SSブログ

映画評 「土を喰らう十二ヵ月」 [映画評]

原案は、作家水上勉さんのエッセイ「土を喰う日々-わが精進十二ヵ月-」。
主人公の名前はツトムで、水上勉さんの名前がそのまま使われている格好。

映画のもう一つの主役はツトムさんが作る食事の数々。
肉や魚は使われていないのだが、
どれもこれも魅力的で美味しそう。
これをプロデュースされたのが料理研究家の土井善晴さん。
食材選びや扱い方、器選びなど、深く関わられたそうだ。

作られる料理は、
自ら栽培した野菜やら、
山や川で採ってきた山菜やらキノコやらを使ったもの。
丁寧に研いでいるからかお米も魅力的。
味噌や漬物もよだれもの。

ツトムさんと歳の離れた編集者との関係なども描かれるが、
ストーリーの起伏は小さく、
季節や情景や料理や機微を味わう作品。
退屈に思う人も少なくないだろうが、
年のせいか、私は楽しめた。

主演は沢田研二さん。
ジュリーの面影なく、すっかり役にはまっている。
これもまた沢田研二さん。
ヒロイン役に松たか子さん。
こちらも自然体。
がめつい感じの嫌な身内役を西田尚美さん。
コミカルな役が多いイメージの西田さんの悪役はなんだかおかしかった。

映画らしくない映画であり、
大波が来ないまま終了。
こういう映画もまたよきかな。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。