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映画評 「えいがのおそ松さん」 [映画評]

一時、大きなブームになった「おそ松さん」。
その頃から比べると人気は落ち着いたように思うが、今でも熱心なファンがおられるだろう。
この映画も、基本的にはファン向けのもの。
私のような門外漢は、そもそも対象外なのだろう

映画を観た人の感想がネットに上げられている。
厳しい意見もあるが、概ね好評のようだ。
すでに複数回観たという方もおられる。
私もそれなりに期待して劇場に足を運んだのだが、正直なところ残念な出来栄えだった。
同じようなボケを延々と見せられている感じで、2時間はあまりにも長い。

映画の内容は、「なんでそうなっちゃうの?」と嘆きたくなるような、困った映画化の典型例。
仕掛けだけが妙に大掛かりになるものの、
中身は薄くなってしまうというパターン。
クレヨンしんちゃんによくあるあれ。
にしても、タイムスリップって、一体日本のアニメはどんだけ時をかければ気が済むのだろう。

ファンの方は、
6つ子それぞれに見せ場があった、とか、
声優さんが上手かった、とか、
そういったところで満足されているようだ。
それならそれでいいと言えなくもない。
一見さんの出る幕ではない。
ただ、純粋に映画として見た場合、さすがにしんどかった。

この映画を観ても、ファンはファンのままだろうが、
この映画を観て、おそ松さんに入る人はほぼ皆無だろう。
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野球が始まった! [ヨモヤ]

細田守監督の超名作アニメ「時をかける少女」にこんなセリフがある。
『俺、この時代好きだよ。野球もあるし』
どうやら、この映画の中の未来では、野球が無くなっているらしい。
今の時代に生きる私たちは、そうだ、野球を満喫しよう。

メジャーの開幕戦、
イチローの引退、
センバツ、
と来て、
とうとうプロ野球が始まった。
ワクワクの半年間が今年も幕を開けた。

パは、3試合中2試合がサヨナラという劇的な開幕。
特に日ハムは、中田のサヨナラ満塁ホームランというド派手な幕切れ。
ロッテの藤原は、球団54年ぶりという高卒でのスタメン。
ソフトバンクの千賀のピッチングはすごかった。

セでは、広島対巨人の注目の一戦。
丸の4打席連続三人には驚いた。
阪神は新人と鳥谷が活躍したらしい。
ハマスタは今年も熱い。

昭和の時代と違って、
家に帰ったらビールでナイター、
というお父さんはあまりいないようだ。
その代わり、球場はどこも大勢のお客さんが入っている。
そして、野球は相変わらず面白い。

野球がある時代に生まれて、本当によかった。
野球がある国に生まれて、本当によかった。
今年も野球が始まった。

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背負ってるものが違う マー君に今年も期待 [ヨモヤ]

マー君ことヤンキースの田中将大投手について、日本人はどのように見ているだろう。
アメリカにわたる前年の日本での成績が、
24勝0敗、
という漫画チックなものだっただけに、物足りなく映っているだろうか。

私も、もっとできるはずとは思っているが、残してきた足跡は立派なものである。
過去5年間、13勝、12勝、14勝、13勝、12勝と積み上げているが、
1950年以降で「MLB初年度から5年連続で12勝以上を挙げた投手」は、マー君のほかにわずか4人しかいない。
その4人とは、
殿堂入りしているトム・シーバーとデニス・エカーズリー、
Dr.Kの異名を誇ったドワイト・グッデン、
ヤンキースのエースでメジャー通算256勝のアンディ・ペティット。
こうして並べると、マー君の実績の素晴らしさがわかる。

マー君の姿を見ていると、
「背負ってるものが違う」
と感じることがある。
勝ちたい、というより、
勝たねばならない、という思いが伝わる。
それが窮屈に感じられることもあるが、
日本代表の気持ちを持ち、
ヤンキースのエースであり続ける以上、
そうした覚悟が必要なのだろう。

イチローをワールドシリーズで見ることは叶わなかったが、マー君には叶えてほしい。
まずは開幕戦のマウンドに注目である。

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「東大生が官僚を目指さない」らしいが、本当にそうなら、いいことしか思いつかない [ヨモヤ]

NHKのニュースウォッチ9で、
「東大生が目指さない?深刻化する官僚離れ」
と題した特集を組んでいた。
東大生の定番だったキャリア官僚への就職がこのところ減少傾向であり、
このままで大丈夫なのか問う内容だった。

私は、東大生が官僚を目指さなくなってきている、と聞いて、
それはいい話だ、と思った。
デメリットは特に思いつかなかった。

現在のキャリア制度が機能していると考える人は少ないだろう。
入庁年次に縛られ、
不祥事は飽きることなく散々繰り返され、
経済・社会に有効な手を打つこともできていない。
キャリア官僚の中心は東大卒の方々であり、これだけ長い期間うまくいっていないのだから、人員の入れ替えが望ましいと言われても仕方があるまい。
と言っても、東大卒のキャリアの方を選んで首にすることはできないのだから、入口を絞るしかない。
そんななかで東大卒の志望者が減ることは、渡りに舟と言えなくもない。

また、もし東大卒の方が本当に優秀なら、民間で腕を振るってもらうことが経済の活性化につながる。
民間にとってもいい話だ。

というわけで、東大の方がキャリア官僚を目指さないという報道が本当なら、
「それはいい話だなあ」
と思う。
「でも、この点は困るなあ」
と感じるところは、特にない。

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やっぱり消費税増税のリアクションは心配 ~ 家計を見直す人が約6割とか ~ [経済を眺める楽しみ]

時事通信が実施した「生活のゆとりに関する世論調査」によると、58.5%の人が「ゆとりを感じていない」と答えたのだという。
これは、前年の調査から3.0ポイントの増。

残念な数字ではあるが、いつの時代であっても、
「ゆとりありますか?」と聞かれて、「ゆとりあります」と答える人がそれほどいるとは思えないので、
このくらいの結果になるだろうとは思う。
しかし、消費税引き上げで家計の支出を見直すかを聞いたところ、
「見直す」が57.2%、
「見直さない」が37.2%
だったのは少し心配である。
見直すと答えた人は、
男性49.3%に対して
女性65.5%で、
女性の方が深刻に受け止めている。
財布を預かっているとしたら、なおさら影響が広がる。

さらに見直す内容については、
「食費」の59.4%がトップで、次が「外食、旅行などの娯楽費」39.5%
だったという。
これは、外食産業にとっては気になる数字だろう。

今回の消費増税は、
・2ポイントのみの引き上げであること
・反動対策がいくつも打たれていること
・ある程度の増税慣れが想定されること
などの理由から、それほど消費は落ち込まないのではないかと見られている。
しかし、過去の消費増税時にも、多くのエコノミストがそのように予想し、結果すっかり外してしまったことは忘れてはならない。

少し前までは、
「今引き上げられないのなら、一体いつ上げられるのか」
と言われていたが、今は、
「景気が落ち込んできた今引き上げてどうする」
という声の方が大きいのではないだろうか。
進むも退くも厳しい選択であるが、少なくとも、消費増税の影響を甘く見ない方がいいのは確かだと思う。
日本経済にとっての試練になることは間違いない。

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相撲がわかりません [ヨモヤ]

日本に生まれてきたものとして、子どもの頃から相撲を見てきた。
一番古い記憶の横綱は北の富士さんだが、これはおぼろげ。
輪島さんとなるとグッと濃い印象がある。
北の湖さん、三重ノ海さんあたりになると、もう私の時代という感じだ。
千代の富士さんとなると、誰もが知っているだろうし、
若貴フィーバーはすさまじかった。

子ども心に見ていた相撲は、横綱や大関に威厳があった。
実際はそうでもなかったのかもしれないが、そんな印象だった。
そして、優勝するのは大変だなあと思った。
「憎たらしいほど強い」と言われた北の湖さんでさえ、年間で3場所以上優勝したのは4年だけである。
名大関とうたわれた初代貴乃花さんの優勝回数はわずか2回である。

朝青龍さん登場後、大相撲の景色はすっかり変わった。
同じ力士が、いつでもいつまでも何度でも優勝することになったのである。
2002年の11月場所から2007年の1月場所までの26場所中、朝青龍さんの優勝回数は20回。
続いたのがご存じ白鵬関で
2007年の3月場所から2016年の5月場所までの55場所中白鵬関の優勝回数は36回。
やれやれ。

この間、上記両横綱は、稽古が足らないだの、品格に欠けるだの散々言われてきた。
それで、この成績である。
相撲界においては、心技体、という言葉がむなしく聞こえる。
千秋楽の優勝インタビューにおいて、三本締めを行った白鵬関に苦言が呈されているようだが、今さらという感もある。

34歳の力士に、いまだに全勝優勝を許してしまうとは、他の力士は一体何をやっているのだろう。
とか思うが、「他の力士は一体何をやっているのだろう」という感想は、相撲に関しては、朝青龍さん以降ずっと思っていることである。
もう20年近く、「他の力士は一体何をやっているのだろう」と思い続け、とっくに疲れてしまった。

本当は相撲界には、もっともっと言いたいことがあるのだが、美しくない表現になってしまいそうなので控える。
だから、
「相撲がわからない」
ということで済まそうと思う。

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「ちはやふる -結び-」から一年 [映画評]

あれから、もう一年経ったのか、と思う。
一方で、まだ一年しか経っていないのか、とも感じる。
去年の3月17日、青春映画の金字塔「ちはやふる」の完結編「結び」が公開された。
「ちはやふる 上の句・下の句」から2年、この日を待ちわびた私は、同じ日に2回観た。
幸せな思いと、「ちはやふる」との日々が終わってしまうというとてつもなく寂しい思いの両方を感じた。
あれから、一年。

「ちはや」を演じた広瀬すずさんさんは、すくすくと成長され若手女優のトップに君臨している。
「太一」を演じた野村周平くんは、本作でも「ビリギャル」でも優等生役だったのに、なんだかお騒がせ俳優のようになってしまった。(笑)
「あらた」を演じた新田真剣佑くんは、今や国民的イケメンとして超売れっ子である。
「奏」を演じた上白石萌音さんは、歌もいい。妹さんもめきめき頭角を現してきた。
「肉まんくん」を演じた矢本悠馬さんは、年齢にかかわらず(失礼)、本作をきっかけにいろいろな映画で学生役で出演された。
「机くん」を演じた森永悠希さんは、演技派俳優としての地位を固めつつある。
「しのぶ」を演じた松岡茉優さんは、日本を代表する女優への道を歩んでいる。
みんな、どんどん立派になっていく。
その成長は、とてもうれしい。

「ちはやふる」は、
映画の中の登場人物の成長と、
実際の出演陣の成長が、
月日の流れの中で奇跡的にシンクロし、
トータルで一つの作品となった稀有で幸せな映画だった。

この一年で、数十本の映画を観た。
いい映画もあり、悪い映画もあった。
しかし、一緒に時間を重ねていくような気持になれる作品には巡り会えなかった。
これからもきっと巡り会えないだろう。
仕方がない。
「ちはやふる」が本当に奇跡だったのだ。
改めて、スタッフ・キャストの皆さんに心からの感謝を捧げたい。

来年の今頃もきっと、あれから2年経ったのか、と思い出すだろう。
春が来るたび、あの子たちのことを思い出すだろう。

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お城総選挙 ~ 大体予想通りだが、彦根城にトップ10入りしてほしかった ~ [ヨモヤ]

プロ野球選手やらプロレスラーやらで、何かと総選挙を実施したがるテレビ朝日が、
今度は「お城総選挙」を放送した。
彦根出身としては血が騒ぐ。

ちなみに上位15位までは以下のような順位であった。
1位 姫路城
2位 大阪城
3位 松本城
4位 熊本城
5位 首里城
6位 名古屋城
7位 竹田城
8位 五稜郭
9位 二条城
10位 弘前城
11位 江戸城
12位 彦根城
13位 小田原城
14位 安土城
15位 犬山城

1位の姫路城は予想どおり。
国宝で、世界遺産で、あのお姿だから当然であろう。
2位の大阪城が意外。
現在の天守閣は復興されたものであり、失礼ながらあまり風情があるものとは思えないからだ。
それは6位の名古屋城も同じこと。
トップ3は、姫路城、松本城、熊本城で占めると思っていた。
竹田城はインスタ映え、
五稜郭は土方人気であろうか。

天守が、当時のままに残っている城が12城あり、それは、
弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、
松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城
である。
また、国宝天守は5城であり、それは、
姫路城、彦根城、犬山城、松本城、松江城
である。
当然ながら、こうした城のほとんどが人気投票でも上位に来ていた。

個人的には、出身地である彦根城がトップ10入りを逃したのが残念である。
こじんまりとしたお城であるが、昔の風情を残しているし、ひこにゃんの活躍や井伊直虎の大河ドラマ化などの追い風もあったのだが、残念。
代わりに、天守の跡形もない安土城が14位と大健闘した。

それぞれのお城はその土地の誇りであり、
順位をつけるものではないのは言うまでもない。
しかし、こうして一喜一憂するのも、まあよしかと思う。

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映画評 「まく子」 [映画評]

本作の監督は、鶴岡慧子さん。
最高だった「Bの戦場」の並木道子さんに続く女性監督作品。
映画界もまだまだ男性上位だが、こうして女性監督の作品も増えていくといい。
いろいろな視点や感性の作品を観たいから。

原作は、西加奈子さんの小説。
自分の成長に戸惑っている温泉街に暮らす小学5年生のサトシの学校に、
コズエという変わった女の子が転校してくる。
コズエは、突拍子もない自身の秘密をサトシに打ち明け・・・
という展開。
まあ、これだけ読んでもなんのことかさっぱりわからないと思うが、本当に突拍子もない秘密なのだ。
それはともかく、子どもの成長を描いた映画である。

よかったかと言えば、残念ながらそれほどではなく、「Bの戦場」を観終わったときのような快感はなかった。
どこがどうというより、全体がどうにもしっくり来ない感じ。
飽きずに2時間観られたので、どうにもならない作品ではないものの。

登場人物が内面も含めてしゃべり過ぎるのが残念だった。
せっかく映像作品なのに。
子どもたちの関係性の描き方も、食い散らかしたままになってしまった。

草なぎ剛さんの出演が話題だが、出番は少なめ。
主要キャストで、印象的な役者さんはいなかった。
子役も含めて。

「まく子」は、なんとも歯がゆい映画。
いい作品に化ける可能性もあったように思うが、出来上がったものは、どこにも振れていない感じ。
どうせなら、もっとトンデモにしてしまった方がよかったか、
若しくは、もっとヒリヒリした感じにすればよかったのか。
惜しいというか、なんというか。
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土地の値段が上がるのは基本的には景気に前向きなサイン [経済を眺める楽しみ]

1980年代の後半の日本経済を、「バブル」という言葉で表現するのが一般的である。
いろいろな要因でバブルはしぼみ、その反動が長く日本経済を苦しめてきた。

景気は、よくなったり悪くなったりするのが普通だから、
バブルが終わって、数年低迷し、それからまた景気が回復すれば、通常の循環になった。
しかし、バブル期に積み上げた山が高過ぎたせいで、回復には長い長い時間がかかった。

特に、土地の価格はバブル後、完全に崩壊した。
株は上がったり下がったりしてきたが、
土地は基本的に下がりっぱなしだった。

国土交通省が発表した今年1月1日時点の「地価公示」によると、地方圏の全用途と住宅地の上昇率がプラスに転じたとのことである。
これは実に27年ぶり!のことである。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏は、少し前から上昇に転じていたが、ようやくそれが地方にも波及し始めた。
特に札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方4市の伸び率が大きいらしい。

「土地の値段が上がったって、普段の生活に全然関係ない」
と思っている人は少なくないだろう。
むしろ、
「固定資産税が上がったら困る」
「家賃が上がらないか心配」
という不安の声の方が大きいかもしれない。
しかし、経済成長につれて物価も土地も上がるのが自然であり、むしろこれまでが異常だったのである。
急激な上昇はまたひずみをもたらすが、適切な伸びは歓迎すべきであろう。

これからも、人口が減少していくなかで、日本中の土地の値段が上がることはないだろう。
三大都市圏及び地域の中心都市が引っ張る形が、より鮮明になっていくと思う。
それが自然であるし、土地の価格の上昇を無理なく吸収できるような経済状況であってほしい。
今回の地価上昇が、その第一歩であればいい。

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