書評 「参加したくなる会議のつくり方」 [読書記録]
しょっちゅう会議があるが、
誠に残念ながら、
「実りの多い会議だったなあ」
と振り返ることができる機会は滅多にない。
だから、会議には大きな期待はしなくなって久しい。
となると、いきおい大した準備もせずに会議に臨むことになりがちであり、
そのことが、さらに会議の生産性を下げてしまうという悪循環。
どこの職場にもあることだと思う。
会議をなんとかしたい。
著者の加留部貴行さんは、ファシリテーションの専門家。
ファシリテーションと聞くと、「なんだ、それ?」となる方も多いと思うが、
要は、会議を意義のあるものにする技術とでも言うのだろうか。
著者は、「引き出す力」を強調されている。
本書は、ファシリテーションを学ぶためのかなり本格的なノウハウ本である一方、
初心者も入りやすい入門書でもある。
「基礎編」「技術編」「実践編」「成長編」と順を追って書かれているので、それぞれのレベルに合わせて学ぶことができる。
ファシリテーションの経験がある人は、技術編・実践編で具体的なテクニックを知ることができることになる。
ただし、「基礎編」に書かれている
「会議とは何なのか」
「ファシリテーターの役割は何なのか」
という点は、ファシリテーションに慣れている人であっても、常に振り返りたいところである。
ここをないがしろにしてテクニックに走ると、振り返れば誰もついてきていないということになりかねない。
会議における様々な困りごとにアドバイスしてくれているのも嬉しい。
こんな時にはどうする、
こんなシチュエーションではどう対応する、
用意すべきものは何か、
といった実践的なノウハウが満載である。
さらに、パネルディスカッションやオンラインの場などでの活用方法についても書かれているので、
この一冊があればほとんどの現場に対応できそうである。
一般に、こうしたノウハウが書かれた本では、
こちら側がどう働きかけるか、ということに焦点が絞られるが、
本書に貫かれているのは参加される側への温かい視点である。
あくまでも参加者が主役であるという気持ちの表れだと思う。
論語に
『近き者説(よろこ)び、遠き者来る』
という言葉がある。
「よい政治とは何か?」と聞かれた孔子が、
「近くにいる人が喜んで、遠くにいる者はその評判を聞いて訪ねてくるといった政治です」
と答えたというものである。
この本のタイトル「参加したくなる会議のつくり方」から、何か似たものを感じる。
呼ばれたから行く、というのではなく、あの会議なら行きたい、となれば、
きっと会議の生産性も上がるだろう。
「参加したくなる会議」が広がれば、職場の風景も大きく変わりそうだ。
誠に残念ながら、
「実りの多い会議だったなあ」
と振り返ることができる機会は滅多にない。
だから、会議には大きな期待はしなくなって久しい。
となると、いきおい大した準備もせずに会議に臨むことになりがちであり、
そのことが、さらに会議の生産性を下げてしまうという悪循環。
どこの職場にもあることだと思う。
会議をなんとかしたい。
著者の加留部貴行さんは、ファシリテーションの専門家。
ファシリテーションと聞くと、「なんだ、それ?」となる方も多いと思うが、
要は、会議を意義のあるものにする技術とでも言うのだろうか。
著者は、「引き出す力」を強調されている。
本書は、ファシリテーションを学ぶためのかなり本格的なノウハウ本である一方、
初心者も入りやすい入門書でもある。
「基礎編」「技術編」「実践編」「成長編」と順を追って書かれているので、それぞれのレベルに合わせて学ぶことができる。
ファシリテーションの経験がある人は、技術編・実践編で具体的なテクニックを知ることができることになる。
ただし、「基礎編」に書かれている
「会議とは何なのか」
「ファシリテーターの役割は何なのか」
という点は、ファシリテーションに慣れている人であっても、常に振り返りたいところである。
ここをないがしろにしてテクニックに走ると、振り返れば誰もついてきていないということになりかねない。
会議における様々な困りごとにアドバイスしてくれているのも嬉しい。
こんな時にはどうする、
こんなシチュエーションではどう対応する、
用意すべきものは何か、
といった実践的なノウハウが満載である。
さらに、パネルディスカッションやオンラインの場などでの活用方法についても書かれているので、
この一冊があればほとんどの現場に対応できそうである。
一般に、こうしたノウハウが書かれた本では、
こちら側がどう働きかけるか、ということに焦点が絞られるが、
本書に貫かれているのは参加される側への温かい視点である。
あくまでも参加者が主役であるという気持ちの表れだと思う。
論語に
『近き者説(よろこ)び、遠き者来る』
という言葉がある。
「よい政治とは何か?」と聞かれた孔子が、
「近くにいる人が喜んで、遠くにいる者はその評判を聞いて訪ねてくるといった政治です」
と答えたというものである。
この本のタイトル「参加したくなる会議のつくり方」から、何か似たものを感じる。
呼ばれたから行く、というのではなく、あの会議なら行きたい、となれば、
きっと会議の生産性も上がるだろう。
「参加したくなる会議」が広がれば、職場の風景も大きく変わりそうだ。
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