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SDGsに取り組むとROEが上がる?  ~ それって、因果関係履き違えてない? ~ [診断士的経済アプローチ]

犯罪が多い地域には、多くの警察官が投入される。
逆に、犯罪が少ない地域には、少数の警察官が配置されるだろう。
この関係をグラフ化すると、犯罪件数と警察官の数は比例関係にあるように見える。
つまり、警察官が多ければ多いほど犯罪も起こりやすい、と読めてしまう。

さすがにそんな勘違いをする人はいないだろうが、因果関係をしっかり確認しないままに、
現象面だけをとらえて結論に飛びつくケースは少なくない。

12月2日付日本経済新聞朝刊の一面に、
SDGsに積極的に取り組んでいる企業はROEが高い、という趣旨の内容が掲載されていたが、
本当にそうだろうか?
もちろん、本当にそうかもしれない。
しかし、少なくとも記事を読む限り、そう信じることはできなかった。

記事では、
「SDGsを経営に生かしている企業ほど、収益力が高い傾向が鮮明となった」
とある。
SDGsに取り組みことが収益力を高めている、
と決めつけているように読めるが、
収益力が高い企業が、SDGsに取り組んでいるのかもしれない。
少なくとも、
SDGsがどのように収益に貢献しているのか、という具体例も、
SDGsに取り組む前と後での業績の変化といったデータも、
特に示されてはいなかった。

データやグラフから見えるわかりやすい結論に飛びつくと、大抵は間違っている。
間違った結論から導き出された判断は、うまくいかない可能性が高い。
気を付けよう。

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