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日経平均27年ぶりの高値  ~ しかし、ここがゴールではない ~ [経済を眺める楽しみ]

日本株の上昇が続いている。
9月28日の日経平均株価の終値は、
前日比323円高の2万4120円となり、今年1月のバブル崩壊後の高値にあと4円まで迫った。
この水準はバブル崩壊後それほど間もなかった1991年11月並みである。
ようやくここまで戻したか、と感慨深く思う人もおられるだろう。

今回の上昇は、
・出遅れていた日本株が再評価され、「持たざるリスク」が意識されるようになったこと
・米中貿易戦争の影響は限定的と考えられるようになったこと
・円安が進んだこと
などがその理由と考えられている。
もちろん、これに加えて企業業績の好調さが株価を支えている。
日本企業全体の経常利益は、過去最高を更新する見込みだという。

一方、悲観的な見方もなくはなく、
・貿易戦争が拡大し、日本もその標的となる恐れがある
・イタリアをはじめ、債務問題がクローズアップされる可能性のある国がいくつかある
・中国をはじめとする新興国の景気が減速する心配がある
など、不透明感は残る。
また、来年に予定されている消費税増税をうまく乗り切れるのかどうかが、これからは注目されてくるだろう。

しかし、
やっと24,000円であり、
ついに24,000円でも、
とうとう24,000円でもない。
最高値のときには40,000円近くあったのである。
アメリカのみならず、ほとんどの国で株価は最高値水準にあり、
日本のように最高値の6割水準をうろうろしている国などない。
普通の株式市場であれば、24,000円どころか、30,000円、35,000円と上昇するのが当たり前なのだ。

しかし、まあ、個人投資家は慌てず騒がず行きたいところである。
上がったから買う、下がったから売る、ではなく、じっくりいい企業を見極めたい。
業績も経営もいいのに、このほぼ全面高の市況環境のもとでも、あまり上がっていない企業もあるはずだ。
日々の上げ下げに一喜一憂せず(いや、してしまうが)、じっくり腰を据えてそういい企業を探そう。
今後、日経が上がろうが下がろうが、いい企業は伸びていくはずだから。

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映画評 「パパはわるものチャンピオン」 [映画評]

プロレスが好きだった。
もちろん、今だって好きだが、昔ほどの熱量ではない。
学生の頃は、
毎日のように東スポを買い、
「ファイト」「プロレス」「ゴング」といった週刊誌を毎週読み、
テレビ放送は必ず見て、
大きな大会や注目カードのときには会場に足を運んでいた(会場に行くのは全日に限りだが)。
そこからすると、今は、好きなだけである。

今、現役バリバリで見ているのは映画。
その映画の題材としてプロレスが取り上げられているとあっては、どうしたって観に行きたくなる。

主演は、自称?「100年に1人の逸材」、棚橋弘至さん。
新日本プロレスの暗黒時代を支えた選手として、ファンの信頼も厚い。
もちろん役者さんではないので、演技という点ではなんとも言えない面もあるが、十分に演じられていた。
奥さん役が木村佳乃さんだから、逸材としても納得だろう。

公開されているあらすじはこんな感じ。
以前は人気レスラーだった大村孝志は、現在は悪役覆面レスラー、ゴキブリマスクとしてリングに上がり、観客からブーイングを受けている。息子には自分の仕事を秘密にしていたが、ある日それがばれてしまい、「パパなんか大嫌いだ」と言われる。
そんな大村にタイトルマッチの大チャンスが訪れる。果たしてパパは名誉を取り戻せるのか?

ストーリーは、中島らもさん原作の「お父さんのバックドロップ」に近いものがある。
プロレスを描くなら、ヒールを取り上げたくなる気持ちはよくわかる。
そうして意味では、定番と言えば定番だし、ありがちと言えばありがちな展開。
しかし、だから悪いというものではない。
ラストに向かうにつれて、ちゃんと感情移入して観ることができた。

ただ、ちょっと展開がベタであり過ぎた。
親子の関係も、子供同士の関係も、あまりにもよく描かれるパターンで、胸に届くものがなかった。
ここはもう少し突き詰めてほしかった。

雑誌記者役を演じた仲里依紗さんがいい味。
仲さんといえば、私の中では、アニメ映画「時をかける少女」の主役・紺野真琴さんの役が印象的。
一生ついていく覚悟である。
他では、ゴキブリマスクの相棒・ギンバエマスクを演じた田口隆祐さんがよかった。
田口さんは、棚橋さんと同じく新日本プロレス所属の現役プロレスラー。
演技力が問われる重要な役柄をしっかりこなされていて、驚いた。
田口さんの演技が、映画にリアリティを加えていた。

「パパはわるものチャンピオン」は、新日本プロレスのファンの方ならきっと楽しめる映画。
オカダ、真壁、天山らがスクリーンで暴れ回る。
現役のプロレスラーが出演しているので、試合のシーンのクオリティは当然高い。
他のプロレスファンの方も、楽しんで観られると思う。
極端な期待をせずに観に行けば、ほんわり温かい気持ちになれるだろう。

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映画評 「3D彼女 リアルガール」 ~ 観に行った私が悪いのか ~ [映画評]

オタクの男と可愛過ぎる女子との恋愛。
正直、珍しくもなんともない設定。
成功例としては「電車男」が挙げられるだろうが、こうしたギャップ恋愛は少女漫画では定番中の定番。
それでも面白くできないわけではない。
楽しめる娯楽作品に仕上げられる可能性は大いにある。

本作も、前半は快調だった。
わかりやすい設定を活かし、飛ばす飛ばす。
「んな奴アいないよ」
という展開の連続なのだが、はじめからリアルな展開など期待されていないのだから、荒唐無稽でいい。
「ないないないない」
と思いながらも、楽しく観られた。

しかし、物語は始めた以上終わらせなければならない。
そのためには山場が必要で、起承転結が求められて、期待の裏切りも必要で、
といろいろ盛りこんでいるうちに、後半は完全崩壊。
「んな奴アいないよ」
ならまだいいのだが、
「それは酷い」
「今までの話はなんだったんだ」
という流れに落ち込み、観ているこちらがいたたまれない気持ちに。
こうなってしまうと、そもそもの設定やそれまでのあれやこれやにも疑問が出てきて、考えだしたら許せなくさえ思えてくるように。
まあ、予想はしていたが。

監督は、英勉さん。
私の大好きな「ヒロイン失格」を撮った監督だが、その後の作品は、「トリガール!」「あさひなぐ」も今一つだった。
「ヒロイン失格」は、振ったところにボールが来た感じだったのだろうか。
こう連続で外されると、「ヒロイン失格、最高!」と言い続けるのもしんどくなってくる。

主演は、中条あやみさん。
ちなみに、ちゅうじょうさんではなく、なかじょうさん。
しっかり役割を果たされていたが、ここまで陳腐な脚本では、さすがに苦しかっただろう。
共演は、佐野勇斗くん。
我が愛する「ちはやふる」で、新入部員の筑波を演じた子。
こうして主演級を飾ってくれるのは嬉しいし、突拍子もない役を懸命に演じていた。
「ちはやふる」組からは、清水尋也さんも出演。
お姉ちゃんが「ちはやふる」に出ていた上白石萌歌さんが、オタクの女子役でいい味を出していた。
萌歌さんは、「未来のミライ」の主人公くんちゃん役を演じられ、これはちょっとあんまりだったが、女優としては未来を感じる。
その他、「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」に出ていた恒松祐里さんなど。

そもそも、白髪たっぷりのおっさんが「3D彼女 リアルガール」を観に行く方がどうかしているのかも知れない。
完全にターゲットから外れているはずで、私が楽しめなかったところで、製作者側からすれば、別にどうでもいいことかも知れない。
どんな映画も観てみないとわからないし、どんな題材でも普遍的に面白いものを作ることは可能であると信じているが、こうした映画を観てしまうと、ふっと迷ってしまう。
そうした意味では、考えさせられる映画ではあった。

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この件で「LGBTには関わらないようにしよう」と言論が委縮することが心配  ~ 新潮45の休刊で思う ~ [ヨモヤ]

私の大好きな映画「ちはやふる」で、主要登場人物が、
「君は、ずっとやめる理由を探してた」
と図星を指されるシーンがある。
彼は、突然かるた部をやめたのだが、実はかなり前からやめようと思っていて、そのための理由を探していたと見抜かれたのである。

新潮45は、かなり以前から部数低迷に悩んできたという。
ここで休刊になったが、ひょっとしたら断腸の思いというより、きっかけになっただけかも知れない。

そのきっかけとなったのは、8月号と10月号。
8月号では、自民党の杉田水脈衆院議員の寄稿が掲載され、子供を産まないことから「LGBTの人々には生産性がない」などとした主張が多くの批判を浴びた。
そして10月号では、
「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」
と杉田氏を擁護する特集を掲載したのだが、その中の一部の文章があまりにも行き過ぎていると、8月号以上の批判を浴びた。
10月号の内容については、新潮社の社長が
「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現」
があったと認める声明を出す騒ぎとなった。

「こんな雑誌、休刊になって当然だ」
とお思いになる方も少なくないだろう。
ほとんど読んだことのない私には、正直感慨もないが、言論誌が自らの言論の責任で閉じてしまうのは残念である。
本当に反省するのなら、言論でしっかり総括してほしかった。

また、今回のことで心配になるのは、表現する人が、
「極力、LGBTには関わらないようにしよう」
と考えることである。
また、
「LGBT界隈は怖い」
と思われてしまったとしたら、これも残念である。
地下に潜ると、どんどん陰湿になってしまう可能性がある。
語られないと、ないものにされてしまう可能性がある。

YouTubeに、渦中の小川榮太郎さんが出演されている映像があった。
賛否はもちろんあると思うが、見た方がいいように思う。
https://www.youtube.com/watch?v=vUDc2-qrCsY
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オリックスは福良監督に続投を要請していたとか  ~ フロントは恥じるべき ~ [ヨモヤ]

オリックスの福良淳一監督が今季限りで辞任する意向であることが明らかになった。
それはそうだろう。
2015年のシーズン途中に監督に就任して以来、今年まで(まだ終わっていないが)4年連続Bクラスなのだから。

監督に就任して、3年連続Bクラスなら、普通は更迭で当然だろう。
かつての中畑監督のように、人気があり、客を呼べるのならともかく、そうでなければ3年待てば十分だ。
私は、去年もおととしも、福良監督の続投には疑問を呈してきた。
https://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19
https://matoko.blog.so-net.ne.jp/2017-09-22
そして、案の定、今年も下位に低迷である。

フロントもさすがに懲りたのだろうと思ったら、なんでも今月初旬に来季の続投を要請していたのだという。

4年連続Bクラスで、全く優勝争いに絡まない監督に続投要請。
!?
ちょっと信じがたい。
一体、誰目線なのだろう。
長い間悔しい思いをしているファンのことを、ほんの少しでも考えているのだろうか。

フロントが続投を要請した理由は、若手の育成に貢献があったからだという。
去年もそんなことを言っていた。
おととしも、若手の起用が評価されたとされていた。
今年もBクラスであるが、まだ若手の育成が評価されている。
日本ハムの栗山監督のように、ダルビッシュや糸井、大谷に抜けられながら、若手を育てて優勝争いにも絡んでくるというのならともかく、毎年首位と何十ゲーム差も離されてそれでも評価されるとは、実にのんびりした話である。

福良監督辞任を報じる記事に、
オリックスの湊球団社長は常々、
「われわれは長期のスパンで考えている」
と話しておられると報じられていた。
う、ぷ。
こら、笑ったら失礼である。
確かにオリックスは、1996年以降優勝していないが、
12球団で最も優勝から遠ざかっているが、
2010年以降Aクラスは1度だけ!だが、
2000年以降でもAクラスは2度だけ!だが、
そんな目先のことではなく、50年とか100年とかの長期のスパンで考えておられるのだろう。

批判めいたことを、皮肉っぽい文章で書いてしまったが、
パ・リーグを愛するが故である。
関西の出身者として、セの阪神の向こうを張れるチームを作ってほしいからである。
失礼の段は申し訳ないが、強い思いがあってのことでもある。

先日、「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、「プロ野球球団を持ちたい」とツイートされ、話題になった。
前澤さんだけではなく、プロ野球チームの経営に興味を持っている方は少なくないと思う。
だから、もしオリックスがプロ野球に興味を失っているのだとしたら、なるべく早く手を放してほしい。
そうでないのなら、全力で取り組んでほしい。
何十年も優勝していないのに、全く恥じておられない様子なのが、哀しく、悔しい。

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映画評 「コーヒーが冷めないうちに」 [映画評]

「4回泣けます」がキャッチコピーとなっている「コーヒーが冷めないうちに」。
いろいろ考えた末に付けられたコピーなのだろうとは思うけれど、観に行った私が言うのもなんだが、これを読んでも観に行きたくなる感じはしない。
4回とわざわざ書くくらいだから、数多く泣けることがいい映画だということなのだろうか。
一度だけ、深く泣かせる映画もいいものだと思うが。
そもそも、泣かせなくてもいい映画もいくらでもあるし。

そんなことをいきなりグダグダ書いてしまったのも、いかにも泣かせようとする映画に思えたから。
泣かせることがノルマのようになってしまっては、観る方はしんどい。

この映画の脚本は、奥寺佐渡子さん。
私の愛する細田守監督作品の「時をかける少女」「サマーウォーズ」を書いた人。
実写でも「学校の怪談」「八日目の蝉」をものにされている。
しかし、今作はもう一歩だったと思う。
もちろん映画の責任は、監督にあるが。

映画の舞台は、とある喫茶店。
決まった席に座ってコーヒーを飲み、強く念ずると過去に戻れるが、
「過去に戻れるのはコーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまう間だけ」
「過去に戻って何をしても、起こってしまったことは変えられない」
「その喫茶店に来たことがある人にしか会うことはできない」
などの制約がある。
まあ、別になんでもいいけれど。

主演は、有村架純さん。
ほぼ出ずっぱりなので、彼女のファンにとってはいい映画だろう。
石田ゆり子さんもずっとおられる感じなので、石田さんのファンにも喜ばれそう。

いろいろな人が過去に戻るので、映画というより、連ドラにした方が楽しめる題材かもしれない。
監督の塚原あゆ子さんは、ドラマの演出に定評のある方のようだが、本作では映画的な奇跡にはたどり着けなかったように思える。

「コーヒーが冷めないうちに」は、設定の素っ頓狂さによって成り立つ物語。
映画の世界ではこうした設定もありだが、設定が素っ頓狂な割には、登場人物はありそうな行動ばかり。
ワクワクする感じは最後まで持てなかった。
長く寄り添った夫婦や親子連れなどで観に行けば、感慨が生まれないとも限らないが。

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映画評 「ペンギン・ハイウェイ」 やはり必見   ~ 2回目の鑑賞&原作読了 ~ [映画評]

観終わった瞬間に「間違いない」と思える映画もあれば、えらく感動したのだが、本当によいものだったのかどうか半信半疑な気持ちになる映画もある。
今年で言えば、「カメラを止めるな!」が前者の代表、そして「ペンギン・ハイウェイ」が後者の代表である。

「ペンギン・ハイウェイ」は、前評判も予備知識も何も入れないで観に行った。
映画が終わって、すごいものを観たと興奮したが、世の中的には「カメラを止めるな!」のようなムーブメントにはなっていない。
これは、私の早合点だったか。
期待を裏切られた「未来のミライ」の反動だったのか。
いや、そんなはずは・・・
と思いながら、どうしても観たくなって、確認もしたくなって、「ペンギン・ハイウェイ」二回目の鑑賞となった。

いい映画とはそういうものだが、一回目より二回目の方がよかった。
さらに感動が深まり、鼻の奥が何度もツンとした。
間違っていなかった。
今年の夏は、この映画である。

少年のひと夏の冒険の物語。
少年も愛おしいが、
少年と絡む「お姉さん」の魅力的なこと。
少年の声の北 香那さん、お姉さんの声の蒼井 優さん、お二人とも素敵だった。

子ども時代だからこその純粋さ、
無垢ゆえの残酷さ、
恋の淡さ、
友とのつながりの危うさ。
奇跡的にギュッと詰め込まれている。

「今年の夏は、どこにも行かなかったなあ」というあなた。
「冒険していないなあ」というあなた。
「暑いだけで、なにもない夏だったなあ」というあなた。
「ペンギン・ハイウェイ」をご覧になればいい。
それだけで、特別な夏になる。
夏にふさわしい映画なので、できればお早めに。

併せて、森見登美彦さんの原作も読んでみた。
映画を観てから読むと、
原作にはこんなシーンもあったのか、
ここを切るのは断腸の思いだっただろうなあ、
などと思う。
そして、脚本の素晴らしさにうなる。
すごい、と思う。
ラストシーンは原作にないものが足されているが、決して不快ではない。

ネットにある本作の感想を読むと、
「意味不明」
「何が言いたいのかわからない」
という意見もあるようだ。
世の中、わからないことの方が多い。
わからなければいけないものでもない。
わからないことを受け入れられたらいいのに、と思う。

そこらじゅうで上映している映画ではないけれど、足を運ぶ価値がある。
上映が終わる映画館がある一方、新たに始まる映画館もある。
繰り返しになるが、今年の夏は「ペンギン・ハイウェイ」である。
チャンスを逃さぬよう。
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「ハナコ」の優勝は納得も なにやらもやもやキングオブコント ~ 芸人さんごとの寸評も僭越ながら ~ [ヨモヤ]

ここ数年、キングオブコントの決勝に出てくる芸人さんを選ぶ側の選球眼に疑問の念を抱いている。
「どうしてこの芸人がここまで来たのか・・・」
という感覚を持たざるを得ないことが多過ぎるからである。
話題を作ったことで結果オーライではあったが、ネタを2本そろえることもできない「にゃんこスター」を選んでしまうあたり、ちょっとどうかしている。
今年は、生放送当日まで決勝進出の10組が誰だかわからず(結構、漏れてしまったようだが)、ネタ順もいつの間にか決まっているという、芸人も視聴者も無視した意味不明の新機軸が打ち出されたが、こうした運営もヤレヤレである。
一体、誰目線なのだろう。
まあ、今に始まったことではないから、運営には期待せず、いいネタを見ることに集中しよう。

トップバッターは「やさしいズ」。
ウケなかったことを番組中ずっとネタにされていたが、そこまでつまらなかったわけでもない。
芝居もうまいし、センスも感じる。
まあ、笑えはしなかったが。

2組目は「マヂカルラブリー」。
去年のM-1の決勝進出コンビだが、本番で全くウケず、審査員の上沼恵美子さんにズタボロにされた。
今回も正直イマイチだったが、M-1とキングオブコントの両方の決勝に残るのだから、力はあるのだろう。
しかし、繰り返しをネタにするのなら、少しずつ増幅してくれないと。

3組目は「ハナコ」。
犬好きにはよくわかるネタでクスリとする。
ここまでの3組のなかでの最高点は当然。
しかし、3人目の役割が不明なのはキズ。

4組目は「さらば青春の光」。
なんでも、今回を最後にするとか。
過去、「痛トン」「那由多」「イエイイエイオウオウ」など(なんのことかわからないと思うが)、数々の名作を送り出してきた彼ら。
今年のネタも、きっちり面白かった。
設定の面白さに抜群の演技力。
しかし、得点が「ハナコ」を1点下回り、決勝進出が苦しくなった。
得点が表示された瞬間、うちの家庭では悲鳴が上がった。
残念・・・・。
もう一本見たかった。
宣言を撤回して、来年も出てほしい。

5組目は「だーりんず」。
いつものことだが、客席にいるのは若い女性ばかり。
おじさんネタはわからないし、ウケない。
それほどのネタでもなく、当然の脱落。

6組目は「チョコレートプラネット」。
この日の最高得点だったが、キングオブコントの歴史を紐解いても上位に食い込む傑作。
うちでは、ネタの途中から爆笑が止まらなかった。
設定、展開、演技、どれも見事にはまって、文句なし。

7組目は「GAG」。
学生のバイトという設定なのだが、見た目が完全におっさんなので、全く入り込めない。
うちでは、途中から完全に我慢の時間となり、彼らが通って、「相席スタート」や「しずる」や「ジャルジャル」が落ちていたのなら許し難いという空気になった。
面白いネタもあるのだとは思うが、これだけを見ると、あまりにもしんどい。

8組目は「わらふぢなるお」。
コンビニの設定はよくあるし、繰り返しのネタもこの日だけでも何本目か。
なのだが、笑いが後を引く。
会場のウケもよく、チョコプラに続く点数が出たのも納得。
この段階で、「さらば青春の光」が消えた。
そうなるだろうと思っていたが、ショック。

9組目は「ロビンフット」。
しゃべりが面白く、コントというか、漫才でも行けそうなネタだった。
二人の達者なやり取りで、だんだん笑いが膨らんでいった。
結果、「ハナコ」にわずか2点差。
この辺は、運としか言いようがない。

10組目。
私は勝手に「相席スタート」を優勝候補と見ていたので、ここで出てくることを願った。
久し振りに、「しずる」の本気ネタも見たかった。
しかし、呼ばれたのは、ネットで漏れていたとおり「ザ・ギース」だった。
彼ららしいネタで、まあまあな感じだったが、決勝に残るインパクトはない。

決勝進出は、
チョコレートプラネット
わらふぢなるお
ハナコ
の3組。
しつこいようだが、「さらば青春の光」の2本目が見たかった。

まずは「ハナコ」。
コントによくある設定だが、いろいろなアイデアが詰め込まれ、稽古もしっかり積まれていることが伝わった。
爆笑とまでは行かなかったが、1本目より2本目がいいというのは珍しい。
その点は素晴らしい。

続いて「わらふぢなるお」。
チンピラに絡まれる設定は定番。
超能力ネタもこの頃よく見る。
それでも面白いものは面白いが、今回ははじけなかった。

最後が、「チョコレートプラネット」。
彼らが、いろいろな小道具を自作するのが好きだと知っていたが、決勝はそれが悪い方に出た。
次々に手作りと思われるあれやこれやが出てきたのだが、「へえ」とは思えても笑いにはつながらない。

キングオブコントでは、1本目の点数が持ち越され、2本の合計点で競われる。
そのため、逃げ切りになるケースも多いのだが、今回はハナコ以外の2組がいかんせんダメダメだった。
優勝は「ハナコ」。
あまり華がある感じでもなく、売れるかどうか不明だが、それはそれとしてこの日の夜は彼らのためにあった。
優勝おめでとうございます。
2本揃えたのは、皆さんでした。

今年も、残念ながら爆笑の連続とはならなかった。
はじめにも書いたが、ここ数年ずっとこんな感じなのだから、選ぶ人を変えた方がいい。
変わっているのかも知れないけれど。
今回決勝に進出したあの芸人さんやあの芸人さんより、「相席スタート」や「しずる」や「ジャルジャル」がつまらなかったとは信じられない。
また、決勝当日まで出場芸人がわからないという仕組みも今回きりにしてほしい。
誰も得しないし、誰も喜ばない。
いい番組にするために、無理な願いとは思えないのだが。

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巨人が4年連続のV逸  ~ それでも監督続投?の不思議 ~ [ヨモヤ]

巨人と言えば、常勝が宿命づけられているとされている。
1リーグには6球団しかなく、平均でも6年に1度は優勝できるから、常勝という以上、6年に3回くらいは勝っておきたい。
そして6年のうち、優勝に絡めないのは1年くらいにしておきたい。
それが、今年で4年連続のV逸である。
しかも、首位は遥か彼方というシーズンの連続。
これでは、とても常勝とは言えない。

オーナー企業に金がなく、補強もままならない、というのなら同情もされるだろうが、巨人は全く違う。
2016年のオフには、DeNAから山口、ソフトバンクから森福、日ハムから陽と3人もFAで獲得し、
外国人としてもマギーを引っ張ってきた。
2017年のオフにも、西武から野上をFAで獲得し、
中日からホームラン王を獲得したゲレーロを奪った。
補強の方向性がどうのと言われるが、これだけメンバーを加えればさすがに戦力は上がるだろう。
これだけやってもらって8月ごろには早々に終戦していては、現場の責任が問われるのもやむを得ないだろう。
というより、問わない方がおかしいとも言える。

しかし、どうやら球団側は、高橋由伸監督に続投を要請するようだ。
理由は、若手の育成に実績を上げたからであり、今年大ブレークした岡本の存在が例として挙げられているようだ。

私はパ・リーグファンだし、巨人の試合をあまり見ることもない門外漢なので、とやかく言う資格もないが、あれだけの戦力で負けてしまいながら、若手の育成で評価されるというのはどんなものなのだろう。
大物を使いこなし、きっちり勝ち星を重ねたうえで、生え抜きの若手も育てているというのならともかく。

まだもう少し残り試合はあるが、5割を割ることはほぼ確実である。
CSにも出られないような事態になったら、高橋監督から、辞任の申し出をするのではないだろうか。
この成績では、巨人の監督でなくても進退伺をしない方が不自然である。

どこのチームでも、負けたら最高指揮官が責任を取る。
そういうものだ。
もちろん、監督だけの責任ではないが、責任を取るのは監督である。
責任を取るのが監督である、と言うべきか。

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今さらながら「リーマン・ショック」という表現は止めにしたい  ~ リーマンの破綻はきっかけではなく結果 ~ [経済を眺める楽しみ]

2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻した。
今年は、それからちょうど10年に当たる。
節目の年に、いろいろな特番も組まれていた。

もうすっかり定着した言葉なので、今さら口をはさんでも仕方がないが、「リーマン・ショック」という言葉が嫌いだ。
何故嫌いかというと、あの当時の金融危機が、リーマン・ブラザーズの倒産がきっかけで起こったように勘違いされてしまいそうだからである。

金融危機の引き金となったのは、「サブプライム住宅ローン危機」であり、これは2007年には明らかになっていた。
初めは、影響は限定的かと思われていたが、次第に世界経済全体を揺るがす事態に発展していった。
2007年にはBNPパリバをめぐる騒動があり、メリルリンチも危機に陥った。
2008年にはベア・スターンズが危うくなり、アメリカのフレディマックとファニーメイといった住宅関係の金融機関の救済の是非が連日取りざたされていた。
リーマン・ブラザーズの倒産は、そうした流れの中で生まれたものである。
リーマン・ブラザーズの倒産が、金融危機の引き金を引いたのではない。

そもそも、リーマン・ショックという言葉自体、日本にしかないという。
Wikipediaによれば、「the financial crisis of 2007–2008(2007年から2008年の金融恐慌)」とか、「the Global Financial Crisis(国際金融危機)」などというのが一般的であるそうだ。
一金融機関の暴走によって金融危機が引き起こされたような誤解を与える表現は止めた方がいいように思う。

金融危機を振り返る映像には、必ずといっていいほど、倒産したリーマン・ブラザーズの社屋から会社の看板を掲げて現れた社員の姿が映し出される。
見るたびに「なんだかなあ」と思う。
ごく一部の強欲な人たちが起こした危機ではなかったところが、本当の怖さなのに。

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