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映画評 「STAND BY ME ドラえもん 2」 [映画評]

日本のみならず、アジアを中心に世界中でヒットした「STAND BY ME ドラえもん」の第2弾。
「STAND・・・」は、「ドラ泣き」というキャッチコピーに象徴されるように、ドラえもんの中の泣けるエピソードを中心に構成されていた。
前作の公開時、予告編だけでウルウルしてしまったことを思い出す。
3DCGで制作することで、ドラえもんの世界観がよりリアルに再現されていることも話題であった。

本作にも「ドラ泣きふたたび。」というコピーが付けられていて、またもや大人を泣かせようとしている。
あざといと言えばあざといが、ちゃんと泣ける映画なら歓迎である。
脚本・共同監督に山崎貴さん、監督に八木竜一さんというコンビも同じ。
観客を楽しませるツボを心得ている山崎さんが、ドラえもんという外れのないコンテンツを操れば、
そりゃあもう間違いない。
はずだった。

今回も、泣ける要素満載の「おばあちゃんのおもいで」という原作をもとに、
「のび太の結婚前夜」の後日譚的要素を加えている。
鉄板の組み合わせに見える。
しかし、
むやみと話をややこしくし、
話として成立させるために強引に設定に制約を加え、
おかげで物語への没入感はひどく下がり、
その割に、どこでもドアやタイムマシンの使い方はじれったく、
おかげで説得力はひどく下がり、
のび太は、いくらのび太でもそれはないだろうというくらいだらしなく、
おかげで感情移入する度合いもひどく下がった。
少なくとも、私はこれでは泣けない。
誰だって百発百中は不可能だが、
珍しく山崎さん、やってしまった。

大人を狙ったドラえもんが、大人に届かない。
代わりに子どもに届くかというと、そんなことはないだろう。

コロナの影響もあるのだろうか、私が観た劇場ではかなり空席が目立っていた。
第1弾の「STAND BY ME」クラスの大ヒットは望めないのではないだろうか。
ドラえもんファンからの信頼度も、大きく損なわれてしまったのではないかと思う。

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