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映画評 「百花」 [映画評]

どんな映画も、観てもらいたいがために多少は過剰広告になる。
それは当然だし、仕方がない。
「映画史に残る」とか、
「人生の一本」とか、大げさな言葉が躍る。
みんな話半分以下に聞いているだろうから別にいいのだが、著名人コメントはどうなのだろう。
映画を作った側が勝手に言っている過剰広告とはちょっとニュアンスが違う気がする。

本作については、予告編の段階から著名人のコメントが掲載されていた。
絶賛の声、続々、という奴である。
たとえば、
「凝縮された美しさ。」 映画監督・山田洋次さん
「映画は最初から野心的であざやかだった。素晴らしい作品を見せてくれたことに、感謝を伝えたい。」 映画監督・ポン・ジュノさん
「本当に久しぶりに映画に浸った。」 スタジオジブリ・プロデューサー 鈴木敏夫さん
「初監督作品にして、ここまで見事に作品全体をデザインすることができるのか。」 映画ジャーナリスト・宇野維正さん

もちろん、これらのコメントも話半分に受け取ってはいたが、名の通った方々のご意見でもあるので、
信じたい気持ちもあり、それなりの期待もした。
そして観た感想は、
「ありゃ、こりゃ、まあ」
という感じ。

映画プロデューサーとして知られる川村元気さんの初長編監督作品で、脚本も川村さんなのだが、
その脚本が、おやおや。
母子の物語なのだが、お二人に全く感情移入できない。
この設定とお二人の行動で共感しろという方が無理。
母も、
子も。

「半分の花火」の謎が明かされるのだが、
すみません、だからなんなのかしら、という感じ。

母親役に原田美枝子さん、息子役に菅田将暉くん。
原田さんは幅広い年齢を演じる役。
ちょっとなんと申し上げればよろしいか。
菅田くんについては、彼の演技がこんなにはまらない映画を始めてみた。
演出の問題でもあるのだろう。
菅田くんの妻に長澤まさみさん。
もったいな。
「さかなのこ」でいい味を出していた岡山天音くんが端役で出演。
なんそれ。

「百花」は、どこを切り取っても困った映画。
当たり前だが、プロデューサーとしての才能と映画監督としての才能は別物。
川村さんご本人は、本作をどのような気持ちでご覧になるのだろう。
プロデューサー目線で見たとき、世に出せる作品になっているだろうか。

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Maple

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by Maple (2023-12-06 17:00) 

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