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それでも、国の実務を担うのは官僚の皆さん [ヨモヤ]

かつて、
「日本は政治は三流だが、官僚が一流だからもっている」
と言われた時代があった。
失礼ながら、今、そう信じている人はほとんどいないだろう。

それでも、官僚の皆さんが、
高い倫理観や事務処理能力を持っておられることは信じていたいところである。
そういう立場におられるのだし、
退職後のポストなどを含めた処遇を考えても、そう期待することに無理はないはずだ。

しかし、このところの姿はどうしたことか。

まず倫理観であるが、撲滅されたはずの過剰な接待が次々に明らかになった。
個人的に気になったのが、はじめに東北新社による接待が発覚した際に報道されていた、官僚によるとされる次の言葉である。
それは、
「首相の子息に誘われたんじゃ断りようがない」
といったものであった。
当事者意識の希薄さ、自分たちは悪くないという言い訳がうかがえ、美しくないと感じた。
その後、首相の子息に限らず、接待がかなりの回数なされていたことが暴露されたのは周知のとおりである。

事務処理能力については、法案の相次ぐミスの発覚で、こちらにも大きな疑問符が投げかけられている。
法律をつくる、というのが官僚の最も重要な腕の見せ所であり、
大きな労力をかけて積み上げていると聞かされてきた。
慎重にも慎重を期している、ということだったが、こうもボロボロとミスが見つかってしまうと、
一体どういうことなのかと思ってしまう。

さらに、厚生労働省職員による23人での宴会も発覚した。
大人数での会食を広く呼び掛けているなか、
それを無視し、
時短要請時間さえ守らないという、ちょっと信じがたい行動である。
こそこそやっていたわけでもないようだから、
なんとも思っていなかったのだろう。
ここでも当事者意識の決定的な希薄さに驚かされる。

また、NTTなどの件に続き、こちらもおそらく内部からのリークであろう。
宴会自体は止めずに、情報を漏らす。
暗澹たる気持ちになる。

政治主導が言われて久しい。
これまでのところ、ひずみばかりが目につくが、
民主主義である以上、その方向は間違っていないと思う。
しかし、実務を担うのは官僚である。
政策を動かすのは官僚である。

官僚の皆さんにとって、
「やっていられない」
と思うことは少なくないのかもしれないが、
この国の、今も未来も官僚の皆さんにかかっている。

頼みます。

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高梨沙羅さんの快挙をもっと称えたい [ヨモヤ]

日本人アスリートが、世界の舞台で一位になる。
これは、滅多にある話ではない。
瞬間風速的にトップに立ったというわけではなく、
積み上げた記録であればなおさらである。

ノルディックスキーのW杯ジャンプで、
高梨沙羅さんが歴代最多記録となる109度目の表彰台に立った。
男女を通じての記録の更新である。

それまでの記録を持っていたのは、フィンランドのヤンネ・アホネンさん。
日本では名前の語感の面白さで知られているが、ヨーロッパでは英雄的存在。
高梨さんはその記録を破り、男女通じて歴代一位に上りつめた。

もちろん、女子のジャンプは歴史がまだ浅く、
選手層も男子ほど厚くない。
だから、単純に比較すべきものではない。
それでも、W杯という世界の大舞台で109回も表彰台に立ったということの価値は燦然と輝くものである。

海外メディアは、
「まだ24歳のタカナシは間違いなくスキージャンプ史で永遠に名を残すことになる」
「彼女の強さはまさに歴史的だ」
「サラ・タカナシの驚くべき偉業!」
など、称賛の声で伝えているらしい。

日本でも取り上げられているが、その扱いは十分ではないような気がする。
高梨さんは、
世界の、
歴代の、
一位になったのである。
もっと大きく取り上げて当然ではないだろうか。

日本のメディアからすると、もっと注目されているスポーツがたくさんあり、
スペースを割き切れないということなのだろう。
しかし、しっかり価値を伝えていくということもメディアの役割の一つだと思う。
私は野球ファンだが、
オープン戦での大谷の結果の方を大きく取り上げられているように見えるのは、いかがなものだろう。

さて、高梨さんがまだ獲得していないものといえば、
なんといってもオリンピックでの金メダルである。
冬のオリンピックは、もう来年に迫っている。
アホネンさんは、オリンピックでのメダルには縁がなかったが、高梨さんはどうだろう。
宿願が果たされることを祈りたい。

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書評 「公務員の新人・若手育成の心得」 [読書記録]

4月。
職場に新人がやってくる季節である。
役所でももちろん同様である。
新しい人生が始まる新人たちはもちろん、迎える同僚にとっても新鮮な日々が始まる。

新人が来れば、通常は誰かが指導役として付く。
そして、いわゆるOJT(On the Job Training)が始まる。
OJTとはなにかWikiに聞くと、
「職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動である。」
とされている。
意図的・計画的・継続的、ということがポイントだろう。
つまり、単に仕事をやらせて、足りないところを指摘しているだけでは、OJTとは言えない。

成り行きに任せていても、伸びる人間はいる。
ひょっとしたら、成り行き任せが功を奏する可能性もなくはない。
しかし、それはあくまでもたまたまである。
人を育てる、ということは非常に重要な任務であり、たまたまに任せていいはずがない。

そこで、本書「公務員の新人・若手育成の心得」の出番となる。
帯の言葉を借りれば、この本は、新人・若手を、
『どのように育成するのか、
 なぜそのように育成するのか』
ということに正面から向き合う本である。
それほど厚い本ではないのだが、実に読みごたえがある。
育成を担うことになった職員に参考になることはもちろん、
その職員の上司にも、
さらに育成される立場の新人にとっても参考になる内容が満載である。

著者の堤直規さんは、小金井市に務められている現役の地方公務員。
新人の育成に真正面から向き合って来られた方だからこその経験に裏打ちされた内容になっている。
これまでにも「公務員1年目の教科書」「公務員『異動』の教科書」などの著作があり、
文章の巧みさに定評のある方だが、本書ではそれに熱が加わっている感がある。

4月から3月まで、それぞれの時期にするべきこと、
初級編、中級編、応用編とレベルを経る中で考えるべきこと、
が整理されているので、いつ、誰が開いても参考になる。
また、具体的にするべきことと、
こういう思いで向き合うべきという、
実務と気持ちの問題もしっかりカバーされている。

深掘りしたいときの参考書籍が、流れの中で紹介されているのも有難い。
著者がこうした数多くの書籍を読まれ、それを血肉にされ、実践されているのだと思うと、
人材育成に関する深い洞察の源が見えてくる。

どんな人材を採用するかは人事部門に帰するところが大きいが、
入庁した人間をいかに育てていくかは、個々の現場にかかっている。
そして、その意味や役割は、ますます大きくなっている。
本書には、
これから人材育成に関わる人にも、
人材育成に迷っている人にも、
さらなる充実を目指している人にも、
もっと成長したいと思っている人にも、
刺さる内容がふんだんに盛り込まれている。

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映画評 「まともじゃないのは君も一緒」 [映画評]

成田凌さんが出ている映画には、いわゆる「ハズレ」がないような気がする。
「愛がなんだ」以降は、
「さよならくちびる」もよかったし、
「糸」にも泣かされた。
「窮鼠はチーズの夢を見る」はちと微妙な感もあったが、成田くんの芝居は素晴らしかった。

共演は清原果耶さん。
清原さんも「ちはやふる」をはじめ、いろいろないい映画に出演され、女優としての地位をしっかり確立されている。
この二人が絡むのなら、楽しくならないはずはないと期待できる。

多くの映画が、小説や漫画が原作だが、本作はオリジナルストーリー。
頭も顔もいいが、ちょっと普通じゃない成田さん演じる男性予備校教師と、
彼を普通の男に導こうとする清原さん演じる女子高生の話。
二人の掛け合いが絶妙で、にやにやしながら観ることができた。
大きな展開があるわけではなく、
途中にあるエピソードはありがちなものであり、
オチも多くの人が想像するとおりではあったが、
それでいいと思わせてもらえる映画だった。

高校生カップルを演じる山谷花純さんと倉悠貴さんの二人がよかった。
普通じゃない二人との対比が愉快。

監督は前田弘二さん。
作品を観るのははじめてだが、次回作が楽しみになった。

「まともじゃないのは君も一緒」は、にやにや観られる楽しい映画。
成田凌さんと清原果耶さんの会話は、いつまでも観ていられる感じだった。

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これからも「モーニングサテライト」を見続ける [ヨモヤ]

私の朝は、テレビ東京系「ニュースモーニングサテライト」で始まる。
20年以上変わらない習慣である。

「ニュースモーニングサテライト」、略して「モーサテ」は平日の朝に放送されている経済情報番組。
日本経済新聞社との連携により、経済・市況関連情報が充実している。
私は、番組開始当初からずっと見ている。
初期のモーサテは、ニューヨークスタジオのキャスターだった矢吹藍子さんを中心とした番組だった。
矢吹さんは英語を駆使して、現地のエコノミストやビジネスマンにグイグイ切り込んでいった。
その姿は、刺激的でエキサイティングだった。

矢吹さん降板後は、ニューヨークからの情報もふんだんに伝えつつ、
基本は東京からの情報が中心の番組になった。
矢吹さん無しではニューヨーク中心での番組構成は難しいから、これは仕方がない。
そういえば、「モヤさま」でブレイクしていた大江麻理子さんがニューヨークキャスターになった時期もあった。

4月は番組改編の時期だが、モーサテもキャスターが変更になる。
佐々木明子さん、秋元玲奈さんのお二人から、
相内優香さん、塩田真弓さんのお二人に。
寂しい思いも楽しみな思いもあるが、どちらにしてもモーサテへの信頼は変わらない。
もう何十年も毎朝見ているから、私の一部はモーサテでできていると言っていいくらいだ。

1998年の放送開始から2017年の3月までは、
朝の6時45分までに放送が終了していたので、
それから私の出勤時間までの約30分、見る番組が無くて困った。
NHKを含め、他の朝の番組は、まったく見る気がしない。
モーサテと比べると、
情報量が少な過ぎるし、現実に向き合う気持ちも薄過ぎるからである。
もちろん、堅くなり過ぎないように、わざと柔らかく作っておられるのだろう。
じゃんけんやら占いやらをふんだんに入れて。
そうした番組を好まれる方が多いから、そうした番組を作られるのだろう。
わからなくはないが、私は見る気がしない。
きっと、他の番組がどうこうではなく、モーサテが素晴らし過ぎるのだ。

これからもずっとモーサテを見続ける。
そして、きっと毎日感心し続ける。
「いや、ほんとにいい番組だなあ」と。

佐々木明子さん、秋元玲奈さん、お疲れさまでした。
素晴らしい朝を、ありがとうございました。
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批判されたら取り下げでいいのかしら 報道ステーションCM炎上で思う [ヨモヤ]

はじめに断っておくと、私は「報道ステーション」なる番組を全く見ない。
そうした番組があることは承知しているが、誰がキャスターなのかも知らない。
ニュースを見たいならNHKの9時のニュースを見る。
「報ステ」を見たい欲求は全くわかない。

という身からしても、
報ステが制作したCM動画が炎上し、削除し、陳謝に発展した件については、
いろいろな意味で首を傾げてしまう。

CMの中身はこんな感じである(いくつかのパターンがあるようだが、概ねは同じ)

若い女性がアップで映り、友人と話している感じで以下のようなことをしゃべる。
「リモートに慣れちゃってたら、久々に会社行ったら変な感じしちゃった。
会社の先輩、産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって。
どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかってスローガン的にかかげてる時点で、何それ、時代遅れって感じ。
化粧水買っちゃったの。もうすっごいいいやつ。
それにしても消費税高くなったよね。
国の借金って減ってないよね?
9時54分!ちょっとニュース見ていい?」
そして、最後の言葉にかぶせて、
「こいつ報ステみてるな」
との文字が写され、報道ステーションの番組ロゴが表示される。

最初見て、
「へ?どこがいかんのか?」
と思った。
繰り返すが、私は報ステ寄りの人間では全くない。

ネットでの批判は、
「女性蔑視があふれている」
「どこまで女性をばかにすれば気が済むのか」
「若者や女性を無知枠に当てはめている」
「『こいつ』って何様?」
といった感じである。
ううむ、そう感じてしまうのか。

ジェンダーについて話しているところについては、特に評判が悪い。
これが右側からの批判であればポジションによる批判とも取れそうだが、
福島瑞穂議員や蓮舫議員から強い非難の声が上がっている。

ただ、福島議員は、
「ジェンダー平等は時代遅れというCMを作る感覚が理解できない」
とおっしゃっているようだが、これはCMの意図を誤解しておられるように思える。
蓮舫議員も
「この程度のジェンダー認識でCMを作られたのか、との想いです」
とおっしゃっているそうだが、どういう意味なのかよくわからない。

この報道ステーションのCMは、特に尖がってもいない。
作り手も、踏み込んだ作品を仕上げたつもりなどなかっただろう。
普通に見れば、ジェンダー平等について時代遅れとかどうでもいいと思っているわけではないとわかるはずだ。

どんなものを作っても、いろいろな解釈はあり得る。
また世の中には、失礼ながら、読解力に若干の難がある方もおられる。
だから、批判の声が出たからと言って、条件反射的に取り下げてしまうのはいかがなものなのだろう。
作ったものへの責任を持っていれば、
伝えたいことへの思いやプライドがあれば、
引っ込めるだけで済ませずにしっかり伝えようとすべきではないだろうか。

批判されたら、炎上したら、謝って下げてしまう。
こんな具合では、本音の議論などできなくなってしまう。
結果として、芯にあるものには近づけなくなってしまう。
いいことは何もないと思う。

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開幕直前パ・リーグ順位予想 ~野球がある幸せ~ [ヨモヤ]

いよいよ明日から、プロ野球の2021年シーズンが始まる。
開催に向けて否定的な意見が少なくないオリンピックと対照的に、
プロ野球は多くの人が開幕を待ち望んでいる。
贔屓の選手やチームの活躍に一喜一憂する日々は、生活に潤いをもたらしてくれる。
素晴らしいシーズンになることを期待したい。

スポーツの楽しさの一つに、「予想する楽しみ」というのがあると思う。
そういう楽しみがあるのなら、乗っていこう。
個人的にセ・リーグのことはあまり知らないので、パ・リーグの予想をしてみたい。

2020年シーズンの順位は以下のとおりである。
1位 ソフトバンク
2位 ロッテ
3位 西武
4位 楽天
5位 日本ハム
6位 オリックス
下位のチームから、下克上の可能性を探ってみたい。

オリックス。
何年も何年も低迷しているチーム。
しかし、福良監督、西村監督と大変失礼ながら暗そうなお二方の時代が終わったので、
今年は心機一転期待したい。
打線は心配だが、日本を代表するピッチャーである山本に加え、
山岡、田嶋の三人はなかなか強力。
2年目の宮城がブレイクすれば楽しみもある。
ただ、優勝争いできるかというと・・・。

日本ハム。
栗山政権が長くなり、勤続疲労を起こしている感がある。
西川が残ったのは朗報だが、エースの有原が抜けた穴は大きい。
清宮の一本立ちも見られそうもなく。
厳しい予想がされたときに、逆に勝ってきた歴史があるが、
今年はしんどい戦いになりそうである。

楽天。
誰が見ても優勝候補。
田中、涌井、岸、則本、早川と並ぶ先発陣は、額面通り働けば12球団一。
抑えも松井が回り、投げる方は駒が揃った。
石井監督の手腕は未知数だが、震災後10年の節目に突っ走る可能性はある。

西武。
これといった補強がなく、現有戦力の底上げで戦う。
去年は、山川も、森も、中村も、外崎もみんな不調という特殊な年だったが、
それでも3位だから、力はある。
ブルペンが充実してきたのも朗報だが、先発投手陣は今年も心もとない。

ロッテ。
昨年は、井口監督のもと、終盤までソフトバンクを苦しめた。
藤原、安田といった若手が伸びており、楽しみが多いチームである。
ただ、種市、西野といった柱になれる投手が離脱しているのが残念なところ。
序盤に波に乗れるかどうかが鍵になりそうだ。

ソフトバンク。
この7年間で6回日本一になっている絶対王者。
V9時代の巨人、広岡・森時代の西武などと比べてもそん色のない歴史に残る最強チーム。
特に投手陣の層の厚さには恐れ入るものがある。
若手との新陳代謝も進み、チーム内で競争があるのも強さの秘訣。
今年も絶対の優勝候補。

といった分析を踏まえて、私の予想は以下のとおりである。
1位 楽天
2位 ソフトバンク
3位 西武
4位 オリックス
5位 ロッテ
6位 日本ハム

1位については、今年楽天を挙げないでいつ挙げる、という感じだろうか。
マー君へのご祝儀も含めて。
ソフトバンクはブルペンが強いので短期決戦には絶対の強みを持っているが、先発陣はそれほどずば抜けてもいない。
西武は、山川、森の二人がおととしくらい打てるのなら、さらに上位の可能性もある。
オリックスは、宮城の躍進と山本で10個くらいの貯金が欲しい。
ロッテは、若手の活躍次第で昨年の再来もあり得る。
日本ハムにはプラスの要素があまり見当たらないが、予想は往々にして外れるものである。

さあ、プロ野球が始まる。
野球がある国に生まれて、本当に幸せだ。

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コロナ禍でも企業の採用意欲は心配していたほど衰えず [経済を眺める楽しみ]

厚生労働省と文部科学省がまとめた、2月1日現在の今春卒業見込みの大学生の就職内定率は、
89.5%となり、前年同時期を2.8ポイント下回った。
これをとらえて、
10年ぶりの減少、
コロナ禍で採用の厳しさが増している、
といった報道もある。
しかし、今年度の採用が厳しくなることは以前からわかっていたことであり、
覚悟していたレベルと比べると落ち込みはそこまでではないと言っていいのではないか。
2010年前後は80%を下回ることもあったことを思えば、水準としてもそれほどひどいものではない。
さらに、前年との差は日を追うごとに縮まっており、
「企業は新型コロナによる採用活動の遅れを取り戻しつつある」
との声もある。

ちなみに内定率の内訳を見ると、
性別では、男子が88.1%、女子が91.2%、
学部別では、理系が92.1%、文系が88.9%。
危機時に理系が強いというのはかねてからの傾向である。

追って日本経済新聞に、2022年春入社の新卒採用計画調査の結果も公表された。
これによると、大卒採用は4.4%の増が見込まれているという。
リーマンショック時には数年間下がり続けたから、
その当時と比べるとこちらも明るい知らせである。
働き手の減少を見据えて、企業が人材確保に走っているようだ。

雇用はすべての基本であり、仕事がなければ生活の基盤が作れない。
雇用が崩れると、経済は危機的状況に陥る。
年功序列、終身雇用、新卒一括採用といった慣習がいまだに残っている日本ではなおさらである。
報道を見ると、少なくとも新卒採用については、再び氷河期を迎えるということはなさそうだ。

全体的にはやれやれでも、個々に見ると、
航空会社への就職を目指していた人など、人生設計自体が大きく変わってしまった方もおられるだろう。
お気の毒としか言いようがないが、入った会社で自分なりに咲くという手もある。
就職はゴールでもなんでもないのだから。

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映画評 「すくってごらん」 [映画評]

金魚すくいを題材にしたコミックの実写化。
片田舎に左遷された銀行員が、町の人々との出会いを通して前を向いていく、という展開は、
正直なところありがち。
観る前に興味深いと思っていたのは、これがミュージカルである点。
半沢直樹で印象的な演技をされていた尾上松也さんが、心の声を大音量で歌いまくる。

ミュージカルだから当然だが、何かと言うと歌い出す。
尾上さんは、なかなか印象的な声で、コミカルな歌詞を歌い上げる。
「なんで歌うの?」
というのがミュージカルにお馴染みのツッコミだが、本作はもともとコメディなので、違和感があることもマイナスにならない。
ラストが異様なほどさっぱりしていたのもよかった。

とはいえ、映画全体として「すごくよかった」とまで言えるかというと、そこまでは。
もっとドラマチックに見せてもらわないと、感情移入にまでは至らない。
また、ワーワーやっている割には、筋立ては平板。
コメディであり、あまりややこしくする必要はないが、
ストーリーにもうひとひねりあれば、奥行きが出たのだが。

ヒロインは、ももいろクローバーZの百田夏菜子さん。
共演に、柿澤勇人さん、石田ニコルさんなど。
みなさん、それなり、という感じ。

「すくってごらん」は、リラックスして観られるコメディミュージカル。
楽しく時間を過ごすことができる。
同じ小品でも
「カメラを止めるな!」や
「Bの戦場」
といった作品のような突き抜けた感動はないが、
そこまで期待しなければ、これはこれで。

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海外からの観客受け入れ断念 だからこそ見せたい日本のこころ [ヨモヤ]

東京オリンピック・パラリンピックをめぐる政府、東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会の5者協議が行われ、
海外在住の一般観客の受け入れ断念で最終合意したとの報道がなされた。
新型コロナウイルスの感染収束が見通せないことから、自由な入国を保証するのは難しいと判断したものである。

小池知事は
「安全安心を最優先することで、大会を成功させる流れを確実にしていきたい。やむを得ない判断だ」
と述べられ、
IOCのバッハ会長は
「我々はこのパンデミック(世界的大流行)が起きた当初から、犠牲が必要になると言ってきた」
とコメントされたという。

平和の祭典であるオリンピックの良さは、世界中から人が集まり、
肩をたたき合い、酒を酌み交わし合い、笑い合うことにある。
海外の一般客を受け入れないとなると、オリンピックの持つ良さの大きな部分が失われる。
経済的なダメージもさることながら、意義の一部が失われるのは本当に残念である。

しかし、だからこそ日本のこころを示したい。
選手たちを温かく迎え、
多くの選手にとって人生の集大成となる場面をしっかり盛り上げたい。
特殊なオリンピック・パラリンピックになってしまうが、
あってよかったとアスリートたちに思ってもらえるような大会にしたい。

コロナの収束はいまだ見通せず、
本当にオリンピック・パラリンピックが開催されるかどうかも不透明な状況にある。
開催すべきではない、という意見が多いのが現状である。
ただ、もし開催されることになったら、そのときはしっかり迎えたい。
しっかり運営したい。
反対されている方にとって開催は不本意かもしれないが、、
開催が決まった後、何か不都合なことがあるたびに、
「だから言わんこっちゃない」といった冷笑的な態度は見たくない。
そこから生まれるものがあるとは思えない。

海外からの観客のいない大会を盛り上げ、成功に導くというのは、とんでもないチャレンジである。
2021年にオリンピック・パラリンピックを開催する日本にしかできないチャレンジである。
こころをひとつにして成し遂げたい。

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