SSブログ

アーモンドアイ様 おみそれいたしました [ヨモヤ]

アーモンドアイのレースを初めてみたのは、2018年のシンザン記念だった。
シンザン記念は、明け3歳馬によって争われる重賞だが、1月早々ということもあり、通常牡馬の一線級は出走してこない。
ただし、ジェンティルドンナがそうだったように、牝馬がこのレースを勝つと、先がグッと開ける。
それほどの評判馬が出ていなかったので何の気なしに見ていたが、アーモンドアイの末脚にはびっくりさせられたことを覚えている。

それでも、3か月後の桜花賞では、まだ疑っていた。
前哨戦を使わなかったのが気になったし、ラッキーライラックの方に分があるように見えた。
しかし、これまた鮮やかな差し脚だった。

それでも、その次のオークスでもまだ疑っていた。
あれほど切れる末脚を使う馬に2400mが合っているとは思えなかったからだ。
しかし、ここも完勝。
この段階で、強さをは思い知った。

秋になり、秋華賞はもちろん楽勝。
それでも、ジャパンカップは簡単ではないと思った。
さすがに強さは認めていたが、シュヴァルグランやらスワーヴリチャードやらキセキやらサトノダイヤモンドやらといった歴戦の面々が立ちふさがるかと考えた。
結果、2分20秒6の世界レコードで圧勝。
やれやれ。

その後、世界に戦いの場を求めてドバイターフを優勝、
続く安田記念では致命的な不利を受けて久しぶりに敗れるも、
次の天皇賞では当然のようにぶっちぎり。

暗雲が垂れ込めたのは、2019年の有馬記念だった。
もともとは香港に遠征するはずが熱発で回避。
そのうえでのレースであり、しかもあまり向いていないように思える中山の2500。
それでも最強馬ならなんとかする、との見方に反して9着惨敗となった。

2020年の初戦は、前年に引き続きドバイで戦うはずが、コロナ禍により中止。
すでに現地に入っていただけに、疲れが心配されたが、
帰国後のヴィクトリアを圧勝。
次の安田記念には敗れたが、まあそういうこともある。
秋の天皇賞に勝利して、史上初の芝GⅠレース8冠を達成した。

それでも、引退レースとなったジャパンカップは楽ではないと思った。
中3週のローテーションも不安視されていたが、
それ以上に、やや衰えを感じていたからである。
なんといっても、
3歳のころからGⅠ級の厳しいレースばかりを走り(なんと12戦連続GⅠ)、
その都度すごいパフォーマンスを見せてきたのだから、
牝馬ということを考えても、疲れが出るはずだと思えた。
2020年に入ってからの安田記念や天皇賞のレースにやや陰りが見えた気もした。
しかも相手は、若さピチピチの無敗の三冠馬2頭。

しかし、アーモンドアイの強さは、常識をはるかに超えていた。
キセキが大逃げを打ち、底力が問われる厳しい展開を、
真っ向から勝ちに行って、後続を完封。
引退レースにして、過去最高級の強いレースにさえ見えた。

馬券的に、本命のあらを探したいタイプの私にとって、アーモンドアイは天敵だった。
だが、最後の最後まで主役を張り続け、私はやられ続けた。
とんでもない馬だった。
ほとほと。

今さらながら、アーモンドアイとそのスタッフの皆さんにお伝えしたい。
おみそれしました。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事