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一部の政治家の方の日銀への姿勢がわかりにくい [ヨモヤ]

世界中で物価が上がっている。
日本の5月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、
去年の同じ月を2.1%上回った。
ちなみに、同じ時期において、
ユーロ圏の消費者物価指数は前年同月比で8.1%上昇、
アメリカの消費者物価指数は8.6%上昇、
と欧米に比べると上昇幅は小さい。

この状況を見て、
日銀の政策に不満の声を上げる政治家の方が増えている。
物価上昇は日銀の責任、
無策にもほどがある、
金融緩和を見直せ、
というのである。

ふむ。

ほんの少し前まで、
いつまで経っても物価上昇率が2%に行かないのは日銀の責任、
金融緩和に効果はない、
と、おっしゃっておられたような。

安倍元総理が
「1千兆円ある政府の借金の半分は、日銀が買っている。日銀は政府の子会社であり、満期が来たら借り換えても構わない。だから心配する必要はない」
と講演で話された際には、
政治家の方から、
「日銀の独立性を侵すもの」
との批判の声が上がった。

しかし、今回の参議院選挙における議論を眺めていると、
金融緩和を見直させる、
としている方も見受けられる。

あれ?
日銀の金融政策を強制的に変えさせるのかしら。
日銀は独立しているべきじゃなかったかしら。

日銀について、どのような考え方をお持ちでも、
それはそれぞれの政治家の方の見識というものであろう。
だから、「あれ?」と思うことはあっても、それはそれで受け止められる。
しかし、その場その場の状況で、あっち行ったりこっち行ったりでは、
どんな見識なのかわからなくなって来る。
そうなると「あれ?」ではなく、残念である。

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映画評 「ラストサマーウォーズ」 [映画評]

埼玉県入間市を舞台とした作品。
同市出身の宮岡太郎さんが監督を務め、入間市長も出演。
茶畑などの風景も随所に織り込まれており、「ご当地映画」として仕上がっている。
近隣にお住いの方は映画の撮影場所について、
「あそこだ、あそこだ」と盛り上がれるのではないだろうか。
クラウドファンディングで資金を集めた経緯も含め、
手作り感に満ちた映画である。

一般的な商業映画とはちょっと違った成り立ちなので、
観る側もそのあたりは少し勘定に入れておいた方がいいかもしれない。
エキストラ的に出演している子供たちの演技などは、
ちとゆるいものがある。

本作のストーリーは、
「入間市に住む小学六年生が、最後の夏休みの記念に映画を撮る」
というもの。
映画など作ったことのない子どもたちの悪戦苦闘と、それを見守る大人たちを描いている。

映画を作る映画、というのはこれまでにもいろいろ作られていて、
私はこの系統に弱い。
実に弱い。
去年評判を取った「映画大好きポンポさん」もそう。
「カメラを止めるな!」もこの流れだし、
実写版の「ビューティフルドリーマー」もそう。
そうそう「桐島、部活やめるってよ」もそう。
ほら、大好きな映画ばかりになる。

この映画を観る前、「大丈夫かな」とやや心配だった。
地域PR的な映画は、内輪受けはするものの、作品としては今一つ、
ということが少なくないからだ。
しかし、本作は娯楽作品としてちゃんと楽しめた。
それは素晴らしいことだと思う。
80分という尺も、この映画にはぴったりはまっていた。

子どもたちによる映画がすんなりできてしまっては盛り上がらないので、
途中、障壁が立ち塞がる。
障壁が必要なのはわかるが、そこがちょっと無理筋過ぎて残念だった。
もう一工夫あれば、より心に残る作品になっただろう。

子役の面々はみな好演。
元気にわかりやすく映画を盛り上げた。
もちろん、そのように観ることができるのは監督の手腕だろう。

「ラストサマーウォーズ」は、楽しく観ることができる埼玉県入間市のご当地映画。
コミカルに描きつつ、映画を作る喜び、苦しさも伝わってくる。
入間市のご当地映画を入間市の映画館で先行上映で観る。
これもまた、よき哉。

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確かに届いている「ハケンアニメ!」 [映画評]

映画「ハケンアニメ!」に心揺さぶられた。
その面白さを伝えたいと感想をブログに書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2022-06-07

しかし、興行が振るわず、「爆死」とまで報じられた。
もっと多くの人に伝わるようにと願いを込めてブログに書いた。
https://matoko.blog.ss-blog.jp/2022-06-10-1

とはいえ、
少ない館数で公開された映画がじわじわ動員を伸ばす、
という話は聞いたことがあっても、
メジャー作品でそれなりの館数で公開してコケた映画がその後盛り返す、
という話は聞いたことがない。
だから、映画の中でも語られているように、
「いつか思い出してくれればいい」
「誰かの胸に刺さってくれればいい」
と願った。
今すぐは伝わらないかもしれないけれど、いつか届けばいい。

しかし、幸せなことに、その「いつか」が早めに訪れているのかもしれない。

「ハケンアニメ!」の行く末が心配で、こそこそ劇場の状況を見ていたのだが、
満席になる劇場が増えていることに気づいていた。
もちろん、観られる劇場が限られているという事情はある。
それにしても、不入りで劇場数を縮小した作品が、
公開後数週間経って今度は満席になる、
というのは非常に稀有な出来事だと思う。

このことについては、
MOVIE WALKER PRESSが、
“苦戦から一転、満席続出中!『ハケンアニメ!』は「観客が宣伝マンになっている状態」”
という記事にしてくれている。
https://moviewalker.jp/news/article/1090470/
読むと、劇場の熱気が伝わってくる。

よかった。
「ハケンアニメ!」は面白いことはもちろんだが、
作り手の渾身の思いがこもった映画であると感じた。
監督も演者も、精魂を込めて作り上げられたのだと思う。
そんな映画がしっかり評価してもらえるのは嬉しい。
よかった。

まだご覧になっておられない方はぜひ。
元気が湧いてきます。

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嬉しい寂しい 最後の「LOVE LOVE あいしてる」 [ヨモヤ]

「LOVE LOVE あいしてる」という番組が好きだった。
タイトルだけ聞くとラブコメのようだが、れっきとした音楽番組。
フジテレビ系列で1996年から2001年にかけて放送されていた

KinKi Kidsと吉田拓郎さんの司会で、
毎週ゲストを迎え、トークと音楽で大いに楽しませてくれた。
ゲストが選ぶ「ラブラブな歌」とそのエピソードがなんだか沁みた。
(木村拓哉さんの回とか本当によかった)
そして、番組が成熟していくにつれて、
KinKiの二人も音楽的に成長していく様子が素敵だった。
篠原ともえさんがゲストの楽屋を訪問する「プリプリプリティ」のコーナーも愉快だった。

演奏はLOVE LOVE ALL STARSの面々。
武部聡志さん、吉田建さん、野村義男さん、坂崎幸之助さんといった名うてのミュージシャンがバックを務めていた。
大人な感じが実にカッコよかった。

報道によると、吉田拓郎さんが一線から退く意向を示されているという。
そして最後のテレビとして
『LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』
に出演されるという。

また「LOVE LOVE」が観られるという喜び、
これで番組も拓郎さんも最後という寂しさ。
ないまぜになるけれど、最後に出てくださるのはやはり嬉しい。

LOVE LOVEらしく、
はちゃめちゃで、
ハッピーで、
愛に満ちた番組にしていただきたい。
テレビのよさを思い知りたい。

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映画評 「メタモルフォーゼの縁側」 [映画評]

芦田愛菜さんと宮本信子さんという二人の女優さんによる、
年の差60歳の芸達者共演を楽しむ映画。
原作は「このマンガがすごい!2019」オンナ編第1位を受賞するなど評価が高い鶴谷香央理さんのコミック。
17歳の女子高生と夫に先立たれた75歳の女性が、ボーイズラブ漫画を通じて交流を深めていく、というお話。

終始肩の力を抜いてほんわり見られる映画。
無理やりな展開の連続だが、映画として成立させるためにはご愛敬。
最後までほっこりとしたまま映画は終了した。

ただ、ほっこりを超えた感動があったかというと、そこまでは。
登場人物たちの何をしたいのかよくわからない行動の数々、
え、どうしてそんなシーン必要なの、という場面の数々、
まるで回収されない伏線らしきもの、
などで、印象は散漫。

みんながうまいうまいという芦田愛菜さん。
うん、まあ、うまいのだと思うけれど、この映画ではちょっとやり過ぎな面も。
そういう演出なのだろうけれど。
宮本信子さんの演技に今さらどうのもないが、
こちらもちょっとやり過ぎな面が。
そういう演出なのだろうけれど。

芦田愛菜さんの幼馴染役としてなにわ男子の高橋恭平くんが出演。
高橋くんの演技がどうというより、役として不要だった気がする。
二人が憧れる漫画家役として古川琴音さん。
こちらも、ちょっともったいない使われ方。

メタモルフォーゼとは、変化、変身といった意味。
もっと鮮やかな変身が観たかったというのが本音のところだった。

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映画評 「PLAN75」 [映画評]

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門、カメラドール(新人監督賞)スペシャルメンション(特別表彰)受賞作。
75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障・支援する制度、「プラン75」が施行された近未来社会を描く。

高齢者が制度的に減らされる社会を描くというのは、
正直なところそれほど斬新な発想ではない。
多くの人が思いつく設定と言っていいと思うし、
似たような小説、映画も少なからず作られてきた。
しかし本作は、それを悲惨にではなく、
ある意味淡々と描くことでリアリティを持って伝えている。
ディストピア、という言葉があるが、そういうダークな雰囲気はなく、
今の社会の延長線上にあるように描かれる。

悪だくみによる制度というのではなく、
映画の中の政府はよかれと思って作ったものであり、
一定以上の支持を集めながら、
生身の人間がそれぞれの暮らしの中で受け止めて、
その制度を回していこうとする。
悪が描かれないだけに、なおさら迫ってくるものがある。
市井の人たちの受け止め方、
そのシステムの中で働いている人たちの姿なども、
とてもよくできている。

だけに、後半の崩壊が残念。
それまで、社会のシステムのようなものもしっかり描いていたのに、
終わりの方になるとセキュリティも何もないことになってしまっている。
それぞれの人の行動も、どうにも突飛で不可解。
私はすっかり醒めてしまった。

主人公の老人役を倍賞千恵子さんが好演。
引き込まれた。
磯村勇斗さん、河合優実さんらが共演。
河合さんは、
「佐々木、イン、マイマイン」「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」「ちょっと思い出しただけ」「愛なのに」「女子高生に殺されたい」
と佳作への出演が相次ぐ絶好調ぶり。

「PLAN75」を興味深く観るコツは、カンヌでの評価を真に受けて期待し過ぎないこと。
傑作と思って観に行くと、「あれ?」となる。
後半が、返す返すも残念。

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ラケット素振りトレーニング実施中 [60歳が近づく腰痛持ち 遠投77mプロジェクト]

東京オリンピックの開催に合わせて、去年勝手に取り組んだ
「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。
50mまでは順調に伸びたのだが、その先に大きな壁があり未達成。
それでも、きちんとトレーニングをすればなんとかなるのではないかという甘い考えを持ち、
今年に持ち越した。
しかし、お約束のように春先に激しい腰痛。
今は回復しているが、恐る恐るの感は否めない。

職場が変わったことも、想定外と言えば想定外。
昼休みにやっていたキャッチボールができなくなってしまった。
とはいえ、腰痛時にはどちらにしてもキャッチボールはできなかった。
ボールを取るために、かがんだりもできなかったから。

代わりに始めたのが、
テニスラケットでの素振りトレーニング。
これなら一人でできるし、
肩を大きく使う練習になるし、
ボールを取るために腰を曲げる必要もない。
どれだけ効果があるのか不明だが、今年はこれで行こうと思う。

そう言えば、今や球界No.1投手との呼び声高いオリックスの山本は、
トレーニングにジャベリックスローを取り入れているそうだ。
ジャベリックスローとは、ターボジャブと呼ばれる羽根付きの投擲物を投げる競技である。
さらに、ウエートは一切やらないのだという。

一緒にされては山本もいい迷惑だろうが、
ようはボールを投げ込むだけがトレーニングではない、
ウエートをやらなければ強い球は投げられないというわけではない、
ということである。

こわごわ投げて、今40mくらい。
まずは50mに到達したい。

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映画評 「わたし達はおとな」 [映画評]

この映画でよかったところは、終わってくれたこと。
途中から、早く終わってくれることを強く念じていた。
終わってくれてよかった。

監督の加藤拓也さんという方は、28歳の新鋭。
やりたかったことは、少しだけわかる。
しかし、映画という媒体でやるべきこととは思えない。
金を払って、
程度の低い痴話喧嘩を延々と聞かされる身にもなってほしい。
わざとなのだろうが、登場人物は一人残らず魅力がない。
そんな人たちを延々と見せられる身にもなってほしい。

意味不明のエピソードや放りっぱなしの設定も散見され、
気持ちが白々してくるのを止められなかった。

本作もそうだが、
この頃、時系列をあっち行ったりこっち行ったりさせる映画にしょっちゅう出くわす。
作り手は、カッコいいつもりなのだろうか。
技術を見せているつもりなのだろうか。
工夫しているつもりなのだろうか。
きちんとした仕掛けがあるのならいいが、
大抵は単にわかりにくくなっているだけなので、是非ともやめていただきたい。
こねくり回さず、物語を正々堂々伝えてほしい。

木竜麻生さんと藤原季節さんが共演。
お二人の演技はよかった。
何の魅力もない人物像をしっかり演じられていた。
山崎紘菜さん、片岡礼子さん、石田ひかりさんらも出演されている。
うわ、もったいない。

それでも人生は続いていく、的なラストシーンはピリリとしていてよかった。
終わってほっとしたのもあって。

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「では憲法を変えよう」とならないのは? [ヨモヤ]

同性同士の結婚を認めていない民法や戸籍法の規定が憲法に違反するかが争われた訴訟で、
大阪地裁は規定に憲法違反はないと判断した。

このニュースを伝える記事の多くは、
2021年の札幌地裁の判決と食い違っているように書いているが、
札幌地裁の判決でも
「同性間の婚姻を認める規定を設けていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定は、憲法24条1項及び2項には違反しない」
と判じていた。
ただし、
「同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、その限度で憲法14条1項に違反する」
としたのであって、
これを持って「同性婚を認めないのは違憲との判決」と解釈するのはやや飛躍しているように思う。

改めて、憲法24条は次のような内容である。

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

はっきり「両性」と謳っていて、さらに「夫婦」という表現もあるから、少なくとも憲法制定時に同性婚を想定していなかったのは確かだろう。

一方、24条の趣旨は婚姻が当事者の合意に基づくことを規定するものであって、
同性婚を禁止しているわけではない、という解釈もあるようだ。

ふむ。
そういう解釈もあるのか、とは思うがさすがにしっくりは来ない。
素直に憲法を変えればすっきりするのに、と思う。

もちろん、憲法を変えるとなると、時間も労力も非常に大きなものになる。
それはわかるのだが、
難しいから、大変だからあきらめる、
というのは、あまり似つかわしくない考え方に思える。
支援者も含めて、憲法を変えようという方向に向かわないのは、
なんだか不思議である。

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映画評 「東京2020オリンピック SIDE:A」 [映画評]

東京オリンピックの記録映画。
残念ながら、評判はすこぶる付きでよろしくない。
スポーツ全般が好きで、オリンピックも大好きな私はまずまず楽しく観たが、
「これじゃない・・・」
と思う人が大勢いるのも十分に理解できる。

すべての日本人メダリストや話題の選手を追うのは時間的制約もあって難しいだろうけれど、
体操も卓球も野球もあれもこれも、ほとんど触れられないのはさすがに。
だからといって、世界のスーパースターたちが躍動しているわけではもない。
そういうのはテレビに任せたのかもしれないけれど、
そういうのは最初からやる気はなかったのかもしれないけれど、
そういうのを撮らない記録映画っていうのもどんなものだろう。
2時間のうちの20分くらいでもいいので、そんなサービスカットもあってよかった。
世界記録の瞬間が収められているわけでも、
世紀の逆転が収められているわけでも、
団体競技の歓喜が収められているわけでもない。
開会式、閉会式もほぼほぼスルー。

というわけで、「なんじゃ、これ?」と思う人が多いこともよくわかるのだが、
個人的にはそれなりに観ることができた。
特徴的な背景を持つ何人かの選手に焦点を当てていて、
「へえ」と思いながら観た。

メガホンを取ったのは、河瀨直美監督。
世界的に評価の高い監督だが、今作では公開前にいろいろとミソを付けられた。
公開館も少なく、客席も寂しく、という状況で、
「映画も無観客?」などと揶揄されている。

河瀬監督とすれば、撮りたいものは撮れたのだろうか。
納得のいく仕上がりになったのだろうか。
客もいない、評価も低いという状況で、せめてそうならいいが。

しかし、50年に一度、というビッグイベントの公式記録映画が、
ごくひっそりと公開されている現状は寂しいと言わざるを得ない。
東京オリンピック。
もろもろうまくいかなかった。

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