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税収増を還元の「?」 [公会計]

岸田首相が、経済対策の方向性について説明するなかで、
「成長の成果である税収増等を国民に適切に還元する」
とおっしゃった。
どのようなことをすることを「還元」と表現されたのかはわからないが、
減税や給付金を連想された方も少なくないだろう。
一方、鈴木財務相は、税収増の還元について、
「十分な財源的な裏付けがあるとは思っていない」
と述べられた。

企業が利益を上げると、配当という形で投資家に還元される。
これは自然なことだし、投資家も当然にそれを望んでいる。
では国家財政についてはどうだろう。

もし国家財政において、
恒常的に歳入が歳出を上回り、余剰が積み上がっている状況であれば、
税を下げるという判断がなされるのが妥当だろう。
それを還元というかどうかはさておき。
では、日本の現状はどうか。
何十年間も歳出が歳入を上回り、借金が積み上がっているのは周知のとおりである。
この状況で還元というのは、言葉の趣旨からもピンと来ない。

また、税収が増えたら還元となると、
税収が減ったらどうするのかという話になる。
その分の増税を受け入れるのだろうか。

税収が増えることは望ましいことである。
しかし、現在の日本の財政状況で、
増えたからといって還元というのはちょっと筋が違う気がする。
どういう政策を実行することが「還元」なのか、はっきりはしていないけれど。

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