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個人的には不思議な「竜とそばかすの姫」の大ヒット [映画評]

細田守監督の最新作「竜とそばかすの姫」が、ロングヒットを続けている。
7月16日に公開された本作は、9月半ばを過ぎても客足が衰えず、
先週末の興行成績でも初登場1位の「マスカレード・ナイト」に続く2位となった。
ここまでの興収は約60億円に達しており、
これまでの細田監督作品の最高記録だった「バケモノの子」58.5億円を抜いたという。

念のため、私は細田監督のファンである。
「バケモノの子」はあまりピンと来なかったし、
「未来のミライ」は細田監督やっちゃったなあと思ったが、
「時をかける少女」にはキュンとしたし、
「サマーウォーズ」はアニメ史上に残る傑作だと信じているし、
「おおかみこどもの雨と雪」でも胸が苦しくなった。

そんな私だが、「竜とそばかすの姫」は全く楽しめなかった。
音楽と絵は素晴らしかったが、
映画としてはあまりと言えばあんまりで、
あまりと言えばあんまりなので、どこがどうとか突っ込む気にさえなりにくい作品だった。

細田監督ファンとしては、多くの人が細田作品に足を運ばれるのは嬉しい。
ただ、これが細田作品と思われるのかと思うと、なんとも言えない気持ちになる。

それにしても、なぜ「竜とそばかすの姫」が大ヒットしているのだろう。
もちろん、
日本テレビの強烈なプロモーションがあったり、
ダイハツやら明治安田生命やらドコモやらとのタイアップがあったり、
佐藤健さんをはじめとする豪華声優陣が出演していたり、
など、いろいろな要素があるのはわかる。
しかし、同じような要素があってもヒットしない映画はヒットしない。
細田監督の出世作となった「時をかける少女」のように、
口コミで面白さが広がる映画ではないと思えるし、
「サマーウォーズ」のように、
繰り返し観たいと感じる映画でもないと思えるだけに、謎である。

ただ、
今回のヒットで、細田監督が次回作もしっかりお金と時間がかけられそうなのは朗報である。
3年後、是非いい映画を作っていただきたい。
次回作もヒットすることを祈っているが、
大ヒットしたけれどなぜヒットしているのかわからない、という作品より、
それなりにヒットしているけれどもっともっと多くの人に観てもらいたい、
と思える作品であってくれると、なお嬉しい。

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