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日本は後進国になったか なったとしたら何故か [ヨモヤ]

日本経済新聞の中ほどのページ、マーケット総合面に、
「大機小機」
というコラムがある。
なんでも連載開始は大正9年、1920年だという。
匿名の執筆陣による辛口のコラムで、私も毎日目を通している。

4月9日付のコラムは
「いつの間に後進国になったか」
というタイトルで、日本が様々な分野で遅れてしまっていることについての慨嘆が述べられている。
具体的には、
・ワクチンは開発国でも生産拠点でもなく、接種率は世界で100番目
・デジタル後進国も鮮明で、半導体でも振るわない
・原発事故を経験しながら環境後進国
・世界120位のジェンダー後進国
・ウイグルやミャンマーへの対応で見える人権後進国
・財政規律のゆるい財政後進国
と、これでもかと悪いところを言い募る。

朝から暗い話を読むのは嬉しくはないが、事実を受け止める必要はある。
「ちょっと一面的かな」
と思う点はあるが、遅れているところは取り戻していきたいものである。

しかし、後進国に転落した背景の分析には、首を傾げてしまう。
コラムの筆者は、その原因は、
『政治・行政の劣化がある』
というのである。
そして、
『責任も取らず、構想力も欠く』
『問われるのは、日本のガバナンス(統治)である』
という。

そうだろうか。
ワクチンの開発をするのは政治ではなく民間の力であり、
デジタルを進めるのも、環境技術を開発するのも政府ではない。
ジェンダーが課題だとしたら、それは一人一人の問題であろう。
これらすべてを政治・行政の責任にするのはどうなのだろう。
そもそも、指摘するまでもないことだが、政治を選んでいるのは我々である。

自国の後進性を散々あげつらい、
その原因を、政治をはじめとした他者に求める。
この姿勢こそが後進性の元凶であり、拍車をかける要因でもあるように思うのだがどうだろう。

いやひょっとして、歴史ある「大機小機」のことだから、
そう考えさせるためにあえて偽悪的に書いたのではないか、などと勘繰ったりもして。
(んなこたあないだろうけれど)

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