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ジョークと嘘の境 ~ フォルクスワーゲンの騒動で思う ~ [ヨモヤ]

ドイツの車メーカー「フォルクスワーゲン(VW)」の社名変更に絡む広報戦術が、波紋を広げている。
問題となっているのは、同社が3月30日に行った報道発表。
電気自動車への転換をアピールする目的で、
米国法人の名称を「ボルツワーゲン(Voltswagen)」に変更すると発表したのである。

この発表は、はじめから信ぴょう性が疑われ、
エイプリルフールのジョークではないかと言われていた。
しかし、同社の広報が事実だと主張したため、多くのメディアが真面目に報じた。
その後VWは、社名変更はマーケティングチームが考案したジョークだったと認めた。

これに関して、メディア各社は激怒していると伝えられている。
伝えられている内容は、
「真面目なジャーナリストや報道機関を、VWのような企業がマーケティングや広告の目的で利用するべきではないと強く考える。われわれにとって、これは非常に重大な背信行為であり、二度と繰り返されてはならない」
「これはジョークなどではない。詐欺だ」
「VWは、もはや信頼できない」
といった感じである。

メディア側が怒っているのは、
・VWのマーケティングに騙され使われたこと
・広報担当が確認されたにもかかわらず嘘をついたこと
・エイプリルフール当日ではない発表にもかかわらず、それを装ったこと
などが理由だろう。
VWが、ディーゼル車の排ガス不正問題を起こした当事者でもあることから、あまりに無神経との声もあるという。

広告やマーケティングは、真面目ばかりではつまらない。
大掛かりな嘘やジョークが功を奏することもあるだろう。
しかし、善意の第三者を騙して宣伝に使うといった手法が好まれるとは思いにくい。
今回のことでは、VWの環境への思いにも疑問符がついてしまったのではないだろうか。

洒落が通じない世の中になったと嘆く人は多いと思う。
私もそう感じることが少なくない。
ただ、笑えない嘘はよくない。
人に不愉快な気持ちにさせてはいけない。
その線引きは難しいが、今回のことは洒落というにはちょっと筋が悪い感もある。
線引きは難しいが。

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