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韓国の出生率が1を割り込む [ヨモヤ]

日本では、長く少子化が大きな課題とされているが、アジアの中にはより深刻な国がある。
具体的には、
シンガポール、台湾、韓国、香港、
といった国や地域である。
こうしたところでの出生率は、日本を大きく下回っている。

そのうちの一つである韓国の統計庁が、
合計特殊出生率は0.98となり、
データがある1970年以来初めて1を割り込んだと発表した。
日本の1.4前後の数字が可愛いものに見えるくらいの低水準である。

1970年ごろは4を超えていた韓国の出生率は、
1980年代に急減し、日本と肩を並べるようになった。
そして、ここ数年は、世界最低水準の国の一つになっていた。
それにしても、1を割るのは、心理的には大きなインパクトだろう。

少子化の背景には、韓国の若者の経済不安があるとされる。
2010年ごろから、「恋愛、結婚、出産」をあきらめる「3放世代」という言葉が使われ始め、
そこからさらに進んで、
「就職」「マイホーム」の5つを諦めざるを得なくなる「五放世代」、
「人間関係」「夢」の7つを諦めざるを得なくなる「七放世代」
なる言葉さえ生まれている現状がある。

実際のところ、韓国でそこまで絶望が進んでいるのかどうかわからないが、この少子化は深刻である。
日本も同様だが、少子化はさらなる少子化を生むから、どこかで歯止めをかけないとどんどん進んでいくことになってしまう。

少子化が将来不安を呼び、
希望を失うことにつながってしまうと、
さらなる悪循環になる。
日本も人のことは言えない。
少子化の克服は、現代における最大のチャレンジである。

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パリ五輪に野球・ソフトが落選  ~ 野球はともかくソフトにとっては痛い ~ [ヨモヤ]

競技者にとって、オリンピックは最大の目標である。
日本でプロとしての人気が確立している野球やサッカー、相撲はともかく、
それ以外のスポーツにおいては、オリンピックが頂点であり、
レベルが上がれば上がるほど、そこを目指して鍛えていく。
その最大の目標があるから頑張れているという種目は、いくらでもあると思う。

しかし、すべての種目がオリンピックに採用されているわけではない。
メジャーどころでもボーリングなどは外されているし、
すでにある種目でも、見直しの対象とされることがある。

日本では、ソフトボールの正式種目入りが念願である。
女子のソフトは世界でも屈指の強豪だし、底辺も広い。
子どもたちのモチベーションを高めるためにも五輪での採用は欠かせないものであり、
東京五輪での復活は大きな喜びをもって迎えられた。
しかしそれもつかの間、東京の次、2024年パリ五輪では野球・ソフトは採用されないことになりそうだ。
パリ五輪組織委員会が国際オリンピック委員会に提案する追加競技候補を発表し、20年東京五輪で実施される野球・ソフトボールと空手は含まれなかったというのである。

ヨーロッパでは野球やソフトボールはあまり人気がない。
そのうえ、野球場は五輪後に転用が効きにくいから、経費面でも嫌われる。
既存の野球場を使える日本やアメリカとはそこが違う。
だから、今回の除外は、ある程度予想されていたことではある。
しかし、それにしても、一度除外され、そこから復活した種目が、一回こっきりでまた除外されるというのは、関係者にとっては大きな衝撃であろう。

五輪に安定して採用されるためには、世界に普及させていくことが、時間はかかるものの正攻法ではあろう。
しかし、野球もソフトも、
バットやボールやグローブやその他もろもろの道具が必要であり、
専用の球場の整備が求められ、
一チーム当たりの人数も少なくなく、
ルールがかなり複雑、
と来ているから、下地のないところに広げるのはかなり難しい。

野球は、プロもあるし、メジャーへの道もあるし、いろいろ課題はあるとは言いながらWBCもある。
だからまあいいとしても、ソフトボールには、やはり五輪が重要である。
オリンピックは、パリの次は、2028年ロスアンゼルスでの開催が予定されている。
野球の本場であり、
ソフトボールでも日本と並ぶ強豪である。
ここで再び復活させて、そこからは恒久実施につなげたい。
ハードルは低くないだろうが、最後のチャンスともいえる機会である。
アメリカとも一致団結して取り組んでいきたい。

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映画評 「トラさん~僕が猫になったワケ~」 [映画評]

今さらながらに言うが、映画が好きである。
特に邦画を大切にしている。
いい映画に巡り会うために、選り好みなく観ようと思っている。
大作も低予算も、シリアスもコメディも、ホラーもほのぼのも、
なんでも観ようと思っている。
しかし、時間にもお金にも限りがあるので、多少は映画評を気にする。
毎週金曜日夕刊の日経の映画評は必ずチェックしているし、
Yahooのユーザーレビューや、映画ドットコムやフィルマークスのレビューも読むことがある。
そして、そこで高評価だと、観てみようかな、と思ったりする。
もちろん、こうしたレビューは専門家ではない方々の主観であるし、
明らかに工作員と思われる方の書き込みもあるので、
鵜呑みにはしない。
あくまで参考にする程度である。
ただ、食わず嫌いはしたくないので、評判のいい映画なら、アイドル映画でもコアなファン向けのアニメでも、とりあえずは観ておきたいと思う。

この「トラさん~僕が猫になったワケ~」も、レビューがよかったクチ。
公式サイトのトップページでも、
「フィルマークス初日満足度第3位」
を謳っている。
主演がKis-My-Ft2の北山宏光くんで、初日に観に行っている人の多くは彼のファンであろう。
だから評価が高くなるのは至極当然なのだが、ひょっとしたら本当にいい映画かもしれない。
その可能性はゼロではない。
私はその可能性に賭けた。
レビューの点数が、日に日に下がっているのが気になってはいたが・・・。

北山くん演じる、ちゃらんぽらんに暮らしていた漫画家が急に死んでしまい、猫として家に戻って来ててんやわんや、というお話。
北山くんの猫スーツ姿が話題である。

思いを残して死んでしまった人が現世に期間限定で還ってくる。
映画では定番とでも言うべき、既視感満載の設定である。
猫になって、というのが新機軸ではあるが、目新しさはない。
残念ながら展開も、予想を少しずつ下回る感じで進んでいく。
期待して足を運んだのだが、かなり前半の段階で、
「あ、これはアカン奴や」
とわかる。
なんとか感動の展開に持っていくのだが、ちとしんどい。
レビューの高得点は、ファンによる応援評に過ぎないのではないか、と不安はあったが、悪い予感が的中してしまった。
まあ、仕方がない。
観てみなければわからないのだから。

よかった点は、上映時間が91分と短かったこと。
それでも長くは感じたけれど。

北山宏光くんの演技は普通。
悪くはないが、引き込まれるような光はない。
共演の多部未華子さんの演技は魅力十分。
それでも、この脚本と演出では、頑張れることにも限りがある。

いろいろな映画があるなか、わざわざ「トラさん~僕が猫になったワケ~」を観に行こうという人はそれほどいないだろうから、あえて言うまでもないが、レビューの高評価にはご注意いただきたい。
北山くんと多部さんのファンなら行かれてもよろしいかとは思うけれど。

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これについては声を上げ続けようと思う  ~ 高校野球の投球制限 誰が喜ぶ? ~ [ヨモヤ]

日本人は、とにかく高校野球が好きである。
球場には予選から多くの人が集まるし、
甲子園に出場しようものなら、地元の英雄である。
だから、高校生の部活のルールの変更が、国民的な関心事にまでなる。

今、高校野球で旬な話題は、ピッチャーの投球制限である。
高校生の連投は今に始まったものではないのだが、どういうわけか議論が盛り上がり、
試行的に、新潟県の高野連が、今春の県大会から「1試合100球」の球数制限を導入することにした。
そして、日本高校野球連盟がこれに再考を求めている。

この件について、
Number Web が
「筒香やダルの言葉で考える球数制限。高校野球は誰のためにあるのか。」
という記事を掲載し、
Yahoo!ニュースのスポーツコーナーのトップページに
「投球制限 高校野球誰のため?」
として紹介されている。

この記事を書いた方は、
「高校野球は『子どもたち』のために在るのか、それとも『大人たち』のために在るのか。それが分かれ目だと思う。」
とされている。
投球制限をする方が、子どもたち側とおっしゃりたいようだ。
果たしてそうだろうか。
さらにダルビッシュや筒香の言葉を引いて、決定的なことがあるとおっしゃる。
「それは『球数と連投制限で生まれるメリットは子どもたちにあり、それで生じるデメリットは大人たちにある』という事実だ。」
とされる。
事実、と決めつけておられるが、果たしてそうだろうか。
投球制限を主張する人は高校生の立場に立っていて、制限を設けなくていいと考える人は商売ベース、などと決めつける人が多いが、果たしてそうだろうか。

投球制限を主張される方は、「子どもたちがかわいそう」と高校生を完全に子ども扱いだが、そういうものだろうか。
ダルビッシュや筒香という、ごくごく一部の頂点にいる人間の言葉を普遍的にとらえすぎていないだろうか。
聞くのなら、現役の高校生か、圧倒的多数を占める一般のOBにするべきだろう。

死ぬ気で練習したのに、投げたいのに、投げられるのに投げさせてもらえない方が辛くないだろうか。
打倒を掲げ必死に練習してきた相手に、みすみすぼろ負けしてしまって何が得られるのだろうか。
どこに「子どもたち」のメリットがあるのだろう。
怪我を防ぐことだけを目指すのなら、スポーツとは一体何なのだろう。

ほとんどの高校球児は、高校時代で燃え尽きる覚悟で野球をやっている。
プロを目指してやっている選手は、ごくごく一部である。
投球制限をして高校生を守ろうとされるのは、その先も野球を続けてほしいからなのかもしれないが、はじめからその先などほとんどの選手は考えていない。
プロを意識しているほんの一部の選手のために、全体の規制をするなど、本末転倒ではないか。

人はとかく感情に流されやすいので、投球制限を主張する人の方が、
「子どもたちのことを考えている」
「思いやりがある」
などとなりがちである。
私はそうではないと思うので、小さな声だが上げ続けようと思う。

ちなみに、Number Webの記事はこちらから読める。
今回の私のブログでは、一部を抜粋している。
それではフェアではないとも思えるので、是非全体を読んで、それぞれのお考えを深めていただきたい。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190224-00838421-number-base

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映画評 「翔んで埼玉」 [映画評]

他県はどうだか知らないが、埼玉県内は公開前から「翔んで埼玉」で大盛り上がりであった。
新聞の地域欄には連日デカデカと映画の内容を紹介する記事が載り、
知事のところに出演陣が挨拶に行ったと言っては話題になり、
埼玉愛が見直されたり、
なんだりかんだりで。
というわけで、映画のマーケティングは大成功といっていいと思う。
「埼玉だけで大丈夫か?」
という意見もあるだろうが、埼玉県の人口は700万人を超えていて、ブルガリア一国に匹敵する。
デンマークやフィンランドやシンガポールを超えているのだから、市場規模としてなかなかのものがある。
それに、埼玉県でこれだけ話題になれば、他地域に波及するのも必至であろう。

個人的には、地方いじりはあまり好きな方ではない。
どこが田舎だとか、どこが不便だとか、いまだに漫才のネタになったりするが、芸になっていればともかく、田舎さ加減をいじるだけではあまり面白いとは思えない。
しかし、「翔んで埼玉」の予告編にはやられた。
これだけ突き抜けてしまえば、もう楽しんでしまうしかない。
2019年の予告編of the yearに最も近い位置にいると思う(んなものがあればだが)。

映画は、快調にスタート。
すんなり入れて、グイグイ引き込まれる。
前半がタルい映画が少なくない中、武内英樹監督の演出が冴える。
武内監督は、「のだめカンタービレ」「テルマエ・ロマエ」「今夜、ロマンス劇場で」と連続してヒットを飛ばしており、客の捕まえ方をよくご存じである。
予告編をなぞったような展開で、意外性は全くないのだが、一つ一つ大袈裟な演出がされていて、わかっていても笑える。
現在進行中の物語ではなく、都市伝説であるという設定もはまっている。
中盤も順調。
さすがに最後の方はちょっとしんどくなってくるが、それでも十分に楽しめる。
娯楽作品として、しっかり水準を超えている。

映画を引っ張るGACKTさんと二階堂ふみさんは、振り切った演技で世界観をしっかり表現されている。
高校生設定の役を40歳過ぎているGACKTさんがてらいなく演じられ、
男役を二階堂さんがあまり男らしくもなく演じられている。
それだけで、なんだかおかしい。
GACKTのライバルとなる伊勢谷友介さんがいい。
派手な顔立ちで、画面の中にいるだけで非日常になる。

しっかり楽しんだのでもうそれでいいのだが、あえて言えば、映画の奇跡は生まれなかった。
出オチ的な面白さがピークであり、それが増幅していくことはなかった。
また、コメディで言えば去年の「カメラを止めるな!」であったり、おととしの「帝一の國」であったり、
学園ものであれば「桐島、部活やめるってよ」であったり、「ピンポン」であったり、
そうした映画で生まれた、人の手を離れてしまったような面白さにはならなかった。
楽しいが、それはある一定の範囲内であった。
もちろん、そこまで求めるのは酷だし、そういう映画ではないと承知してはいるが。

「翔んで埼玉」は愉快な映画。
学生はもちろん、大人も楽しめる。
仕掛けも派手で、映画としての満足度は高い。
過度な期待をしなければ、素敵な2時間が過ごせる映画である。

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3分遅刻で5時間中断する国会 ~ もちろん、遅れた大臣が悪いのでしょうが・・・ ~ [ヨモヤ]

目玉がない、などと言われた安倍改造内閣。
いやいや、大変な目玉があった。
もちろん、桜田東京五輪・パラ五輪担当大臣、サイバーセキュリティ戦略担当大臣のことである。

桜田大臣は、
サイバーセキュリティのトップにおられながら、パソコンを使わないとおっしゃられ、
蓮舫議員の名前を「れんぽう」と言い間違えられ、
数々の珍答弁をなされ、
池江選手への発言でも物議を醸された。(全文を読むと、私は問題ないと思うが)

憎めない人だなあと思う人も少なくないだろうが、
攻撃する側からすると格好の標的である。
その桜田大臣が、今度は衆院予算委員会に遅刻された。
これに対して野党の皆さんは猛反発され、審議が止まってしまった。
立憲の逢坂誠二議員は
「何の理由の説明もなく3分遅れており、これ以上審議できない。政府・与党はたるみ切っている」
と批判されたという。
結局、5時間遅れて、審議が再開されたが、
菅義偉官房長官も、
「事務的なミスだろうが、委員会に遅れることはあってはならない」
と苦言を呈されている。

時間を守ることは社会の基本であり、本件に関して桜田大臣に非があることは論を待たない。
しかし、
「それにしても」
とは思ってしまう。
3分の遅刻で5時間も中断してしまう国会運営についてである。

時間を守ることが大切だと皆が了解しているのは、時間が貴重な資源だからである。
たかが3分でも、遅れることはよくない。
だが、それを責めるために5時間を使ってしまっては、本当に時間が貴重なのだろうかと感じてしまう。
そうした時間の使われ方に、国民の理解が得られるとは思えない。

我々にはうかがうことのできない国会運営の駆け引きがあり、
いろいろな事情があるのだろうとは思う。
きっと中断中の5時間にも、この国の選良の方々が意義のある議論を交わされていたのだろうと願いたい。
それでも、である。
国民のために知恵を絞り合うような国会運営を望むことは、無理な注文なのだろうか。

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大統領候補争いからほの見えるアメリカの人材不足 [ヨモヤ]

認めたくない人も大勢いるだろうが、
現実的に、アメリカのリーダーが世界のリーダーである。
だからこそ、アメリカの大統領はその一挙手一投足に注目が集まるのだし、
人類の代表にふさわしい人が選ばれることが期待される。

しかし、ここのところの大統領選挙を見ていると、
「アメリカ、大丈夫か?」
と思ってしまうような状況が続いている。

結果として誰が選ばれようと、それはアメリカ国民の民意だからこちらがとやかく言う筋合いではないが、
選挙戦に出て来るメンバー自体に魅力が感じられない。
トランプ大統領が選ばれたことが悪夢のようにとらえられているが、
では誰ならよかったかというと、パッと浮かぶ姿があるわけでもない。
次期大統領選挙を来年に控えた今になっても、
新たなヒーローの姿は見えてこない。

ここで、自らのことを「民主的社会主義者」と呼び、2016年に「バーニー旋風」を起こしたバーニー・サンダース上院議員が大統領選の民主党候補者指名争いに向けて、立候補することを表明された。
サンダース氏は、トランプ大統領のことを「病的なウソつき」「人種差別主義者」「性差別主義者」などと徹底的に批判しており、若者からの人気も高い。
現段階では、民主党の最有力候補とも言われる。

サンダース氏に対してとやかく言うつもりは毛頭ないが、
4年前にも見た顔であり、
現在77歳という高齢でもある。
寿命も延びており、かつての80歳とは違うが、それにしても元気のいい候補は出てこないものなのだろうか。

日本では、何かというとアメリカ式の教育が称えられる。
自主自立の精神が養われ、自らディベートをして状況を切り拓いていく若者を育てている、
などと言われる。
しかし、アメリカのトップに立とうという人材が枯渇しているようでは、とても教育が機能しているとは思えない。
ビジネスはなんとか回っているようでも。

もちろん、日本が人の国のことを言えた立場ではない。
それはよくわかったうえで、それにしても、と思うのである。

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映画評 「半世界」 [映画評]

稲垣吾郎さんの、SMAP解散後初の主演映画としても話題のこの映画、
第31回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞したほか、
評論家筋の評価も上々である。

監督は、「北のカナリア」「亡国のイージス」などの阪本順治さん。
赤井英和さん主演の「どついたるねん」が初監督作だが、そのボクシングへのこだわりが最後のシーンで観られて、なんとなく頬がゆるんだ。

稲垣吾郎さんと長谷川博己さん、渋川清彦さんが小学校以来の幼馴染という設定で共演しており、この三人の関係を軸にして映画は進む。
映画「半世界」のキャッチコピーは、
「描いた世界になってる?」
である。
このフレーズからSMAPの名曲「夜空ノムコウ」の
「あのころの未来に僕らは立っているのかなあ」
を思い出す人も少なくないだろう。

子供の頃、若い頃に描いた大人になっている人など、ほとんどいないだろう。
映画の登場人物たちも、大きな違和感を覚えながら暮らしている。
しかし、それが自分の世界である。
どんなに小さくても、不完全でも、それが世界である。
子どもとのかかわりや、仕事の行き詰まりの描き方は、やや定型に過ぎる感はあるが、
それも世界と言えば世界だろう。

稲垣吾郎さんの芝居は悪くないが、どうしてもコミカルなイメージがある。
その意味で、三谷幸喜さんの「笑の大学」ははまり役だった。
本作では髭を生やされていることもあり、お笑いのマツモトクラブさんにも寄ってしまっていて・・・。
あまりシリアスになり過ぎるのもなんだが、この作品では感情移入が難しかった。
長谷川博己さんと渋川清彦さんはさすがの存在感。
池脇千鶴さんは、いつの間にかお母さん役がピッタリの女優さんになられた。

「半世界」は、苦い大人の姿を描いた力作。
しっかり作られた映画であり、見応えがある。
甘いハッピーエンドより、きちんとした映画を求める人に応えている。

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ロシアとどんな関係を築いていくか [ヨモヤ]

ロシア国家統計局の発表によれば、2018年のロシアの実質所得が17年より0.2%減ったとのことである。
0.2%くらいなら誤差の範囲のような数字だが、減少が5年連続となったとなると穏やかではない。
見込みではプラス成長が予想されていたらしく、政府もショックを受けているという。

ロシア経済低迷の原因は、
クリミア半島併合に伴う経済制裁がある程度効いたこと、
通貨ルーブルが下落したこと、
石油価格が値下がりしたこと、
などが挙げられている。

さらに、
日本と同様に人口減少が進み、
貧困層も増大している、
など、先行きの不透明感も増しているようだ。

日本は、ロシアとの間に領土問題で大きな懸案を抱えている。
どの国の首脳も、国内経済が低迷しているときは外交に活路を見出したいと思うものだが、プーチン大統領にも同じような目算はあるだろう。
外交で得点を稼ぐための方法は、
日本との交渉に妥協することではないだろうが、
決裂させてしまうことでもないと思う。
領土問題を餌にしながら、日本から何かを引き出しにかかるのだろう。
日本もそれは先刻承知で交渉に臨んでいるはずだ。
突っぱねるところはしっかり突っぱねるべきだが、一方でロシアとの関係を閉ざしてはならないと思う。

ロシアのライバルはアメリカだが、正直なところ、国力には大きな差がついている。
中国は、アメリカのライバルという点でロシアと手を組める要素もあるが、ロシアとしては中国の増強が面白くない面もあるだろう。
日本にとっても、安全保障や資源確保の面で、ロシアとの関係は切っても切り離せない。

であれば、日本はロシアと組める要素が少なくない。
日本にもロシアを経済的に助けるような余裕はあまりないが、一緒に何かやるということが大きな意味を生む可能性がある。
ロシアにとっても、日本と組むのは悪い話ではないと思う。

歴史的な背景もあり、ロシアに警戒心を持っている方も少なくないだろう。
しかし、アメリカがあの状態で、中国はああした国、とあって、ロシアという国の重要性は増している。
領土問題は非常に重要だし、譲ってはいけないところもあるが、そこで永久に立ち尽くしていても仕方がないと思う。

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映画評 「フォルトゥナの瞳」 [映画評]

本作は、百田尚樹さんの恋愛小説を映画化したもの。
百田さんと言えば、現在「日本国紀」が大ヒット中であり、
「永遠の0」「海賊とよばれた男」カエルの楽園」などでも知られる。
失礼ながら、恋愛モノは百田さんのイメージからはちょっと離れている。

主演は、神木隆之介くんと有村架純さん。
好感度の高いお二人が、初々しいカップル役を演じる。

映画は、このところ目立つ、超自然的な設定もの。
時をかけたり、記憶が一日しか持たなかったり、バリエーションはいろいろ。
今作での「フォルトゥナの瞳」とは、寿命が迫った人の運命が透けて見える眼のこと。
これは予告編でも堂々と明かされている。
この設定の説得力は全く高くないし、それを高くしようとする配慮もあまりないが、
つまらなくはない。
主演の二人の演技も自然であり、2時間、退屈せずに観ることができた。

しかし、奇跡的な偶然が次々に重なるなど、後半はアラアラの展開に。
正直、そこまで期待していなかったので、
「まあ、仕方ないか」と受け入れた。
いい映画を観たい、と意気込んでいたらため息をついていた。

監督は、「ソラニン」「陽だまりの彼女」などの三木孝浩さん。
前作の「坂道のアポロン」が散々だったので今回も心配したが、その心配は半分的中した。
ずーっとつまらないわけではなかったが、トータルではもう一つ、という感じ。

出演陣では、
DAIGOが悪役というのがちと新鮮。
時任三郎さんと斉藤由貴さんが夫婦を演じておられるのが、なんだか微笑ましかった。

「フォルトゥナの瞳」は、いろいろな意味で想像の範囲内の作品。
気負って観に行かなければ、それなりの2時間が過ごせる。
神木くんと有村さんのファンなら、十分楽しめると思う。
しっかりした映画が観たい人は、まあ、最初からこの映画を選択しないかしら。

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