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景気拡大が7割 社長さんの読みが当たりますように [経済を眺める楽しみ]

12月30日付け日本経済新聞の1面に、
「景気『拡大』7割に急増」
という見出しが掲げられていた。
社長100人アンケートによる結果であり、
拡大派が3割だった9月時点から大きく増えたのだという。

懸念されるのはやはりコロナの感染拡大。
日本は感染者がじりじりと増え始めているとはいっても1日数百人というレベルだが、
アメリカでは1日50万人、
フランスでも1日20万人、
といった、ちょっと驚くような数字が報告されている。
世界の新規感染者数は過去最多レベルに達していて、
ワクチン接種が始まる前の数値さえも上回ってしまっている。

社長アンケートではこうしたオミクロン株の影響は不透明としながら、
それをある程度織り込みつつ、国内景気は回復に向かうと見ている。
多少願望めいたものも含まれているかもしれないが、
このアンケートは定期的に行われていて、常に強気の結果が出るというわけでもないから、
国内景気の先行きが明るさを増しているのは確かなのだろう。

2021年、
コロナ禍にもかかわらず、アメリカは力強い経済成長を遂げた。
もちろん中国も強く、
ヨーロッパも順調に回復した。
日本は取り残された感じもあったが、来年それを取り返せるのだろうか。

ここまでの岸田政権の政策を見ると、
少なくとも市場に対してフレンドリーではないようだ。
大規模な経済対策は経済にプラスになることが見込まれるが、
大きな乗数効果が期待できるものは少ないように感じられる。
企業とすれば経済政策への期待はすでにほとんどないのかも知れない。

来年は、ウィズコロナ、ポストコロナが本格的に始まる年になるだろう。
社会的にも経済的にもいい一年になりますように。

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便利はいい? それとも、不便は便利よりいい? [ヨモヤ]

『三宅裕司のいかすバンド天国』で14代目イカ天キングとなった「たま」は、
グランドキングの称号がかかった5週目、
グラムロックの雄、マルコシアスバンプという最強のライバルを迎えた。
「たま」が披露したのは「まちあわせ」という歌。
なんだか人を食ったような、ほわんとした曲だった。
夜中の2時15分のまちあわせになってしまい、
不便で不便で不便で不便で仕方がないのだが、
不便の方が便利より大分いい、
と歌う。

「たま」の思いとはうらはらに、世の中は便利を追い求めてきた。
その最たるものがコンビニエンスストア、直訳すれば便利店。
コンビニとまでは行かなくても、スーパーやデパートも営業時間を伸ばし、どんどん便利になってきた。
閉店時間はより遅く、
休みもより少なく、
という感じである。
それは一消費者とすれば大変ありがたいことだが、そこで働く方の身になれば実に大変なことであろう。

しかし、ここに来て便利便利の流れが変わりつつあるようだ。
コンビニの営業時間を見直す動きが生まれてきているし、
正月三が日を休業とする店も増えているというのだ。
スーパーで言えば、
イオンや西友は正月三が日休まないとのことだが、
イトーヨーカドーは3割ほどの店で元旦を閉めるそうだし、
サミット、いなげや、ライフでは三が日をお休みとするらしい。

正月はかなり売り上げが立つようで、会社としては店を開けたい気持ちもあるだろう。
しかし、従業員のことを考えると閉めるという選択肢に傾いたということだと思う。

便利がいいし、便利を追い求めることを止めることはできない。
しかし、便利によるしわ寄せが強過ぎるとしたら、
便利による無理が大き過ぎるとしたら、
それは見直した方がいい。
私たちは、我慢だってできるのだから。
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映画評 「私はいったい、何と闘っているのか」 [映画評]

本作は、つぶやきシローさんの小説を映画化したもの。
スーパーに勤めるさえないおやじの、職場と家庭での奮闘を描く。

基本、コメディなのだが、残念ながら笑えるシーンはほとんどない。
ただ、劇場で笑っておられる方も皆無ではなかったので、はまる方も一定数はおられるようだ。

お仕事映画かと思いきや、家庭状況もなにやら複雑。
ほのぼのムードとはずいぶん違う展開に、ちと驚かされる。
しかし、その設定があった方がよかったのかというとどうなのだろう。
泣かせるシーンなどもあり、飽きさせない面はあったが、
設定は無茶苦茶。
焦点もぼけ放題になった。

職場の描き方も、残念至極。
妙な人は単に妙なだけだし、
手のひらを返したような態度をする人たちばかりで、
心が温かくなる要素がなかった。
現実はそういうものだと言えばそういうものだが、
そういうものだと訴えたい映画でもなさそうだし。
笑えないうえに、ほのぼのもしないというのだから、
演出の意図がつかめない。

主演は安田顕さん。
今作は内面を独り言で語る演出がされていて、演技のよさが活かされなかった。
奥さん役の小池栄子さんは、演技派女優の地位を固めている。

「私はいったい、何と闘っているのか」は、あちらこちら迷走してしまった作品。
多くの観客が、「私はいったい、何を観せられているのか」と自問することだろう。
観る者にそんなことを思わせてはいけません。

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GDPを気にしつつ縛られ過ぎず [経済を眺める楽しみ]

内閣府が発表した2020年度の国民経済計算年次推計によると、
1人当たり名目GDPは40,048ドルとなり、
経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中19位だったとのことである。
38カ国中19位だから世界で真ん中くらいかと言えばそうではなく、
OECDは先進国クラブと言われることがあるように経済的に豊かな国の集まりなので、
ここで19位ということは世界全体で見ればかなり上位ということになる。

ちなみに18位はイギリスで、20位はフランス。
この位置であまり悲観するのは、
この両国にも他の国々にも失礼ということになるかもしれない。

もちろん、だからそれでいいということにはならない。
日本の問題は、世界の中での地位を年々下げていることにある。
人口減少に加え、潜在成長力も下がり続けていて、
このままでいくと、アジアの盟主的な存在からも転がり落ちそうである。

GDPが経済力を測る基礎的な指標となっている以上、そこに注目が集まるのは当然だろう。
そこから目をそらしてはいけないし、そこを目標にする必要もあると思う。
なぜGDPが伸びないのか、
GDPを伸ばすためにはどうしたらいいのか、
官民一体で考えていくべきだろう。
しっかり責任を持つ立場の人間も必要だと思う。

一方、GDPが低いからといって、
それがイコール「遅れている国」「ダメな国」ということにはならない。
平和で、治安がよくて、健やかに暮らせるとしたら、
GDPの国際順位にそこまでこだわる必要もない。
実際、GDPは低くても多くの人が幸せに暮らしている、という国もあるだろう。

ランキングとして示されると、どうしても順位が気になる。
日本のようにかつて上位にいた時期があったりすると、なおさらである。
順位が下がると、大喜びで?悲観論を開陳される方がおられるが、それもなんだか違う気がする。
真正面から経済成長に向き合いつつ、
個々の数字にあまり縛られ過ぎず、
将来を見据えた正しい道を歩む道しるべとしたい。
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映画評 「偶然と想像」 [映画評]

本作は、今や世界で注目を集める存在となっている濱口竜介監督の作品。
前作「ドライブ・マイ・カー」は、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したほか、ロサンゼルス映画批評家協会作品賞など、世界中の映画賞で高い評価を受けている。
「偶然と想像」も、ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞した。

この映画は、短編オムニバス作品。
「偶然」と「想像」という共通のテーマを持つ、異なる3編の物語から構成されている。
3作とも登場人物は少なく、場面転換もさほどない。
映画の中心は主要登場人物による会話である。
1本目はテンポのある激しい会話、
2本目は演劇のようなゆっくりとしたセリフ調の会話、
3本目はドラマがかった会話。
ストーリーというより会話の面白さでつないでいく作品で、私はたっぷり楽しめた。

じっくり観るタイプの映画であり、アクション映画が好きな人からすればかったるくて仕方がないかもしれないが、会話劇には別のタイプの緊張感がある。
なんだかひりひりするものが伝わってきた。

一本目のタイトルは『魔法(よりもっと不確か)』。
男女の愛と憎しみをぶつけ合うやり取りは怖くも可笑しくもある。
出演は、古川琴⾳さん、⽞理さん、中島歩さん。
古川さんの女優さんらしい一面がうかがえた。
中島さんは二枚目俳優として地域を築きつつあるようだ。

二本目のタイトルは『扉は開けたままで』。
小説を読み上げるシーンがあるのだが、これがなかなかの文章。
監督の才能のほとばしりを感じさせられる。
出演は、渋川清彦さん、甲斐翔真さん、森郁⽉さん。
大学教授を誘惑する主婦を演じる森さんがよかった。

三本目のタイトルは、『もう⼀度』。
勘違いから始まる二人の女性の身の上話。
しかし本当に勘違いなのか、観ている方は混乱させられる。
出演は、占部房⼦さん、河井⻘葉さん。
二人の息のあったやり取りはずっと観ていられる感じだった。

「偶然と想像」は、今が旬の作り手のきらめきにあふれた作品。
頭でっかちな感じが苦手な方もおられるかもしれないが、
ややこしく考えずに観て、十分に楽しめると思う。
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紙の本が売れるのはうれしい [ヨモヤ]

出版業界は、長い長い下り坂にある。
ピークだった1996年から、ズルズルと売り上げを減らし続け、いまだ光明は見えてこない。
電子書籍は伸びを見せているが、
「紙の本」の苦境は続いている。

人口が減り、
特に若者が減り、
ネットが広がり、
スマホが広がり、
そうした状況がさらに加速していく、
というなかでは、これからも茨の道だろう。

出版科学研究所の調査によれば、2021年の紙の出版物(書籍と雑誌の合計)の推定販売金額は、
前年比約1%減の1兆2100億円台となるとのことである。
下落傾向に歯止めがかかっていないことがわかるが、
書籍については約2%増と15年ぶりにプラスに転じる見込みだという。
「巣ごもり需要」などにより、
児童書、学習参考書、語学・資格関連などが好調だったという。

紙の出版物全体では下がっているので、手放しで喜ぶには到底至らないが、
書籍だけでもプラスになったのはいいニュースである。
やはり紙の書籍でないと伝わらないものがある。

本が売れても、本屋さんの苦境は解消されないだろうが、
本が売れなければ、なおさら厳しくなるのは明らかである。

本が売れないと、街から本屋さんがなくなる。
本屋さんがなくなると、寂しい街になる。

ブラっと本屋さんに入り、書棚を眺めるだけでも楽しい。
ふと買った本で人生が変わることすらある。

本をあまり読まない人も大勢おられるだろう。
もちろん、個人の選択だが、本を読まないなんてもったいないなあ、とは思う。
思い切り大きなお世話だろうが、もったいないなあ、と思う。

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映画の観方はそれぞれ ~私は『BECK』が大好きだった~ [ヨモヤ]

監督作品50作目にして自主映画を撮られた堤幸彦さんのインタビューがネットに掲載されていた。
堤さんといえば、ドラマに映画にと大活躍されているイメージだが、
インタビューでは弱気な発言を連発されている。
映画の前景気を煽る意味もあり、サービストーク的なニュアンスもあるとは思うが、もちろん本音も入っているだろう。
それはこんな感じである。

「映画は50本目ですけど、はっきり言って僕は素人です。演出を学んだこともなければ、学生時代に映画を撮ったり、演劇をやったりした経験もありません」
「他の優れた日本映画なんかを見るたびに、『自分のやり方にはどこか大きな間違いがあるのでは』と心のどこかでずっと感じていました」
「ネットの評判や点数なんかを見てしまうと、どうしてもね…。そんなことをいちいち気にするなんて、情けないでしょう?」
「僕としては観客の気持ちに応える作品を素直に作っていたつもりが、多くの人にとっては全然そうではなかったんですね」
「ラジオ番組の映画評なんかでも、ずっとボコボコにされてきましたから」

とまあ、ふにゃふにゃである。
さらに、こんな発言を。

「特に酷評されたのは、『BECK』かな。僕はロックバンドの経験もあるので、自分をロック側の人間だと思っていたのに、『ロックじゃない』と評されたのがものすごくショックで」
「『ロックの描き方が記号的で魂がない』とか『この映画のどこに14、15歳でギターを始めた頃のお前の気持ちがあるんだ』と言われたら…すみません。実際その通りだったかもしれない」
「自分をオワコンだと感じるようになったのは、その辺りからです」

ふうむ。
確かに、『BECK』については辛辣な評価が多かったように記憶している。
特に原作ファンは手厳しかった。
しかし、私はこの映画が大好きである。

私はかなり気に入った映画でもリピーターとなることはないのだが、『BECK』は繰り返し観た。
そして、4回にわたって『BECK』に関するブログを書いた。
他の映画で、こんなに繰り返し書いた記憶はない。

映画は観る人によって様々だなあと改めて感じた。
そして、厳しい評価を受けることによって、作り手は大きなショックを受けるということも今さらながら再認識した。
ただし、いいものはしっかり評価し、称える一方で、
つまらないものはつまらない、ダメなものはダメときちんと言うことが日本映画のために意味があることだとも信じている。

「映画大好きポンポさん」で、ポンポさんは、
「自分の直感を信じないで何を頼りに映画を撮りゃいいのよ」
とおっしゃる。
映画を観る側も、
「自分の直感を信じないで何を頼りに映画を楽しみゃいいのよ」
となるだろう。
作り手への敬意は忘れないようにしつつ。

※当時のブログはこちら
映画評 「BECK」
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2010-09-04-3
また「BECK」
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2010-09-06-1
またまた「BECK」
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2010-09-06-2
またまたまた「BECK」 ~コユキの歌声~
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2010-09-08-1
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映画評 「由宇子の天秤」 [映画評]

天秤(てんびん)とは、量りたい物体と、錘とを右左にかけてつりあわせることによって、物体の質量を測定する器具のこと。
「天秤にかける」とか「両天秤」といった慣用句に使われている。

主人公の由宇子は、ドキュメンタリーディレクター。
妥協のない取材姿勢で真実に迫り、ことなかれの番組スタッフと真正面からぶつかることもある。
ごまかしを許さない生き方を貫いている女性である。
しかし、そんな由宇子の身に隠したいことが起きたとき、彼女はどうするか。
今まで貫いてきた真っすぐな道か、
現状の暮らしを守ることを優先するその場しのぎか。
それまでの自分の生き方をゆるがす選択に迫られ、
由宇子は天秤にかけることになる。

ちょっと盛り込み過ぎで、集約しきれていない面はある。
急展開がいくつかあるのだが、どれも、「へ?」と思えてしまう強引さ。
だが、そうした粗を飲み込める力がこの映画にはある。

最初から最後まで緊張感のある展開が続く。
152分という長尺で、ポンポさんにはしかられそうだが、間延び感はない。
詰め込み過ぎ感はあるものの。

主演は、瀧内公美さん。
女優さんらしい女優さんで、存在感が光る。
闇を抱える女子高生役の河合優実さんにも惹かれた。
松浦祐也さん、和田光沙さんは、衝撃作「岬の兄妹」のコンビ。
他の俳優さんたちも、失礼ながら知名度はそれほど高くないが、演技はさえていた。

監督は春本雄二郎さん。
これが長編2作目。
次作以降が大いに注目される。

「由宇子の天秤」は、作り手の思いがこもった力作。
製作費がそれほどなくても、
有名な役者さんが出演していなくても、
映画に真摯に向き合えばいい作品を生み出すことができるという好事例。
いい作品を作れば、評価してくれる人たちもきっといる。

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「日本人が好きな映画」とやら [ヨモヤ]

「行説のできる相談所」という番組が、
「日本人が好きな映画100!」というランキングを発表した。
フィルマークスをはじめとした各種映画サイトのランキングを集計して算出したものらしい。
失礼ながら、「行列のできる相談所」という番組はこれまで一度も観たことがなく、
いつやっているのかも全く知らないが、映画のランキングとなるとやはり気になる。
上位30位はこんな感じであった。

1位 ショーシャンクの空に
2位 バック・トゥ・ザ・フューチャー
3位 ダークナイト
4位 レオン
5位 インセプション
6位 ゴッドファーザー
7位 ライフ・イズ・ビューティフル
8位 天空の城ラピュタ
9位 ニュー・シネマ・パラダイス
10位 ターミネーター2
11位 最強のふたり
12位 パルプ・フィクション
13位 フォレスト・ガンプ/一期一会
14位 インターステラー
15位 プラダを着た悪魔
16位 スタンド・バイ・ミー
17位 バタフライ・エフェクト
18位 タイタニック
19位 トイ・ストーリー3
20位 きっと、うまくいく
21位 レ・ミゼラブル
22位 マトリックス
23位 アベンジャーズ/エンドゲーム
24位 時計じかけのオレンジ
25位 スティング
26位 シザーハンズ
27位 風の谷のナウシカ
28位 もののけ姫
29位 グラン・トリノ
30位 ボヘミアン・ラプソディ

「ショーシャンクの空に」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は世代を超えて安定の強さ。
何度見ても面白い。
ベスト5に「ダークナイト」「インセプション」とクリストファー・ノーラン監督作品が2本も入っているのが目を引く。

そのほか、
「宮崎作品の最上位は、ラピュタなんだ」
「ニュー・シネマ・パラダイスの次がT2っていうのがなんだか笑える」
「パルプ・フィクションが12位!」
「黒沢作品がないのはどういうことだ!」
「新海作品も、細田作品もない!」
などいろいろ感じるが、こうしたランキングは、マジに突っ込むよりは「へえ」と眺めればそれでいいと思う。

上位に日本映画が少ないのが残念だが、これからここに入ってくるような作品が生まれることを願う。
日本映画界の明日は光り輝いているとは思わないが、悲観一色というのでもない。
特に女性監督が次々に佳作を送り出している。
映画史に残るような傑作との出会いを楽しみに、これからも映画館に通おう。

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2021年 年度代表馬はどの馬? [ヨモヤ]

2021年も大詰め。
中央競馬のGⅠレースは、有馬記念とホープフルステークスを残すのみとなった。

この時期になると、どの馬が年度代表馬になるのかが気になり始める。
去年は、アーモンドアイがGⅠを3勝していたうえに、ジャパンカップで3冠馬のコントレイルを下していたので、
有馬記念の前にほぼ決着はついていた。
その前の年は、有馬記念を勝ったリスグラシューがそのまま年度代表馬になった。
今年はどうか。

年度代表馬になる以上、少なくともGⅠを2つ以上勝っておきたいところだが、
ここまで、JRAのGⅠを2勝以上している馬は、
エフフォーリア(皐月賞、秋の天皇賞)
グランアレグリア(ヴィクトリアマイル、マイルチャンピオンシップ)
の2頭だけ。
この2頭は秋の天皇賞で直接対決していて、エフフォーリアが勝っているので、両馬の白黒はついている。

海外GⅠまで目を広げると、
ラブズオンリーユーがクイーンエリザベス2世カップ、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ、香港カップと3勝している。
しかも、ブリーダーズカップを勝つのは日本馬として初の快挙でもあったのでインパクトが強い。
ここまでの段階では、ラブズオンリーユーが筆頭候補で、エフフォーリアが続いていると見るのが妥当であろう。

ただし、エフフォーリアが有馬記念も勝ってGⅠ3勝とすれば話は変わってくる。
皐月賞と秋の天皇賞はいずれも2000mだが、2500mの有馬記念も勝つとなると、堂々の王者君臨となる。
この場合、同じGⅠ3勝でもエフフォーリアに分があるという見方もできそうだ。

宝塚記念を勝っているクロノジェネシスが有馬記念も制した場合、どうなるだろう。
ここまでクロノジェネシスは、グランプリレースを3連覇している。
これは牝馬では初、牡馬を含めても、スピードシンボリ、グラスワンダーに次ぐ3頭目という快挙。
もし今度の有馬記念を勝つようなら、史上初の4連覇ということになる。
この場合、エフフォーリアに勝つことにもなるし、印象も強烈である。

どの馬が年度代表馬になろうと、そんなことはどうでもよくて、とにかく馬券が当たればいい、という方も少なくないだろう。
その気持ちはよくわかる。
しかし、馬券を握りしめつつ、年度代表馬も気にする、という楽しみ方もある。

年末の大一番は、もう目の前。

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