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2022年の邦画を振り返る ~ その2 概観 ~ [映画評]

勝手に2022年の邦画を振り返る企画の第2回。
1回目は「2022年映画音楽大賞」として、
「ちょっと思い出しただけ」より「ナイトオンザプラネット」を勝手に選ばせていただいた。
2回目の今回は、概観。

2022年はコロナ禍3年目。
映画館が閉鎖されたりすることはなく、
座席制限もなく、
ほぼほぼ通常営業に戻った。
しかし、撮影の苦労は相変わらずだったと思う。
同時期に同じ監督さんや俳優さんの作品が重なったのも、
そのあたりが影響したのだろうか。

アニメ作品が強いのも相変わらず。
邦画の興行収入ランキングはこんな感じであった。

1 ONE PIECE FILM RED
2 すずめの戸締まり
3 名探偵コナン ハロウィンの花嫁
4 THE FIRST SLAM DUNK
5 キングダム2 遥かなる大地へ
6 シン・ウルトラマン
7 余命10年
8 沈黙のパレード
9 コンフィデンスマンJP 英雄編
10 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争

アニメ&大作が並ぶなか、ちょっと毛色が違うのが
「余命10年」。
十年一日のごとき昔ながらの難病ものだが、ニーズがあるということなのだろう。

2022年は、残念ながら、
映画ファンをうならせつつ、大衆的なメガ人気も獲得するという作品はあまりなかった。
もちろん、いい作品もあるにはあったが、
全体として低調な一年だったと言わざるを得ないと思う。
ヒットする、しない、は、やってみなければわからないところもあるが、
予告編の段階から「観たい」と思わせてくれる作品が少ないのは悲しいことである。
邦画ファンとして、
もう少しなんとかならないか、
と言いたくもなる。
作り手からすれば、
思い切った企画を上げてもお金が集まらない、
やっと企画を通していい作品を作っても、
アニメじゃないと、わかりやすい話じゃないと客が集まらない、
ということかもしれない。
しかし、映画はもっと遠いところに私たちを連れて行ってほしい。
それは必ずしも大作を作ってほしいというのではない。
アイデアで世界は変わるということを証明してほしい。

そんななか、
メガヒットを義務付けられ、そこに正面から立ち向かいながら、
表現者の矜持も守り抜いた新海誠さんに感服した。
70歳を超えた原田眞人監督のたぎる思いが炸裂した「ヘルドッグス」にも興奮したのだが、
こちらは興行的な成功にはつながらなかったようだ。
「シン・ウルトラマン」も期待に応える作品だった。
「マイスモールランド」の川和田恵真さんをはじめ、今後に期待が高まる若手監督が出て来たのは明るい希望だった。

総合的に振り返れば、
2022年が、邦画にとって収穫が多い年だったとは言い難い。
2023年は、あっと驚く作品、まぶしさに目を細める才能に数多く出会いたいものである。

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