もう内部留保を目の敵にしないで [診断士的経済アプローチ]
去年まで、企業の内部留保を目の敵のように言う政治家の方が多かった。
「ため込まずに人件費に回せ」
「内部留保をためるのは知恵がない証拠」
「内部留保に課税せよ」
といった具合である。
「内部留保を吐き出させよ」
といった意見もあった。
内部留保は、売上から人件費などの経費を差し引いて生み出した利益から、税金を払ったのちに生じる。
企業としては、しっかり税金を払い、経営判断のうえで内部留保としているのに、
それをとがめられてはたまらないだろう。
そもそも企業の内部留保を減らすためには、企業を赤字にする必要がある。
赤字になってしまえば、人件費は当然削減の対象だろう。
そうなっていいはずがない。
内部留保を取り上げようとされていた方は、何をしたかったのだろう。
さて、2019年度法人企業統計調査で企業の内部留保が8年連続過去最高となったらしい。
今から思えば平和だった去年の数字である。
これを受けて麻生財務相は、
「内部留保がやたら厚くなけりゃ今回のコロナ対応はもっときつかったろうな。財務大臣の口車に乗って設備投資しなくてよかったと思っている経営者もいるんじゃないか」
「結果論だが、内部留保が厚かったところの方が、コロナの騒動に耐えるだけの企業体力があったってことになる。そこはちょっとあれだが……。もう少し設備投資や給与に回ってしかるべきではないか」
とおっしゃったらしい。
麻生大臣らしい表現で、実にわかりやすい。
ただ、内部留保が多かったのは結果論ではない。
企業としては、まさかに備えて一定のたくわえを持っているのであり、
2020年にそのまさかが来たことはたまたまではない。
さすがに、今年や来年には内部留保撲滅論は出ないだろうが、
ほとぼりが冷めたら、まだ言い出す人がおられるかもしれない。
「内部留保を吐き出させろ」
と。
しかし、今回のことを教訓に、内部留保を叩くのはもうおやめいただきたい。
筋がいいとは言えないし、
企業人からすれば、よくおわかりになっておられないように映ってしまうからである。
今思えば、内部留保を叩くとは、牧歌的な時代があったものだ。
去年のことだが。
「ため込まずに人件費に回せ」
「内部留保をためるのは知恵がない証拠」
「内部留保に課税せよ」
といった具合である。
「内部留保を吐き出させよ」
といった意見もあった。
内部留保は、売上から人件費などの経費を差し引いて生み出した利益から、税金を払ったのちに生じる。
企業としては、しっかり税金を払い、経営判断のうえで内部留保としているのに、
それをとがめられてはたまらないだろう。
そもそも企業の内部留保を減らすためには、企業を赤字にする必要がある。
赤字になってしまえば、人件費は当然削減の対象だろう。
そうなっていいはずがない。
内部留保を取り上げようとされていた方は、何をしたかったのだろう。
さて、2019年度法人企業統計調査で企業の内部留保が8年連続過去最高となったらしい。
今から思えば平和だった去年の数字である。
これを受けて麻生財務相は、
「内部留保がやたら厚くなけりゃ今回のコロナ対応はもっときつかったろうな。財務大臣の口車に乗って設備投資しなくてよかったと思っている経営者もいるんじゃないか」
「結果論だが、内部留保が厚かったところの方が、コロナの騒動に耐えるだけの企業体力があったってことになる。そこはちょっとあれだが……。もう少し設備投資や給与に回ってしかるべきではないか」
とおっしゃったらしい。
麻生大臣らしい表現で、実にわかりやすい。
ただ、内部留保が多かったのは結果論ではない。
企業としては、まさかに備えて一定のたくわえを持っているのであり、
2020年にそのまさかが来たことはたまたまではない。
さすがに、今年や来年には内部留保撲滅論は出ないだろうが、
ほとぼりが冷めたら、まだ言い出す人がおられるかもしれない。
「内部留保を吐き出させろ」
と。
しかし、今回のことを教訓に、内部留保を叩くのはもうおやめいただきたい。
筋がいいとは言えないし、
企業人からすれば、よくおわかりになっておられないように映ってしまうからである。
今思えば、内部留保を叩くとは、牧歌的な時代があったものだ。
去年のことだが。
映画評 「きみの瞳が問いかけている」 [映画評]
青春恋愛映画の名手とされる三木孝浩さんが監督。
三木監督作品では「陽だまりの彼女」「くちびるに歌を」といった作品が心に残っているが、
最近は今一つ。
今作も、あまりの突っ込みどころの多さは、こちらがどうかしてしまったのかと思うほど。
導入から45分くらいは「うまいなあ」とうなる展開。
無茶苦茶かつ強引な設定を、「え?」と思う間もなく見せていく。
さすがにプロだ、としみじみ。
吉高由里子さんと横浜流星さんの熱演も無理やりな展開をカバーし、映画に入り込ませる。
目の不自由な女性と過去に傷がある男性がどうやって出会ったのか。
その二人の仲がどのように進展したのか。
メルヘンではあるが、てきぱき見せてくれて心地いい。
しかし、後半はなんじゃこりゃ。
設定の素っ頓狂さ、展開のスーパー強引さなど、私の理解を軽々とオーバー。
突っ込む気も喪失させるほどのぶっ飛ばし方。
パプー。
序盤の手際のよさにほだされ、いい映画なのではないか、などと期待した私がどうかしてました。
ぶっ飛ばし方はラストシーンまで絶好調。
え?突っ込み箇所捜索選手権みたいな?
主演の吉高さんはしっかり輝いていた。
目が不自由という難しい役を、けなげに、可憐に演じていた。
共演の横浜さんも役柄にぴったり。
鍛え上げた肉体は、格闘シーンにばっちりはまっていた。
だから、この映画がほにゃにゃにゃにゃーなのは、俳優さんの責ではない。
私が観た回の劇場は、ほぼ満員。
どうやらかなりヒットしているようだ。
ネットのレビューでもかなりの高評価。
ふむ。
不思議である。
「きみの瞳が問いかけている」は、しっちゃかめっちゃかな作品。
どうにもならない。
ただ、主演の二人は素敵で、それを目当てにするのなら文句なしとも言える。
監督の意図もそこにあるのだろうか。
ないと思うけど。
三木監督作品では「陽だまりの彼女」「くちびるに歌を」といった作品が心に残っているが、
最近は今一つ。
今作も、あまりの突っ込みどころの多さは、こちらがどうかしてしまったのかと思うほど。
導入から45分くらいは「うまいなあ」とうなる展開。
無茶苦茶かつ強引な設定を、「え?」と思う間もなく見せていく。
さすがにプロだ、としみじみ。
吉高由里子さんと横浜流星さんの熱演も無理やりな展開をカバーし、映画に入り込ませる。
目の不自由な女性と過去に傷がある男性がどうやって出会ったのか。
その二人の仲がどのように進展したのか。
メルヘンではあるが、てきぱき見せてくれて心地いい。
しかし、後半はなんじゃこりゃ。
設定の素っ頓狂さ、展開のスーパー強引さなど、私の理解を軽々とオーバー。
突っ込む気も喪失させるほどのぶっ飛ばし方。
パプー。
序盤の手際のよさにほだされ、いい映画なのではないか、などと期待した私がどうかしてました。
ぶっ飛ばし方はラストシーンまで絶好調。
え?突っ込み箇所捜索選手権みたいな?
主演の吉高さんはしっかり輝いていた。
目が不自由という難しい役を、けなげに、可憐に演じていた。
共演の横浜さんも役柄にぴったり。
鍛え上げた肉体は、格闘シーンにばっちりはまっていた。
だから、この映画がほにゃにゃにゃにゃーなのは、俳優さんの責ではない。
私が観た回の劇場は、ほぼ満員。
どうやらかなりヒットしているようだ。
ネットのレビューでもかなりの高評価。
ふむ。
不思議である。
「きみの瞳が問いかけている」は、しっちゃかめっちゃかな作品。
どうにもならない。
ただ、主演の二人は素敵で、それを目当てにするのなら文句なしとも言える。
監督の意図もそこにあるのだろうか。
ないと思うけど。
選手を育て やりくりして勝ち続けるソフトバンクの強さ [ヨモヤ]
特別な年のパ・リーグを制したのは福岡ソフトバンクだった。
途中までロッテと激しく競り合っていたが、
終盤突如勝ち始め、反対にロッテはおびただしく負け始め、
最終的には2位以下に大差がついた。
ソフトバンクが勝つと、
金にあかせて勝ったように思う人がいる。
もちろん、資金力はナンバーワンであり、お金を使っていることは確かだが、
他チームの4番やエースクラスをどんどん引き抜いたり、
メジャーから大砲を獲得してきたりして、
無理やり戦力を上げているわけではない。
今年は、計算できるはずの選手たちが十分に活躍できなかった年であった。
内川は結局一軍に上がってこなかったし、
バレンティンは全く機能しなかった。
去年大活躍した甲斐野も故障で一年を棒に振った。
しかし、それを補ったのが、若手選手たちだった。
優勝を決めた試合のスタメンにも、
周東、栗原、川瀬といった若手が名を連ねていた。
彼らは、アマチュア時代から名を売っていた選手ではない。
エースの千賀、正捕手の甲斐といった選手は育成出身でもある。
原石を磨き上げ、戦力に育て、勝っているのである。
メンバーだけを比較すれば、
打線については、一番から西川、大田、近藤、中田と並ぶ日ハムの方が上と言っていいし、
先発投手についても、則本、涌井、岸の3人がいる楽天も負けてはいない。
しかし、ソフトバンクは、この1点を取る執念、この1点を守る気持ちで他球団を上回っている。
勝ちたい気持ちが、一枚も二枚も上である。
それは常勝チームに根付いているものでもあり、
チーム内の厳しい競争を勝ち抜いているからでもあるだろう。
さて、ソフトバンクの過去2年間は、ペナントレースを2位で終えたのち、
クライマックスシリーズを勝ち抜き、最終的には日本一になっている。
ペナントを優勝した今年はどうだろう。
待ち受ける立場が、不思議な緊張感になるかもしれない。
相手は、ロッテか、西武か、はたまた楽天か。
ソフトバンクは短期決戦にも絶対の強みを持っているが、
それでも短期決戦では何が起こるかわからない。
ソフトバンクが受けに回ったとき、波乱がないとは限らない。
途中までロッテと激しく競り合っていたが、
終盤突如勝ち始め、反対にロッテはおびただしく負け始め、
最終的には2位以下に大差がついた。
ソフトバンクが勝つと、
金にあかせて勝ったように思う人がいる。
もちろん、資金力はナンバーワンであり、お金を使っていることは確かだが、
他チームの4番やエースクラスをどんどん引き抜いたり、
メジャーから大砲を獲得してきたりして、
無理やり戦力を上げているわけではない。
今年は、計算できるはずの選手たちが十分に活躍できなかった年であった。
内川は結局一軍に上がってこなかったし、
バレンティンは全く機能しなかった。
去年大活躍した甲斐野も故障で一年を棒に振った。
しかし、それを補ったのが、若手選手たちだった。
優勝を決めた試合のスタメンにも、
周東、栗原、川瀬といった若手が名を連ねていた。
彼らは、アマチュア時代から名を売っていた選手ではない。
エースの千賀、正捕手の甲斐といった選手は育成出身でもある。
原石を磨き上げ、戦力に育て、勝っているのである。
メンバーだけを比較すれば、
打線については、一番から西川、大田、近藤、中田と並ぶ日ハムの方が上と言っていいし、
先発投手についても、則本、涌井、岸の3人がいる楽天も負けてはいない。
しかし、ソフトバンクは、この1点を取る執念、この1点を守る気持ちで他球団を上回っている。
勝ちたい気持ちが、一枚も二枚も上である。
それは常勝チームに根付いているものでもあり、
チーム内の厳しい競争を勝ち抜いているからでもあるだろう。
さて、ソフトバンクの過去2年間は、ペナントレースを2位で終えたのち、
クライマックスシリーズを勝ち抜き、最終的には日本一になっている。
ペナントを優勝した今年はどうだろう。
待ち受ける立場が、不思議な緊張感になるかもしれない。
相手は、ロッテか、西武か、はたまた楽天か。
ソフトバンクは短期決戦にも絶対の強みを持っているが、
それでも短期決戦では何が起こるかわからない。
ソフトバンクが受けに回ったとき、波乱がないとは限らない。
映画評 「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」 [映画評]
とんでもないヒットになっている「鬼滅の刃」。
もちろん飛び込んでいくしかない。
テレビでまとめ再放送をやっていたので、それをそこそこ観ておいた。
そうしておいてよかった。
この映画を楽しむためには、ある程度以上の予備知識は必要だと思う。
初見さんに親切な作りではない。
映画の中で、クライマックスが大きく2回ある。
私は2回目のクライマックスがあると知らなかったので、唐突な流れにちょっと驚いた。
はじめは蛇足かと思ったが、熱い戦いが繰り広げられ、
むしろこちらがメインだと知った。
主人公の炭治郎くんが鬼に向かって言葉を投げつけるシーンがあるのだが、
個人的にはここが一番よかった。
思い出してもグッとくる。
煉獄さんの言葉も刺さった。
興行収入が100億円を突破したことについて、
「煉獄さんが100億円の男になった」
と喜ぶ気持ちも共感できる。
十分楽しめたし、
胸熱くもなった。
繰り返し観る人が出るだろうこともわかる。
いい2時間だと思う。
しかし、映画ファンとしては、この作品が記録破りの大ヒットになることに、手放しで喜べない面もなくはない。
本作は、「鬼滅の刃」アニメプロジェクトの一環的な作品。
テレビシリーズの続きを映画にしたもので、
おそらく映画の続きがまたテレビシリーズになり、
その続きが映画になる流れなのだろう。
そのこと自体、別に悪いことでもなんでもないし、そういうやり方もありだと思うが、
映画オリジナルの作品ではない。
それがいいとか悪いとかではなく。
本作を「千と千尋の神隠し」や「サマーウォーズ」
といった映画と比べるとどうだろう。
いや、比べるものでは全くない。
そもそも土俵が違う。
そう考えると、「千と千尋」や「君の名は。」のように、「映画」として作られ、
作品の評価と興行が噛み合ったというのは奇跡のような出来事だったのだとわかる。
毎年大ヒットするが、「コナン」は映画としてはハラホロヒレハレであるし、
しんちゃんも、かつての輝きはない。
そうした作品と比べると、鬼滅は相当遠いところまで行ったと思う。
しかし、2時間の中でゼロから物語を立ち上げ、そのなかできっちり落とし前をつけるのが映画だとすれば、ううむ、と思うところもある。
十分に楽しんだのだが。
もちろん飛び込んでいくしかない。
テレビでまとめ再放送をやっていたので、それをそこそこ観ておいた。
そうしておいてよかった。
この映画を楽しむためには、ある程度以上の予備知識は必要だと思う。
初見さんに親切な作りではない。
映画の中で、クライマックスが大きく2回ある。
私は2回目のクライマックスがあると知らなかったので、唐突な流れにちょっと驚いた。
はじめは蛇足かと思ったが、熱い戦いが繰り広げられ、
むしろこちらがメインだと知った。
主人公の炭治郎くんが鬼に向かって言葉を投げつけるシーンがあるのだが、
個人的にはここが一番よかった。
思い出してもグッとくる。
煉獄さんの言葉も刺さった。
興行収入が100億円を突破したことについて、
「煉獄さんが100億円の男になった」
と喜ぶ気持ちも共感できる。
十分楽しめたし、
胸熱くもなった。
繰り返し観る人が出るだろうこともわかる。
いい2時間だと思う。
しかし、映画ファンとしては、この作品が記録破りの大ヒットになることに、手放しで喜べない面もなくはない。
本作は、「鬼滅の刃」アニメプロジェクトの一環的な作品。
テレビシリーズの続きを映画にしたもので、
おそらく映画の続きがまたテレビシリーズになり、
その続きが映画になる流れなのだろう。
そのこと自体、別に悪いことでもなんでもないし、そういうやり方もありだと思うが、
映画オリジナルの作品ではない。
それがいいとか悪いとかではなく。
本作を「千と千尋の神隠し」や「サマーウォーズ」
といった映画と比べるとどうだろう。
いや、比べるものでは全くない。
そもそも土俵が違う。
そう考えると、「千と千尋」や「君の名は。」のように、「映画」として作られ、
作品の評価と興行が噛み合ったというのは奇跡のような出来事だったのだとわかる。
毎年大ヒットするが、「コナン」は映画としてはハラホロヒレハレであるし、
しんちゃんも、かつての輝きはない。
そうした作品と比べると、鬼滅は相当遠いところまで行ったと思う。
しかし、2時間の中でゼロから物語を立ち上げ、そのなかできっちり落とし前をつけるのが映画だとすれば、ううむ、と思うところもある。
十分に楽しんだのだが。
社会人になってから影響を受けた書籍 [ヨモヤ]
人材育成サービスを提供する「ラーニングエージェンシー」という会社が、企業の経営者を対象に
「社会人になってから影響を受けた書籍」
についてアンケートを行い、そのランキングを発表した。
6位まで発表されているのだが、それは以下のとおり。
1 「7つの習慣」 スティーヴン・R・コヴィー
2 「生き方」 稲盛和夫
3 「人を動かす」 デール・カーネギー
4 「ビジョナリーカンパニー」 ジム・コリンズ
5 「ビジョナリーカンパニー2」 ジム・コリンズ
5 「マネジメント」 ピーター・ドラッカー
5位が2冊になっているのは、同数だったからだろう。
同数が生まれた理由の一つが、アンケートの母数が少ないことで、この調査は100人を対象としている。
わずか100人だから、今回の結果をもって、上記の本が日本の経営者に大きな影響を与えているかどうか判断することはできない。
6冊とも定番中の定番であるのも特徴だろうか。
では、自分なら何を挙げるだろう。
経営者ではないため調査対象にもならないが、ちょっと考えてみた。
ドラッカーの著作には、一時期はまった。
どれにも深い洞察を感じたが、「この一冊」として挙げるかというとそうはしないだろう。
稲盛さんの「生き方」にももちろん感銘を受けたが、経営者の本で最初に心を動かされたのは、
宅急便の生みの親、小倉昌男さんの「経営学」だった。
好きが高じて、はじめて買った株がヤマト運輸だったことを思い出す。
働き出してから、お金について以前より深く考えるようになり、
「エンデの遺言」
という本にショックを受けた。
エンデとは、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデのことで、エンデの思想からお金の本質を探ろうとする試みだった。
地域通貨、という仕組みに強くひかれた。
歳を重ねて、自分より年下の経営者も次々に出てくるようになったが、
なかでもマザーハウスという会社を創業された山口絵理子さんが書かれた
「裸でも生きる」
には衝撃を受けた。
世の中、すごい人がいる。
経済小説では、三枝匡さんの三部作
「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「Ⅴ字回復の経営」
に惹かれた。
三枝さんは、プロ経営者としても結果を残された稀有な存在である。
ほかにもいろいろあるが、パッと思いついたのはこんなところ。
いい本との出会いが仕事を一層いいものにしてくれることがある。
皆さんにもいい出会いがありますように。
「社会人になってから影響を受けた書籍」
についてアンケートを行い、そのランキングを発表した。
6位まで発表されているのだが、それは以下のとおり。
1 「7つの習慣」 スティーヴン・R・コヴィー
2 「生き方」 稲盛和夫
3 「人を動かす」 デール・カーネギー
4 「ビジョナリーカンパニー」 ジム・コリンズ
5 「ビジョナリーカンパニー2」 ジム・コリンズ
5 「マネジメント」 ピーター・ドラッカー
5位が2冊になっているのは、同数だったからだろう。
同数が生まれた理由の一つが、アンケートの母数が少ないことで、この調査は100人を対象としている。
わずか100人だから、今回の結果をもって、上記の本が日本の経営者に大きな影響を与えているかどうか判断することはできない。
6冊とも定番中の定番であるのも特徴だろうか。
では、自分なら何を挙げるだろう。
経営者ではないため調査対象にもならないが、ちょっと考えてみた。
ドラッカーの著作には、一時期はまった。
どれにも深い洞察を感じたが、「この一冊」として挙げるかというとそうはしないだろう。
稲盛さんの「生き方」にももちろん感銘を受けたが、経営者の本で最初に心を動かされたのは、
宅急便の生みの親、小倉昌男さんの「経営学」だった。
好きが高じて、はじめて買った株がヤマト運輸だったことを思い出す。
働き出してから、お金について以前より深く考えるようになり、
「エンデの遺言」
という本にショックを受けた。
エンデとは、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデのことで、エンデの思想からお金の本質を探ろうとする試みだった。
地域通貨、という仕組みに強くひかれた。
歳を重ねて、自分より年下の経営者も次々に出てくるようになったが、
なかでもマザーハウスという会社を創業された山口絵理子さんが書かれた
「裸でも生きる」
には衝撃を受けた。
世の中、すごい人がいる。
経済小説では、三枝匡さんの三部作
「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「Ⅴ字回復の経営」
に惹かれた。
三枝さんは、プロ経営者としても結果を残された稀有な存在である。
ほかにもいろいろあるが、パッと思いついたのはこんなところ。
いい本との出会いが仕事を一層いいものにしてくれることがある。
皆さんにもいい出会いがありますように。
映画評 「空に住む」 と ミシマ社のこと [映画評]
海外でも評価の高い青山真治監督の新作。
本作で青山さんは脚本も務められている。
「空を住む」というタイトルにはいろいろな意味が込められていると思うが、
主人公が、叔父夫婦が用意してくれた都心の高層マンションに住んでいることにもよる。
主人公は小さな出版社で働いており、
ワインやらシャンパンやらを飲み、なにやらしゃれたものを食べている。
職場の同僚に訳ありの未婚の妊婦がいて、
同じマンションには有名スターも暮らしている。
都市生活である。
こうした設定を伝える前半はそれなりに面白いのだが、
後半はまさにグダグダ。
主人公に全く魅力を感じられず、
物語にスパイスを効かせるはずの未婚の妊婦の行動も完全に意味不明かつ共感不能。
主人公は猫を可愛がっているはずなのだが、
その描写も中途半端であり、感情移入するにはほど遠い。
金曜夕刊の日経映画評で星が4つついていたので、期待してしまったのも悪かった。
早く終わってほしいと願う映画に出会ってしまった。
主演は、女性人気も高い多部未華子さん。
多部さんらしい演技ではあったが、本作の主人公の魅力は私には伝わらなかった。
別に主人公が必ず魅力的でなければならないということもないのだろうが、
主人公に気持ちを入れられない作品を観続けるのはしんどい。
滅多に外れない女優さんなのだが。
職場の同僚に岸井ゆきのさん。
個人的にも注目している若手の演技派女優だが、本作では力を発揮しきれず。
会話シーンは楽しかったが、こちらも人物像に魅力がなく。
主人公と同じマンションに住むスター俳優役に岩田剛典さん。
あまり印象はない。
エンディングテーマを三代目 J SOUL BROTHERSが歌っているのだが、こちらもちっとも沁みてこない。
「空に住む」は、私にはまったくはまらなかった。
魅力がなく、悪意はある主要登場人物、
動物のへんてこな使い方。
人間ってそういうものだ、とは言えるけれど、映画でこれを見せられても。
以下は、映画とは離れた話。
主人公が務める出版社は、田舎にあって「いい本だけを作る」をモットーに少数精鋭で営まれている。
エンドクレジットに名前があったので、ミシマ社という出版社がモデルになっているのだろうか。
ミシマ社については、
「THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい『この一冊』」
という本を手に取って以来、ひそかに注目している。
ちなみに、ミシマ社のモットー的なものは以下のとおり。
1.出版活動を通じて、「世界を面白くする」ことに貢献する
2.読者の方々と「つながる」ことを何よりも大切にする
3.「明るく、面白い出版社」をめざした会社運営を心がける
TOKYO MXがミシマ社を取材したレポートがYouTubeにあったので参考に。
https://www.youtube.com/watch?v=x5EClE_W7CI
本作で青山さんは脚本も務められている。
「空を住む」というタイトルにはいろいろな意味が込められていると思うが、
主人公が、叔父夫婦が用意してくれた都心の高層マンションに住んでいることにもよる。
主人公は小さな出版社で働いており、
ワインやらシャンパンやらを飲み、なにやらしゃれたものを食べている。
職場の同僚に訳ありの未婚の妊婦がいて、
同じマンションには有名スターも暮らしている。
都市生活である。
こうした設定を伝える前半はそれなりに面白いのだが、
後半はまさにグダグダ。
主人公に全く魅力を感じられず、
物語にスパイスを効かせるはずの未婚の妊婦の行動も完全に意味不明かつ共感不能。
主人公は猫を可愛がっているはずなのだが、
その描写も中途半端であり、感情移入するにはほど遠い。
金曜夕刊の日経映画評で星が4つついていたので、期待してしまったのも悪かった。
早く終わってほしいと願う映画に出会ってしまった。
主演は、女性人気も高い多部未華子さん。
多部さんらしい演技ではあったが、本作の主人公の魅力は私には伝わらなかった。
別に主人公が必ず魅力的でなければならないということもないのだろうが、
主人公に気持ちを入れられない作品を観続けるのはしんどい。
滅多に外れない女優さんなのだが。
職場の同僚に岸井ゆきのさん。
個人的にも注目している若手の演技派女優だが、本作では力を発揮しきれず。
会話シーンは楽しかったが、こちらも人物像に魅力がなく。
主人公と同じマンションに住むスター俳優役に岩田剛典さん。
あまり印象はない。
エンディングテーマを三代目 J SOUL BROTHERSが歌っているのだが、こちらもちっとも沁みてこない。
「空に住む」は、私にはまったくはまらなかった。
魅力がなく、悪意はある主要登場人物、
動物のへんてこな使い方。
人間ってそういうものだ、とは言えるけれど、映画でこれを見せられても。
以下は、映画とは離れた話。
主人公が務める出版社は、田舎にあって「いい本だけを作る」をモットーに少数精鋭で営まれている。
エンドクレジットに名前があったので、ミシマ社という出版社がモデルになっているのだろうか。
ミシマ社については、
「THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい『この一冊』」
という本を手に取って以来、ひそかに注目している。
ちなみに、ミシマ社のモットー的なものは以下のとおり。
1.出版活動を通じて、「世界を面白くする」ことに貢献する
2.読者の方々と「つながる」ことを何よりも大切にする
3.「明るく、面白い出版社」をめざした会社運営を心がける
TOKYO MXがミシマ社を取材したレポートがYouTubeにあったので参考に。
https://www.youtube.com/watch?v=x5EClE_W7CI
魅力度ランキングをあまり深刻にとらえない方が・・・ [ヨモヤ]
毎年発表されるブランド総合研究所による「都道府県魅力度ランキング」。
例年、上位より下位が注目されがちなランキングだが、今年は特に波紋を広げている。
発表当初に話題を集めたのは、去年まで7年連続最下位だった茨城県。
今年は42位となり、8年ぶりに最下位を脱出したことが取り上げられた。
大井川知事は
「順位が上がったことは喜ばしいが、本県の魅力はもっと上位であっても良い」
と苦笑したとのことで、こちらはまあ、ほのぼのした感じのお話であった。
ただ、今年はなかなか収まらない。
ランクアップした茨城県より上位の40位に位置づけされた群馬県の山本知事が、
「ランキングは県の魅力を反映していない」
と批判し、
妥当性などを検証する「魅力度ランキング検証チーム」を庁内に設置したそうなのである。
こうなると、ちょっと穏やかではない。
もっと重大事になっている感じなのが栃木県。
初の最下位に沈んだことが知事選の争点に浮上しているというのである。
現職の福田知事は、調査を行っているブランド総合研究所に手法を改善するよう申し入れを行い、
攻める立場の田野辺氏は最下位を材料として、
「納豆にイチゴが(茨城に栃木が)負けるのはおかしい。知事の発信力の向上が必要」
訴えられたという。
当事者のお気持ちはよくわかるが、こうしたランキングものをあまり深刻にとらえ過ぎない方がいいように思う。
例えば45位が不満だとすると、少なくとも自分たちより上位の44位、43位の県よりましだと言っていることになる。
44位、43位の県としては面白くはないだろうし、
46位の県との比較も微妙になる。
言うまでもないことだが、栃木も群馬も茨城も素敵なところである。
ただ、関東地方は東京色が強いため、個性が出しにくいというハンデがある。
それだけのことだ。
ちなみに埼玉も38位である。
だから、本当なら笑い飛ばしてしまいたいところだ。
魅力を高める取り組みは必要だと思うけれど、
ランキングに目くじらを立てている姿は、あまり魅力的に映らないのだから。
例年、上位より下位が注目されがちなランキングだが、今年は特に波紋を広げている。
発表当初に話題を集めたのは、去年まで7年連続最下位だった茨城県。
今年は42位となり、8年ぶりに最下位を脱出したことが取り上げられた。
大井川知事は
「順位が上がったことは喜ばしいが、本県の魅力はもっと上位であっても良い」
と苦笑したとのことで、こちらはまあ、ほのぼのした感じのお話であった。
ただ、今年はなかなか収まらない。
ランクアップした茨城県より上位の40位に位置づけされた群馬県の山本知事が、
「ランキングは県の魅力を反映していない」
と批判し、
妥当性などを検証する「魅力度ランキング検証チーム」を庁内に設置したそうなのである。
こうなると、ちょっと穏やかではない。
もっと重大事になっている感じなのが栃木県。
初の最下位に沈んだことが知事選の争点に浮上しているというのである。
現職の福田知事は、調査を行っているブランド総合研究所に手法を改善するよう申し入れを行い、
攻める立場の田野辺氏は最下位を材料として、
「納豆にイチゴが(茨城に栃木が)負けるのはおかしい。知事の発信力の向上が必要」
訴えられたという。
当事者のお気持ちはよくわかるが、こうしたランキングものをあまり深刻にとらえ過ぎない方がいいように思う。
例えば45位が不満だとすると、少なくとも自分たちより上位の44位、43位の県よりましだと言っていることになる。
44位、43位の県としては面白くはないだろうし、
46位の県との比較も微妙になる。
言うまでもないことだが、栃木も群馬も茨城も素敵なところである。
ただ、関東地方は東京色が強いため、個性が出しにくいというハンデがある。
それだけのことだ。
ちなみに埼玉も38位である。
だから、本当なら笑い飛ばしてしまいたいところだ。
魅力を高める取り組みは必要だと思うけれど、
ランキングに目くじらを立てている姿は、あまり魅力的に映らないのだから。
書評 「月まで三キロ」 [読書記録]
職場の近くに図書館がある。
これは本当にありがたい。
もちろん、今まさに読みたい本が必ず置いてあるわけではない。
それでも、行くたびに何か出会いがある。
その図書館では、いつも何かの特集をやられている。
「漫画」とか「イタリア」とか特定のテーマを掲げ、その関連本を展示されているのである。
せっかくなので、行くたびにそのコーナーから少なくとも一冊は借りるようにしている。
そのコーナーがなければ会うことのなかった本と巡り合う。
最近の特集は「月」。
ちょっと学術的な本もあれば、
アポロの月面着陸はなかっただろう的な本もある。
私は綺麗な表紙に惹かれて
「月まで三キロ」という本を手に取った。
どんな内容かもわからないし、
著者の伊与原新さんのことも知らなかったが、
気軽に手に取れるところが図書館のいいところである。
「月まで三キロ」は、書下ろし短編集。
タイトルとなった作品を含め、6つの短編で構成されている。
そのどれもが、
優しく、
優し過ぎず、
おだやかで、
切ない。
風景が浮かび、余韻が残る作品集だった。
いいストーリーがあり、
いい登場人物がいて、
いい結末が用意されていた。
必ずしもハッピーエンドではないが、いい締めくくりの。
タイトル作以外、「月」とは関係なかったが、それはそれとして。
著者の伊与原新さんは、神戸大学理学部地球科学科卒、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、
専門は地球惑星物理学というバリバリ理系の方。
「月まで三キロ」でも、ところどころそうした専門知識が散りばめられていた。
しかし、押しつけがましくなく、知ったかぶりっぽくもなく、ほどよい感じで心地よかった。
どの作品も映画的で、光景が浮かんできた。
伊与原さんのことを知っている人からすれば、「何を今さら」と言うことだろう。
しかし、知らなかった私からすれば、素敵な出会いだった。
図書館が近くにあってよかった。
これは本当にありがたい。
もちろん、今まさに読みたい本が必ず置いてあるわけではない。
それでも、行くたびに何か出会いがある。
その図書館では、いつも何かの特集をやられている。
「漫画」とか「イタリア」とか特定のテーマを掲げ、その関連本を展示されているのである。
せっかくなので、行くたびにそのコーナーから少なくとも一冊は借りるようにしている。
そのコーナーがなければ会うことのなかった本と巡り合う。
最近の特集は「月」。
ちょっと学術的な本もあれば、
アポロの月面着陸はなかっただろう的な本もある。
私は綺麗な表紙に惹かれて
「月まで三キロ」という本を手に取った。
どんな内容かもわからないし、
著者の伊与原新さんのことも知らなかったが、
気軽に手に取れるところが図書館のいいところである。
「月まで三キロ」は、書下ろし短編集。
タイトルとなった作品を含め、6つの短編で構成されている。
そのどれもが、
優しく、
優し過ぎず、
おだやかで、
切ない。
風景が浮かび、余韻が残る作品集だった。
いいストーリーがあり、
いい登場人物がいて、
いい結末が用意されていた。
必ずしもハッピーエンドではないが、いい締めくくりの。
タイトル作以外、「月」とは関係なかったが、それはそれとして。
著者の伊与原新さんは、神戸大学理学部地球科学科卒、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、
専門は地球惑星物理学というバリバリ理系の方。
「月まで三キロ」でも、ところどころそうした専門知識が散りばめられていた。
しかし、押しつけがましくなく、知ったかぶりっぽくもなく、ほどよい感じで心地よかった。
どの作品も映画的で、光景が浮かんできた。
伊与原さんのことを知っている人からすれば、「何を今さら」と言うことだろう。
しかし、知らなかった私からすれば、素敵な出会いだった。
図書館が近くにあってよかった。
映画評 「みをつくし料理帖」 [映画評]
高田郁さんのベストセラー小説「みをつくし料理帖」シリーズを、角川春樹さんのメガホンで映画化。
角川春樹さんの監督ということで、「天と地と」的な大技になるのかと思ったら、
江戸の庶民の風景を描く、しっとりとした時代劇に仕上がっていた。
おそらく原作ファンとしては、やや不満が残る出来だろう。
じっくり書かれたエピソードをごちゃっと詰め込んだ感があり、
一つ一つにコクがない。
「いや、そこじっくり描いてよ」
と突っ込みたくなるシーンが多々あったと思う。
私のように原作未読の人間からしても、かなり唐突感のある展開が少なくなかった。
しかし、だからつまらなかったというと、そうでもない。
わかりやすい展開が次々に示されるので、楽しく時間を過ごせた。
出演者も楽しんでいるように見えた。
傑作、と呼ばれるような作品ではないが、こういうのもありだなあと感じた。
角川春樹さんは78歳。
8歳のお子さんがおられるという。
凄い人だ。
主演は松本穂香さん。
今年に入ってから、彼女が出演した映画を観るのはこれで5本目。
使いたくなる女優さんなのだろうか。
「君が世界のはじまり」が圧巻だった。
幼馴染役に奈緒さん。
幻の花魁、という難しい役どころをしっかり演じておられた。
窪塚洋介さんが、珍しくといってはなんだが、割とまともな役で出演。
セリフ回しがちょっと「ピンポン」のペコっぽかった。
そういえば、「ピンポン」でドラゴン役だった中村獅童さんも出ていた。
角川映画の黄金期を飾った
薬師丸ひろ子さん、渡辺典子さん、浅野温子さん、野村宏伸さん、榎木孝明さんらが出演されているのも楽しい。
「みをつくし料理帖」は、楽しい娯楽作品。
原作の力に負うところが大きそうだが、映画も楽しめる。
ツッコミどころも多いのだが、あまり深刻にとらえず、
おとぎ話を楽しむ感じで観るのがいいのだと思う。
角川春樹さんの監督ということで、「天と地と」的な大技になるのかと思ったら、
江戸の庶民の風景を描く、しっとりとした時代劇に仕上がっていた。
おそらく原作ファンとしては、やや不満が残る出来だろう。
じっくり書かれたエピソードをごちゃっと詰め込んだ感があり、
一つ一つにコクがない。
「いや、そこじっくり描いてよ」
と突っ込みたくなるシーンが多々あったと思う。
私のように原作未読の人間からしても、かなり唐突感のある展開が少なくなかった。
しかし、だからつまらなかったというと、そうでもない。
わかりやすい展開が次々に示されるので、楽しく時間を過ごせた。
出演者も楽しんでいるように見えた。
傑作、と呼ばれるような作品ではないが、こういうのもありだなあと感じた。
角川春樹さんは78歳。
8歳のお子さんがおられるという。
凄い人だ。
主演は松本穂香さん。
今年に入ってから、彼女が出演した映画を観るのはこれで5本目。
使いたくなる女優さんなのだろうか。
「君が世界のはじまり」が圧巻だった。
幼馴染役に奈緒さん。
幻の花魁、という難しい役どころをしっかり演じておられた。
窪塚洋介さんが、珍しくといってはなんだが、割とまともな役で出演。
セリフ回しがちょっと「ピンポン」のペコっぽかった。
そういえば、「ピンポン」でドラゴン役だった中村獅童さんも出ていた。
角川映画の黄金期を飾った
薬師丸ひろ子さん、渡辺典子さん、浅野温子さん、野村宏伸さん、榎木孝明さんらが出演されているのも楽しい。
「みをつくし料理帖」は、楽しい娯楽作品。
原作の力に負うところが大きそうだが、映画も楽しめる。
ツッコミどころも多いのだが、あまり深刻にとらえず、
おとぎ話を楽しむ感じで観るのがいいのだと思う。
「鬼滅の刃」で株式も学んでしまおう [経済を眺める楽しみ]
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」がとんでもないヒットになっている。
平日の初日での興収、
土日2日間での興収、
公開後3日間での興収、
いずれも新記録。
それもこれまでの記録をはるかに上回るとんでもない数字であった。
この記録破りの大ヒットが企業の株価にどのような影響を与えているか。
株式市場を見るのにいい材料になると思う。
鬼滅を配給しているのは東宝。
さてどう動いたか。
超ヒットの報を受け、月曜日は順調に上昇した。
先週金曜日の終値4,475円から月曜日の終値は4,675円。
200円の上昇となり、このことは一般ニュースにも取り上げられた。
月曜日以降も客の入りは順調で、メディアもガンガンあおった。
株価も勢いに乗って上昇かと思うと、
火曜日は155円安、
水曜日も75円安と続落、
結果、先週金曜日の水準も割り込んでしまった。
いわゆる「材料出尽くし」というやつであろうか。
土日の大ヒットと月曜日の株高を見て、
「えいやっ」と飛び乗った人は、現段階では高値つかみになっている。
そもそも東宝の株価は、鬼滅公開以前にかなり上昇していた。
8月の頭には3,100円くらいだったから、1,500円近く上がっていたことになる。
これは、「今日から俺は!!劇場版」などの予想以上の大ヒットにより業績の上方修正が見込まれたことに加え、
もちろん鬼滅期待が高かったからであろう。
つまり、先週の段階で、鬼滅のヒットは「織り込まれていた」ということになる。
では、今後の東宝の株価はどうなるだろう。
3,000円近辺で買った人たちとしては、すでにかなりの利が乗っているので、売りにかかってくるかもしれない。
一方、鬼滅のヒットは織り込まれていたといても、さすがに200億円級になるとは予想されていなかっただろうから、これから一段高になる可能性もある。
このあたりをどう読むかはそれぞれの判断となる。
東宝ではなく「鬼滅関連銘柄」を狙う手もある。
アニメを制作したユーフォーテーブルが上場していればここがど真ん中だが、残念ながら未上場。(それどころか有限会社)
市場では、「鬼滅の刃」の缶バッジなどを販売しているエディア(3935)、
キャラクターを商品化しているエスケイジャパン(7608)あたりが注目されている。
ただし、こちらもすでにかなり物色された後であることには注意したい。
「鬼滅の刃」レベルの社会現象を起こす映画は稀である。
これを機会に映画全体にも注目が集まるといいし、
ついでに株式投資にも関心が高まるといい。
経済に関心を持つ入口として、株式は絶好だと思うから。
平日の初日での興収、
土日2日間での興収、
公開後3日間での興収、
いずれも新記録。
それもこれまでの記録をはるかに上回るとんでもない数字であった。
この記録破りの大ヒットが企業の株価にどのような影響を与えているか。
株式市場を見るのにいい材料になると思う。
鬼滅を配給しているのは東宝。
さてどう動いたか。
超ヒットの報を受け、月曜日は順調に上昇した。
先週金曜日の終値4,475円から月曜日の終値は4,675円。
200円の上昇となり、このことは一般ニュースにも取り上げられた。
月曜日以降も客の入りは順調で、メディアもガンガンあおった。
株価も勢いに乗って上昇かと思うと、
火曜日は155円安、
水曜日も75円安と続落、
結果、先週金曜日の水準も割り込んでしまった。
いわゆる「材料出尽くし」というやつであろうか。
土日の大ヒットと月曜日の株高を見て、
「えいやっ」と飛び乗った人は、現段階では高値つかみになっている。
そもそも東宝の株価は、鬼滅公開以前にかなり上昇していた。
8月の頭には3,100円くらいだったから、1,500円近く上がっていたことになる。
これは、「今日から俺は!!劇場版」などの予想以上の大ヒットにより業績の上方修正が見込まれたことに加え、
もちろん鬼滅期待が高かったからであろう。
つまり、先週の段階で、鬼滅のヒットは「織り込まれていた」ということになる。
では、今後の東宝の株価はどうなるだろう。
3,000円近辺で買った人たちとしては、すでにかなりの利が乗っているので、売りにかかってくるかもしれない。
一方、鬼滅のヒットは織り込まれていたといても、さすがに200億円級になるとは予想されていなかっただろうから、これから一段高になる可能性もある。
このあたりをどう読むかはそれぞれの判断となる。
東宝ではなく「鬼滅関連銘柄」を狙う手もある。
アニメを制作したユーフォーテーブルが上場していればここがど真ん中だが、残念ながら未上場。(それどころか有限会社)
市場では、「鬼滅の刃」の缶バッジなどを販売しているエディア(3935)、
キャラクターを商品化しているエスケイジャパン(7608)あたりが注目されている。
ただし、こちらもすでにかなり物色された後であることには注意したい。
「鬼滅の刃」レベルの社会現象を起こす映画は稀である。
これを機会に映画全体にも注目が集まるといいし、
ついでに株式投資にも関心が高まるといい。
経済に関心を持つ入口として、株式は絶好だと思うから。