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ディープインパクトの若駒ステークス [ヨモヤ]

日本競馬の至宝、ディープインパクトが亡くなった。
17歳。
競走馬として史上最強と謳われ、
種牡馬として7年連続リーディングサイヤー。
英雄というニックネームにふさわしい名馬中の名馬だった。

私が初めてディープインパクトを見たのは、
2005年1月22日、京都競馬場で行われた若駒ステークス。
見たといってもテレビ観戦で、別にそれほどディープに注目していたわけではなかった。
重賞でもない3歳のオープン戦で、
クラシック戦線に乗ってくるような馬はいるのかな、といった軽い気持ちだった。

レースは先頭の2頭が後続に大きく水を空ける展開。
このパターンだと、
2頭の行った行ったで決まるか、
2頭ともバテて集団に吸収されるか、
後続のどれかがなんとか届くか、
といった結果が予想できる。
しかし、ディープのレースは全く異質だった。
飛ばす2頭は我関せず、
何十馬身も離れた後方に待機し、4コーナー手前あたりからおっとり動き出し、
直線では逆にぶっこ抜いてしまった。
ディープインパクトのレースは、どれもその名のとおり衝撃的なのだが、
最も驚いたのが若駒ステークスだった。

その後も、
関東初見参で意外と苦戦した弥生賞、
スタートでつまずきながら楽勝した皐月賞、
美しかったダービー、
単勝1倍元返しの菊花賞、
まさかの敗戦を喫した有馬記念、
飛べなかった凱旋門賞、
背水の陣となったジャパンカップ、
最後の衝撃となった引退レースの有馬記念、
など、どのレースも印象深い。

ジェンティルドンナ、キズナなどなど、忘れがたい産駒も数多い。
ディープの子がいくつもGⅠを獲ったが、
その子、またその子と血は続いていく。
競馬ファンの記憶もまた続いていく。

衝撃の若駒ステークスはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=gyrtCrEpjlY

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新潮文庫の100冊 [ヨモヤ]

「夏」と聞いて、何を思い出すかは人それぞれである。
海、という人は多いだろうし、
祭り、花火、という人も沢山いそうだ。
甲子園、という人もいるだろう。

さすがに、「夏」と聞いて、初っ端に「新潮文庫の100冊」という人はあまりいないだろうが、
視界のどこかに入る人は結構いるだろう。
私もその一人である。
このところの私は主にビジネス書を読んでいるので、小説の類からはちょっと離れているが、
それでもやはり気になる。
100冊に入るような本は、目を通しておきたくなる。

膨大な書籍の中から100冊に入るということは、
一定の基準をクリアしているのだろう。
目利きが選んだ本に触れるのはうれしい。
中には、「あれ?」というものもある。
どうして「これが100冊に入ってるんだ?」と感じたことも、一度や二度ではない。
それでも、だまされたと思って読んでみようと思う。
それが「新潮文庫の100冊」の力である。

今年のラインナップを見てみると、「異邦人」「金閣寺」といった定番も引き続き多く含まれていて、
親しみのある顔ぶれである。
もちろん、未読の作品も数多くある。
夏らしく、何冊か読んでみよう。
「ああ、あの年読んだな」
と思い出せるような、印象深い本との出会いに期待したい。

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財政出動について考える ~ MMTが正しいかどうかはさておき ~ [経済を眺める楽しみ]

日本経済新聞朝刊の中ほどに
「大機小機」というコラムがある。
正直なところ、私の考えと相いれないこともしばしばなのだが、7月24日付の財政出動に関する内容にはうなずかされた。
タイトルは、
「財政出動の前に考えてほしいこと」
であり、赤字を気にする必要はないというMMT理論に触れつつ、
我が国における財政出動への疑念について書いている。
筆者は、財政出動はするべきではないとの立場であり、理由として3つ挙げている。

まずは、経済状況である。
他国がうらやむほど失業率が低いなかで、そもそも財政出動の意味は無いのではないか、というわけである。

続いて、一度出したら元に戻りにくいと指摘している。
財政拡大後、インフレの懸念が生じたりした場合、今度は財政支出の削減が求められるが、
それがなかなかできないのではないかというわけである。

最後に、過去の評価をすべきという。
平成時代には、延べ30回、事業規模にして400兆円もの財政出動を行ったが、
持続的な成長力の引き上げには無力だった、というわけである。

私は、MMT理論を馬鹿にすべきではないと思う。
財政均衡を優先して経済を壊してしまってはなんの意味もない。
一方、これまで何度も行われてきた財政出動にあまり意味がなかったことも事実である。
新しい財政出動の形を模索すればいい、
という意見は正論だが、政治や行政の枠組みが変わっていない中、新しい形が生まれるとも思いにくい。

金融政策が効かなくなってきたから、今度は財政出動、との連想が生まれそうではあるが、
それではいつまで経っても自律回復につながらない。
小康状態の今は、将来に向けた布石を打っていくべきなのだと思う。

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高校野球の敗戦は監督が負えるようなものではない [ヨモヤ]

今年の高校野球でナンバーワンの注目を集めていた大船渡高校の佐々木くんが、
決勝のマウンドに立たないままに負けてしまった。
この件については、学校の抗議の電話が殺到するなど大きな騒動に発展している。

私もいろいろ言いたいことがあるが、
アマチュアである一高校の一監督の判断に周りがあまりとやかく言うのもどうかと考えるので、
ここでは控えたい。
ただ、高校野球の敗戦の責任は、監督が負うべきものではないとは思う。
いや、負えるようなものではない、というべきか。

「敗戦の責任は自分が負います」
といった監督のコメントを見ることがある。
選手をかばいたい気持ちなのかもしれないが、
選手にとっては、
高校の三年間、
場合によっては小学校時代から10年近く、仲間と目指してきた甲子園である。
責任を負ってもらって、どうなるものでもない。

采配ミスの類なら仕方がない。
しかし、監督の思いのようなものを披露するために負けてしまった場合はどうだろう。
選手たちは、
辛い練習を耐えてきた意味をどこに見出すだろう。
その責任を監督が負い切れるとはとても思えない。
悔いを残すことさえできないのだ。
あのときああしておけば、と思うことさえできないのだ。

当たり前だが、高校野球は高校生たちのものである。
プロ野球の準備期間でもない。
当たり前だが。

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映画評 「天気の子」 [映画評]

新海誠監督の新作『天気の子』が、好調なスタートを切ったらしい。
最初の金、土、日の合計の興収は約16億4400万円。
15億円超というと、普通の映画ならこの段階でもうヒット作と言える。
出だしだけで比べれば『君の名は。』も上回っているというが、
『君の名は。』は驚異のロングランになった作品だから、さすがにそこまでいくかどうかはわからない。
とにかく、滑り出しは順調である。

今作を作るにあたって、新海監督にかかったプレッシャーは相当なものだったと思う。
『君の名は。』は大変なヒットとなったうえに、作品としての評価も高かった。
当然、次作もそれ並みか、それ以上のものを期待される。
もちろん、期待される喜びというものもあるだろうが、重圧は我々の想像を超えるものだっただろう。

『天気の子』を観ながら、新海監督はやり遂げられたな、と思った。
誰もが『君の名は。』との比較で語るだろうし、
期待が大きいだけにいろいろケチも付けられるだろう。
しかし、このレベルの作品を届けていただけたのなら十分だと思う。
娯楽作として、十分に楽しめた。

主人公の男の子の設定がちと弱かったり、
女の子の行動が「?」だったり、
オチがちとパンチ不足だったりと、
言いたくなることがないではないのだが、ちゃんと面白いのだから、まあいいじゃないかと思う。
原作、脚本から手掛けている作品であり、まさに新海ワールド。
ちょっと気色悪い感じがする箇所もあるのだが、
川端康成だって、太宰治だって、三島由紀夫だって、あの人だって、この人だって、
気色悪いところはある。
作家性が高まれば、そういうところが出てくるのは当然で、
それが好き嫌いを生む可能性はあるが、それでいいと思う。

十分に楽しめた『天気の子』であるが、
『サマーウォーズ』や、
最近で言えば『ペンギン・ハイウェイ』を見た後のような、
爽快感や突き抜けた感動までは届かず。
十分楽しめたが、そこ先までは連れて行ってもらえなかった。
そこまで望むのは酷とわかってはいるが、
新海監督はその先を期待される存在である。

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間宮祥太朗さんの139kmに学ぶ [55歳125キロプロジェクト]

55歳で125kmのボールを投げることを目指している。
しかし、今さら筋力アップは難しいし、
腰が痛いので走り込みも出来ない。
できる工夫として、球速が出るフォームを探している。

先日、俳優の間宮祥太朗さんが甲子園でのファーストピッチセレモニーに登板され、
なんと139kmを記録された。
この数字は芸能界最速。
他の記録では、
GENERATIONS from EXILE TRIBEの関口メンディーさんが133km、
ゴールデンボンバーの樽美酒研二さんが135kmを記録している。
ちなみに女性では、稲村亜美さんが105kmを出したことがある。

139kmともなると、素人には至難な数字である。
一体どんな投げ方なのかと、YouTubeを見てみたら、
全くピッチャーらしいフォームではなかった。
なんでも間宮さんは、中学時代までしか野球の経験がないのだという。

ここで、考えてみたいのは間宮さん投球フォームである。
正直、ピッチャーのフォームとしてあるべきとされている姿からはかなり遠い。
腕のしなりは使えていないし、
早目に肘が上がってしまって、
打者からすると見やすいとされる形になっている。
しかし、実際に球速が出たのも確かである。

ひょっとしたら、間宮さんのフォームは、球速を出すということに特化すれば理にかなっているのではないだろうか?
打者にとってのボール見やすさや、
コントロールのしやすさや、
スタミナや
球のキレなどは、
スピードガンには関係ない。
早目に肘を上げてトップを作ってしまい、
そこから投げおろすことに専念することが、球速アップの近道なのかもしれない。

上から投げ下ろすのが球速を生み出す一つのコツだと思うが、
壁を作ろうとか、しなりを活かそうとか思っていると、
かえって横回転になって上から投げ下ろせないことがある。
間宮さん流に早目に肘を上げてしまって投げ下ろすしかない形を作ってしまうのも一つの手かもしれない。

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映画評 「東京喰種 トーキョーグール【S】」 [映画評]

こう言っては何だが、「東京喰種 トーキョーグール【S】」には全く期待していなかった。
前作ではまり役に見えたトーカちゃん役の清水富美加さんが交代となったし、
予告編もさっぱりピンと来ず、
観た人の評価も今一つだったからだ。
しかし、空腹が最良のスパイスであるように、
期待しないということは映画を楽しく観るための最大のコツだったりする。
実際、意外に楽しめた。

ストーリーらしいストーリーはなく、
主人公の苦しみも十分に描けているわけではなく、
アクションシーンも大したことはない。
正直、出来のいい作品とはまるで思えなかったが、
「多分、ひどい映画だろうなあ」
と思っていただけに、その目線で見るとそこそこ楽しめる。

なんと言っても悪役の松田翔太さんがいい。
馬鹿げた設定の馬鹿げた役なのだが、しっかり演じ切られていた。
本作が成立したのは、松田さんの功績によるところが大きい。
窪田正孝さんも熱演だが、今作では松田さんの存在感の陰に隠れたか。
新たにトーカちゃんを演じたのは山本舞香さん。
このところ、「恋は雨上がりのように」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」といった作品で彼女の姿を見かける。
アクションシーンも含めとてもよかったが、清水さんの影がちらつくのが気の毒。

ちゃんとしたストーリーもないまま映画は進み、
ちゃんとしたストーリーもないまま映画は終わる。
酷いと言えば酷いが、今作はこれでよかった気がする。
下手にテーマ性などを持たせるより、ずっとすっきりしていた。
もちろん、傑作からはほど遠いのだが。
世界的な人気コンテンツの使い方としてはもったいないのだが。

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松本さんの言うとおり「皆さんは生まれつきオモロイ」 [ヨモヤ]

吉本を巡るゴタゴタに、お笑いファンは胸を痛めている。
見たくないもの、
聞きたくないもの、
突きつけられて、胸を痛めている。

なにがあっても、
どんな辛いことがあっても、
全部、笑い飛ばすのが芸人さんのはず。
芸人さんに辛い会見をさせる会社も会社だし、
テレビの前で会社の悪口を言う芸人さんも芸人さんである。
ちっとも面白くない。
胸が痛む。

松本さんが動き、
加藤さんも心の叫びを口にした。
もうここらへんで十分だ。

松本さんがツイッターで、
「寝不足芸人がいっぱいやろな~ でもプロ根性で乗り越えましょう。私達は生まれつきオモロイ」
とつぶやかれた。
そう、芸人の皆さんは生まれつき面白い。
何でも楽しめる、
いつでも楽しめる、
誰もを笑顔にできるスーパースターの皆さんである。
そりゃ、人間だから、いろいろあるに決まっている。
でも、それを腹にぐっと押さえて、表では生まれつきの面白さで人を笑顔にする。
そうあってほしい。

ののしり合い、
罪の押し付け合いは
もうたくさんである。

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「真面目に」消費税について考えたい [公会計]

参議院選挙が終わった。
事前の予想どおり、与党勢力が過半数を確保した。
これにより、10月に予定されている消費税増税への議論も、一応の終止符が打たれることだろう。

今回は一定の決着が見られたが、消費税については、賛否両論がある。
意見はいろいろあっていいと思う。
ただ、大切なテーマだけに、「真面目に」考えたい。
ちまたには、ちと真面目さに欠けるような意見も見られるからである。

例えば、
「消費税を下げれば景気が回復する」
という主張である。
私も、消費税を上げることは、景気にマイナスのインパクトを与えると考えるが、
下げたからと言って消費を増やそうとする人がいるだろうか。
下げるとなったら、かえってそれを待っての買い控えが起きるのではないだろうか。
一方、消費税を下げると税収が減るのは確実である。

「前回の増税時にはリーマンショック以上の消費減につながった」
という主張も、ちょっと大袈裟な気がする。
確かに前年度比の落ち込みは激しいのだが、それは駆け込み需要で前年度の数字がかさ上げされているからである。
それを示さないので、単に前年比の絶対額だけで言うのはいかがなものだろう。

また、
「福祉目的のはずの消費税は法人税減税の穴埋めに使われた」
という説も、納得感が低い。
そもそも消費税の使い道(支出)についての議論のはずが、収入にすり替えられているのが残念だが、
法人税が減っている間に消費税が増えているからというだけで穴埋めに使われたとするのは短絡に過ぎる。
実際に歳入不足分の穴埋めには国債が主に充てられていて、その増加額は消費税の比ではないのだが、
それを言わないのはどうだろう。
また、法人税減税には、景気対策や国際間競争の意味があったはずで、それは不要と考えておられるのかどうか。

このブログにも何度か書いたが、
私自身、消費税には懐疑的な考え方を持っている。
だからこそ、「ためにする議論」はご遠慮いただきたい。
そうした意見が混じることで、
「ああ、例の反対のための反対ね」
と思われてしまうのが残念である。
きちんと議論して、あるべき税の方向を考えたい。

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映画評 「新聞記者」 [映画評]

映画「新聞記者」がヒット中である。
公開館が少ないという事情はあるが、都内では満席となる映画館が続出している。
当初、あまり観る気はなかったのだが、これだけ評判が広がると食わず嫌いはよくないと思い直した。
一度観に行ったら満席で入れず、今回はそのリベンジ。

現役の新聞記者である方(いろいろな意味で有名な方)の著作がもとになっており、
フィクションではあるものの、現実に鋭く切り込む作品を期待したのだが、
かなり前半でリアリティのある作品ではないということがわかる。
悪い意味で漫画である。
一部の官僚組織を悪役に仕立てているのだが、いかにも悪役らしい雰囲気でそれをお届けされている。
仮面ライダーのショッカーみたいな感じ。
それでも、エリート集団とされる官僚らしく、頭脳をフルにつかった悪事をしてくるのならともかく、
やっているのはこまめなネットの書き込みレベル。
なんだこりゃ?

そういうことならと、途中からこちらも真面目に観るのは諦めて、
「そんな奴はいないよ」
などと心の中でツッコみながら観るモードに切り替えた。
そうやって観るとツッコみどころは満載なのだが、だからと言って面白く観られるわけではない。
なんだこりゃ?
と、心の中で繰り返しつぶやくこととなった。

周知のとおり、この映画は反政権的思考に貫かれている。
正直、そこがウケているのだと思う。
私としては、なんであれ、しっかりした作品であることを期待して観に行った。
しかし、しっかりした作品であることは、最初から目指されていない作品だった。

この映画を観て、
「このままではいけない」
「変えるために何かしなきゃ」
と思われる方もおられるのだろう。
それはそれで結構なことだとは思うが、映画ファンとしては、
なんらかのメッセージがあるのなら、なおさらしっかり作ってほしかった。
これでは・・・

監督の藤井道人さんの作品では、前作の「デイアンドナイト」で感銘を受けた。
重いテーマに真正面から向き合い、逃げずに撮り切った姿は素晴らしかった。
今作は、同じ人が撮ったとは思えない軽さだった。

主演の松坂桃李さんは熱演されているが、あまりに脚本が陳腐で気の毒だった。
ダブル主演は、韓国人女優のシム・ウンギョンさん。
彼女のたどたどしい日本語が気になったという人が多いようだが、私はすっと入れた。
新聞記者らしい役作りもはまっていたと思う。

映画「新聞記者」は、真面目に観ると「なんだこりゃ?」となってしまう作品。
かといって、ハチャメチャトンデモ映画でもない。
現政権がお嫌いな方には響くのかもしれないが、
この作品が響いてしまうのも、なんとも複雑である。

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