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スシロー100円終了はインフレ開始の象徴となるか [経済を眺める楽しみ]

回転ずしの「スシロー」が、
にぎりずしなどの一部メニューについて10月1日から値上げするとホームページで発表した。
これについては、
「スシロー1皿100円終了」
として報じられ、話題となっている。

スシローには、郊外型・都市型などいくつかの店舗のパターンがあるが、
そのうち郊外型では、創業以来38年間、最も安い皿は1皿税抜き100円で提供してきたという。
今回、はじめてそれが崩れることになる。

日本では、
「デフレ」という定義に当てはまるかどうかはさておき、
長く物価が上がらない状況が続いてきた。
安さを追求する業態に人気が集まり、
またそれが維持できる経済環境だった。

回転ずしと100円ショップは、デフレ社会をわかりやすく示してきたと言えるが、
スシローの100円皿からの離脱は、
大きな流れが変わり始めた象徴となるかもしれない。

このところ、日本が「安過ぎる」と言われることが多い。
安いことは消費者としてはありがたいが、
企業としてはしんどいし、国力が下がっていることを示している面もある。
ひたすら安さを追求する時代から、
適正な価格をしっかり付けられる時代に変わるとしたら、
それはそれで悪いことではない。

もちろん、それには賃金が上昇することが前提にある。
賃金が上がるためには、企業がしっかりと利益を上げていなければならない。
ロシアによるウクライナ侵攻による影響や、
原材料高、資源高が進み、
アメリカや中国の景気減速も伝えられるなか、
企業が利益を上げ続けられるのか、不透明と言わざるを得ない。
デフレで鍛えられた日本企業の底力が、こういう局面で活かされればいいのだが。

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