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映画評 「種をまく人」 [映画評]

テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞・最優秀主演女優賞受賞作。
自主製作映画であり、海外の映画祭で評価を獲たのちの、本国日本での公開となった。

主演女優賞を獲得した竹中涼乃さんは、当時12歳。
子役だが、実に印象に残る演技をされている。
その母役を演じられた中島亜梨沙さんもよかった。
なんと言っても特筆すべきはその美しさ。
自主製作映画というと、どうしても女優さんがあれだったりするが、
綺麗な女優さんがスクリーンの真ん中に立つことで、映画の説得力を増させていた。

しかし、映画の内容は、どうにもしっくりこない。
序盤に大きな波乱があるのだが、それ以降はその波乱を引きずるばかり。
意味や意図のわからない場面やセリフも少なくなく、
正直なところ、上映時間が実に長く感じられた。

なんとなく、海外の映画祭で評価される理由がわからなくはなかったが、
残念ながら私に刺さってくるものはなかった。
女優さんは魅力的だったが、
登場人物には魅力が感じられず、
その行動にも説得力を感じなかった。

とはいえ、「種をまく人」が力作であることは確か。
行間を読むのが好きな方は、この世界観に浸れるのかもしれない。

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