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日本でももっと尊厳死の議論を [ヨモヤ]

コロンビアの病院で重い病気に苦しむ男性が安楽死した、とのニュースが届いた。
同国では安楽死は事実上合法であるらしいが、
昨年7月に「末期の病状」以外でも安楽死を認めて以降、
こうした事例としては初のケースになったのだという。
男性は、脳血管障害や肺疾患、糖尿病などを患い、人工呼吸器を付けていたが病状は末期ではなかったそうだ。
自分の意志で死を選んだだけに、家族に対しても、
「さよならは言わない。また会おう」
と、しっかりとメッセージを残されている。

コロンビアが特殊なのではない。
安楽死が認められている国は少なくない。
例えばヨーロッパでは、スイス・オランダ・スペインなどが、
アメリカでも一部の州が認めていて、
オーストラリアの一部の州やニュージーランドでも合法化されている。

一方、日本では新年早々いたましいニュースが報じられた。
重度の糖尿病を患っていた86歳の妻を、看護していた86歳の夫が絞殺したというのである。
逮捕された夫は、
「妻がかわいそうで楽にしてあげたかった」
という趣旨の供述をしているという。

現行の法律においてはこうした行為が許されるはずはないし、
妻の意向がどうだったのかも知りようもないが、
もし安楽死、若しくは尊厳死のルールがあったらどうだっただろう。
もっと人間らしい別の道があったかもしれない。

尊厳死を法制化するためには、
本人の意思をどのように確認するのか、
どのような場合にそれを認めるのか、
などなど、様々な難しい課題がある。
死生観にかかわるテーマなので、非常に重い政策決定になる。
しかし、尊厳死の制度があれば救われる家庭も少なくないのではないだろうか。

死ぬ時期を自ら選択するのは、それほど荒唐無稽な話ではないと思う。
医学が発達し、長生きがリスクととらえられるようになっている現代、
尊厳死の制度化にきちんと向き合う時期ではないだろうか。

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