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株価上昇の恩恵を受けられるのは富裕層だけではない [経済を眺める楽しみ]

野村総合研究所が、「日本の富裕層に関する推計調査」を発表した。
それによると、1億円以上の純金融資産がある「富裕層」が149万世帯となり、過去最多に達したそうである。

ここで言う「富裕層」とは、
純金融資産を1億円以上持っている家計のことを指し、
「純金融資産」とは、
預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から、不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いた額を基にしているという。

全体像としては、「純金融資産保有額」が
5億円以上の「超富裕層」が全体の0.2%、
1億円以上5億円未満の「富裕層」が2.6%、
5000万円以上1億円未満の「準富裕層」が6.0%、
3000万円以上5000万円未満の「アッパーマス層」が13.4%、
3000万円以下の「マス層」が77.8%、
という結果であった。

富裕層・超富裕層の世帯数や資産総額は、
アベノミクスが始まった2013年からは、一貫して増え続けているそうだ。
その大きな要因は株価上昇であり、
実際この10年間で日経平均は2倍以上にもなっている。

こうした結果が出ると、
2極化が進んでいる、
アベノミクスの恩恵は富裕層に偏っている、
といった意見が出される。
確かにそういう面もある。
しかし、株式市場には富裕層しか参加できないわけではない。

かつては、株式取引を始めようとするとかなり大変だった。
口座開設が面倒だったし、
取引単位が大きく、まとまった金額がなければ買うことができず、
手数料もやたらと高かった。
今は、
ネットから口座が開設できるし、
ごく少額から取引ができるし、
手数料も安くなっている。
株式取引を始めるハードルはかなり下がっているのである。

もちろん、
余裕資金を運用できる富裕層と、
資金が豊富にあるわけではないそれ以外の層で、条件は五分ではない。
しかし、富裕層でないと株価上昇の恩恵を受けられないというのは全くの誤解である。

株式の上昇などからのあぶく銭はいらない、
という考え方もあり、それはある意味真っ当である気もするが、
であれば、
武士は食わねど
の精神を貫いてほしい気もする。

数千円からでも、株式取引はできる。
株価が上昇しても恩恵がない、
と嘆かれるなら、是非ご参加を。

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