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映画評 「沈黙のパレード」 [映画評]

東野圭吾さんのガリレオシリーズの映画化。
2008年の「容疑者Xの献身」、2013年の「真夏の方程式」に次ぐ3作目となる。

私はガリレオシリーズのファンでもなんでもなく、
テレビドラマも全く見ていなかったが、
映画化された2作には楽しませていただいた記憶がある。
どんな話だったかさっぱり覚えてはいないけれど。
今作はどうか。

よく知らない私が言うのもなんだが、
このシリーズの面白さは、捜査とは門外漢の物理学者が、
その専門知識を使って真相に迫る点なんだろうと思う。(ですよね)
本作では、科学者である必要があまり感じられない。
湯川先生が主体的に活躍し、謎解きもしてしまう。
単なる探偵ものになってしまっている。
事件の全貌も、
「はぁ?」
と言わざるを得ない意味不明の力業。

悪役に得体のしれない怖さも感じないし、
設定もなんだか雑。
謎解きの面白さもほとんど感じられず。
突っ込みどころも満載で、
真面目に観ると力が抜ける。

主演はもちろん福山雅治さん。
相変わらずカッコいいが、さすがにこの作品では輝けない。
柴咲コウさん、北村一輝さんはなおさら。
お二人のよさはまったく引き出されず。
被害者の父役の飯尾和樹さんはなかなかいい味。
岡山天音くんが、「キングダム2」「さかなのこ」「百花」に続いて出演。
このところ引っ張りだこである。
本作ではへんてこりんな役を振られたが。

似たような設定の映画として「検察側の罪人」を思い出した。
このときの悪役で出演していたのが酒向芳さんだったが、本作では趣の違う立場。
さすがの存在感だった。

本作は、監督も脚本もこれまでと同じだというのに、
どうにもイケてない作品になってしまった。
一定のヒットが約束された作品なので、邦画としてはまずまずお金をかけている感があったが、
それが有効に使われたとはとても思えない。
いやはや実にもったいない。

本作の感想を観終わると、多くの人が登場人物の名セリフをもじって、
「実に面白くない」
とつぶやくことと思う。

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