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映画評 「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」 [映画評]

「ぼけますから、よろしくお願いします。」の続編。
前作は未見だが、20万人以上を動員し、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなったという。
テレビディレクターの信友直子さんが、自身のご両親の日常を撮られた作品で、
80代後半で認知症になられた母と、95歳で家事と介護を担う父の姿を映された。
「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」は、その後のご両親の姿を収めたものである。

ドキュメンタリーであり、信友家の家庭環境が赤裸々に描かれる。
しっかり者だった母が、アルツハイマー型認知症の兆候が出て、日々衰えてていく様子、
家事をまったくやってこなかった95歳を過ぎた父が、家の用事をこなしつつ、
懸命に妻の看病を行う姿が映される。

そこまで映さなくても、
というシーンも少なくないのだが、
ドキュメンタリー作家としては、自分の家族であるだけになおさら包みたくなかったのだろう。

お年寄りがお年寄りを介護する。
できていたことがどんどんできなくなる。
死に方を選ばなければならなくなる。
身につまされる方も少なくないだろう。
自分の家族に置き換えて鑑賞する人も多いと思う。

ただ、そういう観方をする作品ではないとわかっていてあえてなのだが、
映画的な興奮、感動は得られなかった。
お父さんすごいなあ、とは思ったけれど。

「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~」は、
認知症が進んだお年寄りのいる家族の日常を赤裸々に映したドキュメンタリー。
よくも悪くもそういう映画である。

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