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映画評 「きみの色」 [映画評]

なんだろう、この映画。
「映画 聲の形」の山田尚子監督作品なのだが、
伝わってくるものがない。
これだけ何も感じられない映画も珍しい。
つまらない、面白くない、というのとも違う。
感じられない。

主な登場人物は3人。
全寮制のミッションスクールに通う主人公のトツ子と、
同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみ、
古書店で出会った音楽好きの少年・ルイ。
この3人の設定が薄く、個性も魅力もさっぱり伝わってこない。
一応、葛藤らしきものもほんのり描かれはするのだが、形ばかりの、という感じ。

色が見える、
という設定もほぼ生きてこない。

3人が音楽によって心を通わせるのだが、
彼らがそんなに音楽に熱いわけでもない。
だから、ラストの演奏シーンに心を動かされない。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズの吉田玲子さんが脚本とのことだが、一体どうされたのだろう。
ただ、映画の責任は監督にある。

タイトルも特に生きてこず、
もやもやもやもやしながら映画は進み、
あれあれという間にエンディング。
観終わった瞬間に、消えて行ってしまった。
なんだろう、この映画。

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