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少子化対策は叡智を結集して [ヨモヤ]

岸田首相が年頭記者会見において、
「異次元の少子化対策に挑戦し、大胆に検討を進める」
と決意を表明された。
少子化は我が国の将来を見据えたとき最大の課題とも言えるものであり、
総理が陣頭指揮を執って下さるのは頼もしい。

ただ心配なのは、政策の中身である。
詳細はこれから検討されることと思うが、
・児童手当など経済支援強化
・学童保育や病児保育、産後ケアなど全ての子育て家庭への支援
・仕事と育児を両立する女性の働き方改革の推進
の3点を中心に議論を開始する、
との考えを示された。
これらは、子育て家庭の支援にはなることと思うが、
少子化対策としての効果はいかばかりだろう。
そもそも、これらは「異次元」とはとてもではないけれど言い難い。

総理が旗を振って進める以上、
出生率を劇的に改善することを目指すものだと思う。
子育て支援を充実することで多少の改善が見込める可能性もなくはないが(これまでの実績から多くは望めないと思うものの)、
大幅に出生率が伸びることは期待薄だろう。
我が国の場合、未婚率の上昇が少子化を進めている大きな原因であり、
それに対する手立てにはなっていない気がするからである。

そこで、是非経済学の知見を少子化対策に活用してほしい。
経済学というと、銭金の勘定をしたり、損得を計算したりといったイメージがあるが、
過去の統計結果からその奥にある原因を見抜いたり、
インセンティブによる変化を研究し、行動変容を促したり、
といったことも重要な研究分野である。
近年は行動経済学にも大きな注目が集まっている。
少子化のように、数字で結果が現れるものは、親和性が高いとも考えられる。

また、新型コロナへの初期対応の際に台湾政府が試みたような、
ユーモアの活用も視野に入れてほしい。

もちろん、私などがこんなことを言わなくても、
異次元の対策の中では、経済学者などの意見も取り入れられることだろう。
ただ、「参考までに」聞く程度になる心配がある。
経済学的知見は、それはそれとして、
主に担うのはこれまでも所管していた方々となるとすると、
今回示されたような、
異次元どころか、過去の政策の延長線上にある政策しか選ばれないのではないかと危惧する。

少子化問題については、数十年間課題とされてきて、
それでも一向に解決に向かっていない。
であれば、
発想をまるっきり変える必要がある、
担っている部門や人をまるっきり変える必要がある、
と考えるのも、不自然なことではないだろう。
叡智を結集したい。

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