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今度こそ消費税の影響を直視すべき  ~ 台風に逃げないで ~ [経済を眺める楽しみ]

今回の消費増税に対しては、かなり手厚い対策が獲られた。
また、5%から8%より、8%から10%の方が影響が小さく出るはずとの見方もあった。
実際、8月頃までは駆け込み消費がほとんど見られず、
ひょっとしたら今回の増税は平穏に乗り切れるのかと思った時期もあった。
しかし、そうはならなかった。

総務省が発表した家計調査によると、
10月の消費支出は去年の同じ月を5.1%下回ったのだという。
この減少幅は、前回5年前に税率が引き上げられた後の2014年4月のマイナス4.6%より大きい。
反動がないどころか、前より大きくなった。

内閣府が公表した10月の景気動向指数でも、
指標となる一致指数は前月比5.6ポイント低下し、2013年2月以来の低水準となった。
一致指数の前月比マイナス幅は2011年3月以来の大きさであるという。
こちらも、前回の増税時を上回るマイナスである。

この結果を受けて、
「10月は台風という特殊事情があった」
とおっしゃる方も少なくない。
このパターンは、消費税後の反動を語る際の定番である。
消費が下がったのは消費税の影響ではなく、他の要因が大きかったのだ、というのである。
正直、それはもう聞き飽きた。
今回も、もちろん台風の影響もあっただろうが、
消費税増税時に大幅に景気が落ち込んだのは事実である。

日本においては、
消費税を上げると大きな消費の落ち込みにつながる。
これを直視しなければならない。
何兆円もかけて対策をとっていても、消費は下がってしまう。
これが日本での現実である。

今後も、消費税率については議論が続くだろう。
そのときに必ず踏まえるべきは、
税率を上げれば景気が下向くのはほぼ確実である、
というシンプルな事実である。
前回は特殊な事情があったから、今回は大丈夫、
と曖昧にせず、景気が落ち込むことを覚悟して、それでもやる、と主張すべきである。

10月の落ち込みは仕方がないとして、
11月以降の数値が気になる。
株価は、来年以降の業績回復を織り込んでいるが、足元が悪過ぎるようではそれも崩れてしまう。


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