SSブログ

映画評 「光を追いかけて」 [映画評]

今年は、東北地方のご当地映画的作品の当たり年なのだろうか。
青森県の「いとみち」、
福島県の「浜の朝日の嘘つきどもと」に続き、本作は、
秋田県が舞台。
「いとみち」が特に好きだが、3本ともちゃんと作られていて好感が持てるのは嬉しい。

ストーリーは、
東京から秋田に引っ越してきて馴染めずに悶々とする男子生徒と
家庭の経済状況が苦しく、それゆえなのか不登校となっている女子生徒が物語の中心。
学校は生徒の減少が原因で廃校となる予定であり、閉校祭が目前に迫っている。
街の状況をなんとかしたい大人たちは焦っている。
そんな折、緑の光が目撃され、田んぼにはミステリーサークルが出現して・・・
という感じ。

全体として楽しく見させていただいたが、
「なんでそうなの」と首をひねる展開も少なからず。
悶々男子生徒が急にクラスの最前線に立つのが今一つよくわからないし、
女子生徒の不登校やUFOを待っている理由もよくわからない。
全部説明するのも野暮なので、もちろん観ているこちらでいろいろ補足しようとは努めるが、
さすがにそれには限界がある。
そのため、登場人物に気持ちを入れ切れない。

主演の男子生徒に中川翼くん。
頑張っていたとは思うけれど。
いろいろ抱えている謎の女子生徒に長澤樹さん。
無理のある設定だったが、不思議な存在感で映画を引っ張っていた。
閉校祭を成功に導こうとする実行委員長に「ウィーアーリトルゾンビーズ」で鮮烈な印象を残した中島セナさん。
秋田出身枠なのだろうか、柳葉敏郎さん、生駒里奈さんが大事な役で出演され、映画を盛り上げておられた。

「光を追いかけて」は、なんだか不思議な映画。
ご当地映画というほどご当地感はなく、
青春映画というにもちと違和感があり、
もちろんSFでもない。
失礼ながら、ジャンル分けできない魅力がある、というほどでもない。
トンデモでもないし、悪い映画でもない。
かといって王道映画でもない。
中途半端と切り捨てるような映画でもない。
ふむ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。