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商社不要論も今は昔 [経済を眺める楽しみ]

総合商社は日本特有の業態とされる。
世界中で活躍していて、
聞いたことが無いような国で事件があったときなど、
その国に駐在している商社マンが状況をリポートしたりする。
また、なんでも扱うので、
「ラーメンからミサイルまで」
と言われたりする。

商社と呼ばれる企業は数多くあるが、そのうちの上位5社を5大商社と呼ぶことがある。
その5社は、
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅
である。
そのうち伊藤忠と丸紅は同じ出自であり、近江商人の代表例になっている。

1990年代後半あたりに、「商社不要論」が唱えられた。
メーカー自ら輸出入取引ができるようになり、
インターネットが普及し距離の壁が薄くなる中では、
間を取りもつことによって儲けている商社のビジネスモデルは役割を終えたと言われたのである。
実際商社の業績も低迷し、
「商社 冬の時代」と言われる時期もあった。

しかし、商社はしぶとい。
何度となく大きな危機を迎えるが、
そのたびに強くなって立ち直ってくる。

物の動きが止まってしまったコロナ禍では商社も大きなダメージを受けたと思うが、
ここに来てまた勢いを取り戻している。

三菱商事が2023年3月期連結決算の最終利益の見通しを1兆300億円に引き上げたそうだ。
見込みどおり1兆円を超えれば、商社業界で初めてとなる。
三菱商事が突出しているわけではなく、
三井物産も通期の最終利益の見通しを9,800億円まで引き上げている。

今回の上方修正は、資源高と円安によるところが多く、
その意味では継続性に疑問の余地がなくもない。
しかし、いろいろなリスクに備えているのが商社であり、
環境が変化したら、それはそれで対応するだろう。
商社はずっとそうしてきた。

商社不要論は、もうすっかり言われなくなった。
企業は大きくなり過ぎると衰退すると言われるが、
商社はしたたかに生き残っている。

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