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完全無欠のキーエンスの決算 [経済を眺める楽しみ]

かなり前の話になるが、
テレ東系「カンブリア宮殿」でキーエンスが取り上げられた。
どこの会社にもなんらかツッコミどころのようなものがあるのだが、
キーエンスにはそれらしいものが見当たらず、
ホスト役の村上龍さんも「かえってつまらない」といった体であった。

キーエンスの成長は止まらず、
今や時価総額で日本第4位の会社となっている。
1位がトヨタ、2位がソニー、3位がNTTとわかりやすい大企業が並ぶなか、
キーエンスはどこか異色である。
なにやら尖がった空気をまとっている。

そのキーエンスが発表した2022年3月期決算は、
完全無欠とでも言いたくなるような内容だった。
通常の場合、
売上は伸びたが利益はそこまで伸びなかったとか、
利益は伸びたが単年度の特別な事情があったとか、
会社はいいが社員への還元が今一つとか、
なんらか穴があるものである。
しかし、今回のキーエンスの決算は、
売上高・利益ともに過去最高、
成長力も十分という内容である。

キーエンスの特徴は、驚異的に高い売上高営業利益率。
今回もそうだったが、ずっと50%以上を記録し続けている。
製造業における売上高営業利益率の平均値は4%くらいだから、
キーエンスの数字がいかに突出しているかわかる。

しかも、キーエンスは給料が高いことでも知られている。
平均年収で1,800万円くらいというからこちらも驚く。

もちろん、内実を探ればいろいろ問題も抱えているのだろう。
実際に完全無欠の会社などあるわけがない。
そうだとしても日本企業の勝ち方の見本のような会社であることは間違いない。
やりようはある、ということを示してくれている。

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