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映画評 「決戦は日曜日」 [映画評]

本作は、選挙をめぐるコメディ。
テーマは社会派っぽいが、リアリティは重視されておらず、
メッセージを受け取るような作品ではない。
別にそれで全然いいのだが。

病気に倒れた父親の後を引き継ぎ、急遽出馬することになった娘役を宮沢りえさんが演じ、
彼女を支える議員秘書を窪田正孝さんが演じる。

宮沢さんは、とんだ勘違い女、といった役回り。
回りの気持ちに全く気付かず、ひたすら暴走を繰り返される。
大義といったものがあるわけではないので、単に迷惑な存在。
窪田さん演じる秘書は、彼女に振り回される。
しかし、彼にも大きな使命感といったものがあるわけではない。
全くかみ合わない二人だったが、選挙や政治をめぐる理不尽さから、
いつしか同じ目的をもって行動し始める。
その転換の説得力はそれほどではないが、お二人の演技は楽しかった。

タイトルの「決戦は日曜日」は、おそらくドリカムの「決戦は金曜日」を文字ったものだろうが、
日曜日は投票日のことを指す。
本来、一票でも余分に獲得するために奔走するのだが、
この映画ではなるべく落ちるように努力する。
そのドタバタが喜劇となっている。

笑えたかというと、正直、笑えはしなかった。
少しも面白くなかったかと言えばそんなことはないが、声を出して笑うほどではない。
私以外のお客さんからも、笑い声が次々上がるということはなかった。
笑わずとも楽しんでおられた可能性はあるが。

コメディなので、とにかくわかりやすく大げさにしたいという気持ちはわかるが、
「大げさに見せているなあ」
という事情ばかりが伝わり、こちらの気持ちがついていかない。
俳優陣の演技は皆さん素敵だったのだが。
もう少しリアルに見せた方が、かえって面白みが増したのではないだろうか。

「決戦は日曜日」は、シニカルなコメディ。
もうひとひねり、ふたひねりあればもっと楽しく観られた気がする。
俳優陣の演技が楽しかっただけに、惜しい。

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