが、映画も楽しめる。
ツッコミどころも多いのだが、あまり深刻にとらえず、
おとぎ話を楽しむ感じで観るのがいいのだと思う。

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