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映画評 「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」 [映画評]

この映画を観に行く人の中に、傑作や名作を期待する人はいないだろう。
ひょっとしたら1,000人に一人、いや10,000人に一人くらいはいるのかもしれないが、それくらいの確率。
しかし、だからといってヒドイ作品を作っていいということにはならない。
だからといっていい加減な話でいいとはならない。

こういう日本映画に出会うのはそこまで珍しいことではないので、
悲しいことながらかなり耐性がついてしまっているが、
それでもまあ、何と言っていいのやら。
途中からは、もう笑いながら観るしかなく、早く終われ早く終われとひたすら念じた。
どうしようもない脚本、
どうにもならない演出。
「探偵はBARにいる」では小気味よい演出をされていた橋本一監督がどうしたことか。
これでいい、と思って公開してしまう神経の太さにはしみじみ感銘を受けるが。

本作は、韓国のサスペンスドラマを日本でリメイクし、2018年に放送されたドラマの映画化。
ドラマは未見。
というか、そんなドラマがあったこと自体、知らなかった。

「現在を生きる刑事と過去を生きる刑事が謎の無線機を通じて協力し、巨大な陰謀に立ち向かう」
という設定は荒唐無稽だが、それは別にいい。
ドラマや映画の設定はなんでもありである。
しかし、その強引な設定をいかに説得力のあるものとして見せていくかは腕の見せ所となる。
本作では、説得力どころか「はら?」としか思いようがなかった。
ギャグでもないようだし。

主人公を演じるのは坂口健太郎さん。
アクションも含め情熱的に演じられるが、本作では頑張っても頑張っても陳腐になってしまう。
過去の時代に生きる相棒役に北村一輝さん。
愚直な警官、という役どころなのだろうが、ステレオタイプにはまり過ぎていて興醒め。
他の出演者の演技も総じて空回り。
役者さんの責任ではなく監督の責任である。

「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」は、イケてない映画の見本のような作品。
アクションシーンなどではそれなりにお金も使っているように見えるのだが、
なんとももったいないことである。
おススメはしないが、反面教師にするために観に行くというぜいたくな時間の使い方もなくはないかもしれない。

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