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株価はスルスルと年初来高値レベルに [経済を眺める楽しみ]

10月30日の日経平均は、利益確定の売りもあり、
前日比131円安の22,843円で引けた。
しかし、このところの株式市場は好調である。
前日には、約1年ぶりに23,000円台を回復する場面があった。

特に景気がよくなっている感はないし、
10月からは消費税が上がり、
台風の爪痕も生々しい。
あまり株が上がる要素があるようにも思えないが、
スルスルと上昇している。
年初は20,000円を割れていたから、
今年に入って15%以上、上昇したことになる。

株が上がると、
すぐにバブルだなんだと言いたがる方がおられるが、
日本の株価水準はバブルと呼べる状況とはほど遠い。
去年には24,000円台もあったのであり、騒ぐレベルでは全くない。
少し高過ぎるのではないかと思えるのは、
史上最高値近辺で推移しているアメリカ株の方である。

ひょっとしたら、今の日本経済の
可もなく不可もないところが評価されているのかもしれない。
一強と言われる安倍政権のもと、政治リスクは世界的にも低く、
ロシアなどのように資源に依存しているわけでもない。
韓国のサムスンのように、飛び抜けて強い企業があるわけでもない。
中央銀行の方針は安定的である。
こうした状況では、個々の企業の業績だけに注目して、ある意味安心して投資できるのかもしれない。

個人投資家の皆さんも、今年はそこそこの成績である方が少なくないのではないだろうか。
去年の分を取り返せているかと言うと微妙であるにしても。
なにげなく、スルスルと上がっている相場全体の流れに乗っていきたいところであるが、
それが難しいのも株式投資というものではある。

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誰もが心配したとおりのプレミアム付き商品券の不調 [ヨモヤ]

共同通信によれば、消費税増税対策として十月に始まったプレミアム付き商品券事業で、
対象者のうち、実際に自治体に購入を申請した人が3割程度にとどまっているとのことである。

申請率には地域間でばらつきがあり、
青森市が44.3%、秋田市が42.9%、
であったのに対し、
新宿区と渋谷区が14.8%となり、都市部で申請が進んでいないことが明らかになった。

申請率が低い理由として挙げられているのが、
「所得が低い人にとって購入費の工面が難しい」
「手続きが面倒」
といった点である。

今回のプレミアム付商品券では、25%のプレミアがついている。
つまり、4,000円を出すと5,000円分の商品券が手に入るというわけである。
おいしい話のようにも聞こえるが、
4,000円出さないと5,000円分の商品券がもらえないということだから、
その元手がないとどうにもならない。
また、商品券を買いに行く交通費や何やらを考えると、
「まあ、いいか」
となる気持ちもよくわかる。

手続きについては、
申請して、
引換券をもらって、
その引換券で商品券を購入する、
という段取りが必要になる。
給付金ならともかく、商品券にかける手間としてはそれなりのものがある。

記事では、
「このまま低調に終われば、個人消費の下支え効果は限定的となり、制度の実効性が問われそうだ」
とあるが、多くの人がこうなることを予想していたことと思う。
制度設計にも運用にも無理があり過ぎる。

この制度を作ったのは国だが、
運用を任せられているのは各自治体である。
国が直接実施できないのであれば、
せめて、いい制度設計をして委ねていただきたい。
これまでのいろいろな取り組みの反省が活かされているというより、
だんだん悪くなってきているように思うのは気のせいだろうか。

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映画評 「真実」 [映画評]

是枝裕和監督が、初の国際共同製作映画として、
フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えて撮った映画。
ドヌーヴの娘役に「ショコラ」「イングリッシュ・ペイシェント」などのジュリエット・ビノシュ、
ビノシュの旦那役に、アメリカ人俳優のイーサン・ホーク。
さすが、海外で高い評価を受けている是枝監督だけに、豪華なメンバーが揃った。

ドヌーヴが自身を彷彿とさせる大女優役を演じ、
周りが彼女に振り回される。
タイトルになっている「真実」という言葉は、その大女優が書いた自伝本で、
関わった人たちはみな、自分がどう書かれているかが気になっている。
しかし、内容は「真実」とはほど遠いようだ。

映画の中で、映画の撮影をしていて、
その映画はへんてこりんなSF作品。
そこがなんだかおかしい。
例によって脚本も担当している是枝監督の才気が凛々と伝わる。

家族のつながりがテーマだが、
そこにすべてを超越した存在である「女優」が加わり、
コミカルに映画は進む。
手に汗握るシーンも、
泣かせどころもないのだが、
なにやら愉快である。

「三度目の殺人」や「万引き家族」のような重厚な感じはないが、
この作品はこの作品で楽しかった。
ドヌーヴの使い方にご立腹なオールドファンもおられるようだが、
女優の中の女優が女優を演じられるというのも、
ベタではあるが洒落ている。

「真実」は、肩の力を抜いて楽しめる作品。
大人の人向けではあるが、
若い人たちもちょっと背伸びしてご覧いただきたい。
「なんだか、いいな」
と思えるのではないだろうか。

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映画評 「楽園」 [映画評]

この映画を漢字二文字で表せば、
「退屈」
ということになるだろう。
退屈でも、いい映画というのはあるが、この映画は単に退屈であった。

原作は、吉田修一さん。
「パレード」「悪人」「横道世之介」「さよなら渓谷」「怒り」
などが次々に映画化され、その多くが映画としても評判を取った。
監督は、瀬々敬久さん。
未見だが、昨年公開された「菊とギロチン」が各種の映画祭で高く評価された。
この組み合わせだから面白くなる要素はたくさんあったのに、結果は最悪。

なんと言っても、すべての登場人物に魅力がない。
さらに、行動の一つ一つに説得力がまるでない。
一体どうしたの?
といった行動を、皆が皆次々に取る。
俳優の皆さんは、どうお感じになっていたのだろう。
柄本明さんや佐藤浩市さんといった大ベテランの方々が出演されているのに、
なんとかならなかったものだろうか。

映画には全く救いがないのだが、
別に救いがなくたって構わない。
救いがなくてもいい映画というのはいくらでもある。
本作は、救いがないというより、
救いようがない。

これで短ければまだいいのだが、129分とそれなりに長い。
耐え忍ぶしかない。

「楽園」は、いいところを探すのが難しい作品。
綾野剛さん、杉咲花さん、村上虹郎さんといった、若手演技派を使いながら、
なんとももったいない。
幸せなことばかりが続いて、何か嫌なことはないか、
と探している人にはいいのかもしれない。
2時間ちょっと、憂鬱な気分になれる。

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BABYMETAL アメリカチャートで53年ぶりの快挙 [ヨモヤ]

これまでも私のブログで、何度かBABYMETALを取り上げたことがあった。
知っている人には今さらだが、彼女たちが日本のメディアにバンバン露出しているわけでもないので、
あまりご存じない、という方もおられるだろう。
Wikiで引くと、こんな風に紹介されている。
『BABYMETAL(ベビーメタル)は、日本の女性2人組メタルダンス・ユニット。通称「べビメタ」。
「アイドルとメタルの融合」をテーマに2010年結成。2014年から国外での活動が多くなっている。』
元々は、SU-METAL、MOAMETAL、YUIMETALの3人組だったが、
YUIMETALが脱退して、現在は二人組になっている。
※国際的に注目を集めるきっかけになった曲が「ギミチョコ!!」。こちらから。
https://www.youtube.com/watch?v=WIKqgE4BwAY

「アイドルとメタルの融合」というコンセプト一発勝負のような感じで始まったグループだが、
ボーカルを取っているSU-METALの歌力の強さ、
MOAMETAL、YUIMETALのダンスの素晴らしさが、
ロック畑、それも海外のファンに評価され、
どんどん存在を大きくしていった。
ここまでの道のりは平坦ではなかったが、
日本のバンドとして、初めてといっていいような海外での成功を手にしている。

そのBABYMETALが10月11日に世界同時発売した3rdアルバム『METAL GALAXY』が、
アメリカ・Billboardのアルバム総合チャート「Billboard TOP 200」で13位にランクインした。
韓国のアイドルグループが次々にナンバーワンヒットを記録しているので、
そこからすれば13位は微妙かもしれないが、日本人アーチストとしては間違いなく快挙。
なんといっても、1969年に坂本九さんが記録した14位を56年ぶりに上回ったのだから。
Billboard ROCKアルバムチャートでは日本人アーチスト初の1位も獲得したという。

BABYMETALは、企画もののようにとらえられがちだが、
海外の数々のロックフェスに出演し、
完全アウェイのような状況で腕を磨いてきた。
だから、そんじょそこらの日本のバンドとは、肝の据わり方からして違う。
はじめは、珍しいもの見たさだった海外のファンも、
今は力のあるロックグループの一つとして評価しているのだと思う。

BABYMETALの冒険にはまだ先があるはずだ。
それを見守れることは喜びである。

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諦めないことが財産  ~ ドラギ総裁の最後の理事会での言葉 ~ [ヨモヤ]

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、退任前最後の理事会で、金融緩和の継続を決定された。
会議には次期総裁のラガルド氏も出席されたという

ドラギ総裁は、8年の任期中に一度も利上げをされることがなかった。
また、ユーロを守るために「何でもやる」と宣言したドラギ総裁だが、
結局、ECBが第一の責務とする2%弱とのインフレ目標達成は実現できなかった。
こうしたことを持って、
「ECBの政策には効果がそれほどなかった」
「金融緩和は副作用の方が大きいのではないか」
と言う意見もあるようだが、
ドラギ総裁は、
「緩和的な金融政策の恩恵はリスクをはるかに上回る」
とされている。
日本でも、日銀の金融緩和策に否定的な意見が多い、
日銀もマイナス面は知りつつ、それを上回る効果があると判断しているのだと思う。

ドラギ総裁は、任期中ユーロ圏の物価安定化を追求してきたとし、
「決して諦めない。ある意味で、これはわれわれの財産の一部だ」
と強調された。
諦めない、というのは当たり前のことのように思えるが、
経済の巨大なうねりを目の前にして、ひるむこともあっただろう。
これはECBの手には負えない、
と匙を投げたくなることもあっただろう。
しかし、ECBが一丸となって踏ん張れたことで、最悪の事態は防げた、
後任に誰がなろうと、諦めないという文化は受け継いで欲しいとの思いを込めたのだと思う。

それぞれの人にそれぞれの持ち場があり、
とてもそこまでの責任は追い切れない、
とてもそこまでの影響は与えきれない、
ということはあると思う。
それでも、ドラギ総裁の言う
「決して諦めない」という財産があれば、
どこかに活路が見出せるかもしれない。

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日本シリーズを振り返る ~ 大方の予想通りだが、予想通り過ぎて逆にびっくり ~ [ヨモヤ]

今年の日本シリーズについて、
私は10月19日付のブログで、
「どう見てもソフトバンク有利」
と書いた。
戦力的にも、日程的にも、
普通に考えると、ソフトバンクが負ける姿が想像できなかった。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2019-10-19

しかし、野球は番狂わせの多いスポーツである。
実際、ペナントレースではソフトバンクは下馬評がそれほどよくなかった西武にやられている。
だから、日本シリーズでもソフトバンクが慌てるシーン、ひょっとしたらやられるシーンも、
ないではないと思っていた。
それが始まってみると、まさに予想通りの展開。
それても、一つや二つは負けるかと思っていたが、菅野も崩して4連勝。
プロ野球の総決算としては、実に味気ないシリーズになってしまった。

巨人の最大の敗因は、
誰もがそう思う通り、丸と坂本の不振にある。
二人がシーズン並みに打っていたら、まったく違った展開になっていただろう。
しかし、それを言い出したら、ソフトバンクも皆が皆、力どおり打ちまくっていたわけではない。
純粋に力負けと考えるのが妥当だろう。

交流戦に続いて日本シリーズでもセ・リーグが負け続ける展開に、
評論家の和田一浩さんは、
「戦力差が歴然としていて、日本一を決める場としてふさわしくない」
「パ・リーグ同士で戦う方がふさわしいのではないか」
とまで書かれている。
それはちょっと極端かとは思うが、4連敗では巨人も反論のしようがないだろう。
パ・リーグファンとしては留飲が下がるが、
プロ野球ファンとしては、少し心配になる。
このまま両リーグの力量差がついたままでいいのだろうか、と。

パのチームは恵まれた環境にいるわけではない。
毎年のように、リーグのトップクラスの選手がメジャーに渡り、
トップには少し差がある選手はFAでセに移る。
この状況で、かなり長い間、パの方が強いという事実に、
セはもっともっと危機感を持った方がいい。
いや、プロとして持つべきであろう。
巨人の4連敗がそのきっかけになるのなら、
ファンが感じた悔しい思いも少しは報われる。

※気になったのは、巨人の選手たちの何人かが、
引退される巨人の阿部さんを始め、内野ゴロのとき一塁に全力疾走しなかったこと。
普段セ・リーグの試合を見ないのでよくわからないが、
いつもああなのだろうか。
阿部さんの場合、なんらか故障があるのかもしれないが、それにしても美しい光景ではなかった。
ひたむきさがないチームが負けたのは、野球界のためによかったと思う。

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書評 「自治体職員をどう生きるか」 [読書記録]

本著は、地方公務員界隈では超のつく有名人である山形市職員の後藤好邦さんが書かれたもの。
タイトルから、大ベストセラーとなった「君たちはどう生きるか」を連想する方も多いと思う。
後藤さんは、主体的に自治体職員である自分を生きていくことを強調するために、
このタイトルを付けられたそうだ。
そのため「自治体職員は」ではなく、「自治体職員を」となっている。

サブタイトルに、
「30代からの未来のつくり方」
とある。
もちろん、ターゲット層である30代に最も刺さるだろうと思うが、
20代の人はもちろん、定年を目前に控えた人であっても、
十分に活かせる内容になっている。

後藤さんは、900人を超えるといわれる「東北まちづくりオフサイトミーティング」の主催者であり、
全国を講演やらなにやらで飛び回られている。
このごろ使われる表現で言えば、いわゆる「スーパー公務員」なのだろうが、
気負ったところが感じられない。
自らが、
こうしたい、
こうしたら楽しそう、
こうしたらみんなに喜んでもらえそう、
といったことを自然に積み重ねてこられた結果、
周りの人たちから一目も二目も存在になられたようにお見受けする。
この本でも、「こうすべき」と決めつけられるのではなく、
「自分はこうした」
「こうしたら素敵じゃないかなあ」
と語りかけて来られる。
実践者として身銭を切って走り回られて、
日本中にファンがおられる後藤さんの言葉だけに、
読む人にすっと届くのではないだろうか。

本の中には、後藤さんが心がけておられる印象的な言葉がいくつも書かれている。
例えば、
「まず身近な『知域』から」
「目指せ『認められるマイノリティ』」
「頼まれごとは試されごと」
などである。
後藤さんの人を巻き込む力には定評があるが、
その秘訣として、
行動力や誠実さに加え、
短く印象的な言葉で伝える力があることを改めて知った。

自治体職員としてどう生きようが、それぞれの自由といえばそれまでである。
しかし、ふと立ち止まってじっくり考えて、小さな一歩を踏み出してみれば、
それまでとは全く違う光景が広がっているかもしれない。
それまでとは全く違う喜びが待っているかもしれない。
この本はその一歩のきっかけを与えてくれるのではないだろうか。
踏み出したのだけれど、何かが違うように感じている人にとっても、
この本は大きな勇気を与えてくれる。
踏み出して、なんとかうまく回っている人にとっても、
心の支えになると思う。
何しろ、実践している人がいるのだから。
実践している人がおっしゃっているのだから。
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朝日新聞による消費税に関する世論調査結果は意外 ~ 増税を「納得している」人が多いらしい ~ [経済を眺める楽しみ]

大多数の人が、税金はできれば払いたくないと考えている。
政治に不信感があるとか、欲が深いとか、そんなことではなくても、
ほとんど本能的に税金を払うことに拒否感を持っている。

だから、
政治家にとって増税策を訴えることは大きな賭けになる。
不人気政策であることが確実だからだ。

この10月から消費税が増税されたが、
先に行われた参議院選挙で与党は勝利を収めている。
つまり、
増税を訴えた側が勝利した、ということである。
いろいろな要素があっての結果であり、
消費税増税が支持されたというわけではないとは思うが、
増税=選挙で敗北、
ということが不変の公式ではないことが明らかになった。

さて、朝日新聞社全国世論調査を実施し、消費税増税についても聞いたらしい。
結果を見ると、
消費税率を10%に引き上げたことに
「納得している」が54%で、
「納得していない」の40%を上回ったのだという。

さらに、今回の増税による家計への負担感も尋ねたところ、
家計負担が、
「かなり」と「ある程度」を合わせた「重くなっている」が45%、
「あまり」と「全く」を合わせた「重くなっていない」は52%であり、
「重くなっていない」とした人の方が多かったというのだ。

正直なところ、この結果はかなり意外だった。
財政が厳しいことは共有化されているとしても、
政府のお金の使い方にはいろいろ課題が指摘されているし、
景気への下押し圧力も少なくない。
さらに、はじめに書いたように、誰だって税金は少ないに越したことはないと思っているはずだ。
そのなかで「納得している」人が多いとは。
増税されたのに、家計負担が「重くなっていない」とする人の方が多いとは。

この結果を見て、ネットのコメントは、
「そんなわけない」
「だまされるのもいい加減にしろ」
「情報操作ではないか」
などの声が上がっているが、安倍政権には否定的な立場をとることが多い朝日新聞の調査であるだけに、
世の中的にはこう考えられているのだととらえていいだろう。

私にとっても意外な調査結果だったが、増税をひたすら苦痛と考えるより、
今回の結果の方がずっといい。
ついに、日本人も消費増税に免疫がついたのだろうか。
それとも、緩和策が功を奏しているのだろうか。
そのあたりはよくわからないが、
消費者にとっては、今回の増税が比較的すんなり受け入れらたことは確かなようだ。
だからと言って、さらなる増税が得策とは思えないが。

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書評 「言い訳」 [ヨモヤ]

ナイツの塙さんの書いた「言い訳」という本を読んだ。
副題は、「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」
というもので、タイトルは、自分たちがM-1を獲れなかったことへの「言い訳」という意味を込めている。

今、日本で一番面白い漫才師は誰?
との質問があったら、意見は百出するだろう。
正解もない。
しかし、一定の割合の人が、ナイツを支持するのは間違いないと思う。
常に面白いし、
新しいネタを提供してくれる。
クオリティの高さがありながら、
安住せず、毒も棘もある。

ナイツはM-1にも出ていたが、
どこか飄々としている二人なので、
M-1で勝つこと自体にはあまり興味がないのかと思っていた。
この本を読んで、熱い思いを持って闘っていたのだとわかった。
嬉しかった。
「一番面白い漫才師を決める」
という大会に斜に構えているようでは、あまりかっこいいように思えないからだ。

本の中では、
誰のツッコミがいい、
こういうネタの方が評価されやすい、
こういう漫才をやってみたい、
誰から影響を受けた、
など、興味深い内容がいろいろ語られている。
ナイツファンはもちろん、お笑いファンならきっと楽しく読めるだろう。
そして、年末に行われるM-1の本選が一層楽しみになるはずだ。

「面白いって何だろう?」
と多くの人が考えている。
しかし、答えは見つからない。
ただし、求めなければ近づけない。
塙さんは、近づいておられるように見える。

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