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映画評 「総理の夫」 [映画評]

自民党総裁選挙で、高市早苗さんが健闘されている。
立候補を表明された当初は、ご本人も
「泡沫候補」
などとおっしゃっていたが、今や「ひょっとしたら」という位置におられる。

はからずもそんな時期に公開されたのが、
日本初の女性総理大臣をめぐる騒動が描かれる本作。
高市さんにとっても、映画にとっても、またとないタイミングである。
29日の自民党総裁選挙の結果いかんによっては、本作もさらにはねるかもしれない。

本作は、わかりやすいコメディ。
日本初の女性総理大臣として頑張る辛さや、
それを支える夫や裏方の苦労も描かれるが、
リアルにとらえるようなものではない。
基本はドタバタ喜劇。
夫は、日本を代表する大企業の次男坊で、鳥類オタクで、政治には全く疎い、
という存在として描かれる。

主演の総理の夫役に田中圭さん、総理役に中谷美紀さん。
お二人ともはまっていたとは思うが、そこまでの強い印象はなし。
貫地谷しほりさん、工藤阿須加さん、松井愛莉さんが脇で頑張っておられた。
余貴美子さんもいい味。

観る前は、さむい映画なのではないかと心配した。
ギャグはスベリ、んな奴はいないよ、のツッコミどころばかりというような。
しかし、これが意外に楽しかった。
現実味はまるでないし、深みも渋みもないのだが、
口を開けてあんぐり観ているにはちょうどいい。
監督の河合勇人さんは、「チア☆ダン」や「かぐや様は告らせたい」を撮った方。
肩の凝らないコメディを作るコツをご存知のようだ。

ただ、最後のところで、夫に大技的な見せ場を持ってきたのは、ちょっと余計だったか。
タイトルが「総理の夫」だし、
客のかなりの部分を占めると考えられる田中圭さんのファンへのサービスという面もあるのだろうが、
映画とすると、やり過ぎで興醒め。
もう少しうまくできなかったかしら。
総理の決断も、今一つ腑に落ちず。

「総理の夫」は、なんとも絶妙な時期に公開された政治コメディ。
気楽に観る分にはちゃんと楽しめる。
いい政治家を選ばなきゃ、という気持ちにもちょっとだけなる。

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