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映画評 「Cloud クラウド」 ~ 難解というより・・・ ~ [映画評]

国際的に評価の高い黒沢清監督による作品。
アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選ばれている。

黒沢作品については、
難解、
わけがわからない、
という意見が多く出る。
本作もまさにそのパターン。

一応、転売屋をやっている主人公がその場当たり的なやり方で恨まれて、
“狩りゲーム”の標的となる、
という大筋はあるのだが、
意味不明の展開や登場人物がわんさか出てきて、
これはどういうことか、
と真面目に考える気力をなくさせる。

単なるドンパチ映画、
と割り切ってしまえばいいのだろうが、
黒沢作品がそんなもののわけがなく、
ではどういうことなのか、
と考えてみようとはするのだが、
目の前のスクリーンで展開される奇想天外なシーンの数々に、
真面目に考える気力が萎える。

主人公に菅田将暉さん。
終始、感情をなくしたような表情をされていて、
それがこの映画のテーマと合っている。
共演の古川琴音さん、奥平大兼さん、岡山天音さん、荒川良々さんといった面々も好演されていると思う。
窪田正孝さんの役はイマイチわからなかったが。
しかし、俳優の皆さんがどんなに頑張っても、
ふぅ、どう思えばいいのだろう。

今年の日本映画は不作だが、この作品がアカデミー賞外国語映画賞の日本代表とはどうなのだろう。
なんだかもったいない。

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昔っからパのクライマックスは熱い [ヨモヤ]

パ・リーグのクライマックスシリーズ第3戦。
日本ハムがロッテを逆転で下し、ファーストステージを2勝1敗として、
ファイナルステージ進出を決めた。

劇的なサヨナラ勝ちとなった第2戦に続く熱戦。
ヒーローとなった清宮のほか、先発した北山も涙を流した。
まだファーストステージの段階だが、
そのくらい熱い試合だった。
日本ハムファンとしては、
最後を宮西が締めたのも胸熱ポイントだろう。

3試合連続で満員となったエスコンフィールドの雰囲気も最高。
熱く温かく、やさしく熱い。
あんな場所で試合ができる選手は幸せである。

今年に限らず、伝統的にパのクライマックスは熱い。
ロッテの下克上、
ソフトバンクの斉藤和巳が泣き崩れた一戦、
日本ハムのスレッジの逆転サヨナラ満塁ホームラン、
などなど、球史に残る激闘が刻まれてきた。

さて、セカンドステージはソフトバンク戦。
通常、ファーストステージを戦うチームはそこでエース級を投入するため、
セカンドステージの前半は不利な戦いを強いられる。
そこに1勝のアドバンテージもあるので、
優勝チームが圧倒的に有利な立場となる。

しかし今年の日本ハムは、最多勝を獲得した伊藤大海を温存してファーストステージを勝ち抜いた。
これで初戦を取れれば、流れが日本ハムに傾く可能性は少なくない。

何年か経って、
「ああ、あの年のソフトバンクと日本ハムのクライマックスね」
と思い出せるような激闘になりますように。

メジャーもいいが、日本のプロ野球も全然負けてない。
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お笑い系コンテストの審査員に心がけてほしいこと [ヨモヤ]

お笑い系のコンテストの審査員を務めるのは大変だと思う。
審査している側のセンスが問われている感があるし、
どう審査しても文句言われるし。
だから、ご苦労はよくわかるのだが、
それでも心がけてほしいことはある。

それは、ちゃんと点差をつけてもらいたい、ということである。
んなこと当たり前だろうと感じられると思うが、
それができていないことがある。
キングオブコントは2024が典型的にそうだった。

審査員は、100点を持っている。
つまり差を付けようと思えば、100段階の差を付けることができる。
これが10点なら差を付けるのは難しいだろうが、100点ならできるはずだ。
しかしキングオブコントの審査員が同点を出した数を見ると、
飯塚さんは95点が2人、93点が2人、92点が2人、
小峠さんは96点が3人、95点が2人、94人が2人、93点が2人、
秋山さんは95点が2人、94点が4人!、93点が2人、
山内さんは95点が3人、94点が2人、91点が3人、
じろうさんは96点が2人、95点が2人、94点が2人、92点が2人、
という感じだった。

もちろん、同じくらい面白い、ということはあるだろう。
しかし、一定の水準を超える組を選ぶ大会ではなく、
一番優れた組を一組だけ選ぶ大会である。
できる限り同点は避けるべきだろう。
これだけ同点が頻発してしまったのは一体どうしたことか。

必然的に出場者の差はつかず、
ファイナルに進んだ3組の点数合計は、
947点、946点、945点。
すごい接戦というより、
「なんじゃそりゃ」
という感じである。
ちゃんと差を付けられていない。
それはよくない。

もう一つお願いしたいのは、最初の項目と矛盾するようだが、
差を付け過ぎないでほしい、ということである。
誰か一人の点数で勝敗が決まってしまうようでは興醒めである。

キングオブコントでは、東京03の飯塚さんの点数が勝敗を左右したと物議を醸したようだが、
10組出場して最高点と最低点で7点差しか付けていないので、
実際にはそれほどでもない。

審査がちゃんとしていないと、
コンテスト出場者のネタに集中できなくなる。
もし12月にも松本さんがいないとすると、
M-1が心配である。

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キングオブコント2024 残念尻すぼみ [ヨモヤ]

第17回目となったキングオブコント。
ほぼ毎回面白いM-1と比べ面白くない年も少なくない。
今年はどちらか。

途中までは、ずっと楽しかった。
具体的に言うと、7番目のファイヤーサンダーまで。
その先は、ファイナルステージを含めて尻すぼみ。
尻上がりの逆なので、印象としては残念な感じとなってしまった。

トップバッターはロングコートダディ。
いつも面白い二人で今日も面白かった。
ただ、彼らの優勝はM-1であってほしい気がして、応援する気持ちに熱が入らず。

2番手はダンビラムーチョ。
キングオブコントってこんな感じだよね、というネタ。

3番手のシティホテル3号室は初めて見た。
設定が面白く、2人の演技も達者。
もう少し起伏があればというところだが、それは贅沢な望みか。

4番手のや団のネタが衝撃。
こんなのゴールデンでやっていいのか、という感じ。
フルスロットルで楽しめた。

5番手はコットン。
いろいろな意味で濃いや団の反動もあり、安心して笑えた。
客席のウケもよく、当然高得点と思いきやあにはからんや。
審査員との相性が合わなかったようだが、はて。

6番手のニッポンの社長は、やりたいようにやっているように見えるところが魅力か。
ナンボでも見ていられる感じだったが、もうひとひねりあれば。

7番手のファイヤーサンダーは、去年も面白かったが今年も負けず劣らず。
設定にも展開にも引き付けられる。
大爆笑ポイントがあればもっといいが。

ここまでずっと面白かったのだが、ここからが・・・。

8番手のcacaoは、動きで見せてはくれるのだが、平板なまま。
よく稽古したなあ、とは思ったけれど。

9番目の隣人は、なんだか惜しい。
もっと遠くに行けたネタだろうに、近いところをグルグルと。

ラストのラブレターズ。
2011年に出場した際の、西岡中学校のネタが面白かった。
今回は、正直ちっとも笑えなかったのだが、審査員の点数は伸びた。
コットンと点数が逆の方が、私としては納得感があった。

ファイナルステージ。
ロングコートダディとファイヤーサンダーは納得も、ラブレターズが今一つピンと来ず。
や団、コットン、シティホテル3号室の2本目を見てみたかった。

ファイナルは、3組とも今一つ。
一番笑えたのはロングコートダディだが、彼らが面白いのはもう十分知っているし。

優勝はラブレターズ。
昔から応援してきたコンビだし、祝福したいが、
今一つしっくり来ず。
この夜彼らが披露したネタ2本が、日本最高のコントと言えるかというと、どうだろう。

もや、
もやもや。

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なんて日だ! 朝から由伸、大谷VSダル、昼から朗希VS万波、清宮 [ヨモヤ]

2024年10月12日は、地球を上げての野球三昧。

日本時間で朝の9:08からは、MLBナショナルリーグディビジョンシリーズ第5戦。
ドジャース対パドレスの一戦で、
先発はドジャースが山本由伸、パドレスがダルビッシュ。
そしてもちろんドジャースには歴史的なシーズンを過ごした大谷がいる。

普段は和気あいあいとやっているように見えるメジャーリーグだが、
ポストシーズンになると雰囲気は一変。
選手もファンも殺気立ち、一触即発のムードになる。
ここまでに因縁も深まってきている感があり、
ただでは済みそうにない負けたら終わりの第5戦である。

日本人とすると、
由伸にもダルビッシュにも好投してもらって、
大谷にも打ってもらって、
というのが理想なのだが、そううまくは行かないだろう。
どちらかは先に進むので、まあ肩の力を抜いて楽しもう。

午後2時からは、NPBのクライマックシリーズ。
甲子園では、阪神対DeNA、
エスコンでは、日本ハム対ロッテ。

パ・リーグファンの私は、もちろんエスコンを注目。
北の大地の美しい球場で、いよいよクライマックスが見られる。

シーズン中、なんとなく出力を抑え気味に見える朗希。
しかし、この大一番では持てる力を出してくるはず。
清宮、万波、レイエスといった日本ハム打線との対戦は胸が躍る。

パのクライマックスシリーズは例年やたらと熱い試合になる。
今日も、記憶に残る試合を見せてほしい。

朝からこの星では、夢のような野球の試合が見られる。
今日は一体、なんて日だ!

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東北楽天のフロントはしっかり反省を [ヨモヤ]

今シーズンの東北楽天ゴールデンイーグルスは、
67勝72敗(4分け)、リーグ4位でシーズンを終了した。
終盤までロッテと3位を争ったが、
最後の最後で8連敗と失速してしまった。

3年連続の4位、
という結果だけからすると残念なシーズンだったとも言えるが、
見せ場はたっぷりあった。
なんと言っても、交流戦優勝は輝かしい。
さらに、観客動員も昨年度と比べて23%!も増やした。
最終盤までAクラス争いをしたのは、西武やオリックスのファンからしたらうらやましい限りだろう。

シーズン開幕前、楽天の下馬評は低かった。
多くの評論家が最下位に予想したが、
大した補強もしないなかで、抑えの大黒柱だった松井が流出とあっては、それも仕方がない。
そのなかでの戦いぶりとしては、まずまずだったと言えるのではないか。

にも関わらず、2年契約を結んでいたはずの今江監督が退任することとなった。
球団創設以来の20年間で、1年のみの短期政権監督がこれで6人目。
1年で監督が変わるというのはなかなかの異常事態だと思うが、
楽天に関してはこれが常態化している。

この責任は、もちろんフロントにある。
現場の責任は監督が取り、
監督の首をすげ替える権限はフロントにあるが、
監督が機能しなかったとしたらその責任はフロントにある。
勝てるような補強をするのもフロントの責任である。

東北のファンはあたたかく球団を見守ってくれているが、
それに甘え続けていていいわけがない。
しっかりとした陣容を揃えて、
長期的な視野で戦えるチームとするのがフロントの使命である。
それがずっとできていない。
まずは、きちんとした総括と反省から。
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キングオブコント 松本さん不在は残念もこういう審査員はいいかも [ヨモヤ]

キングオブコントの放送が間近に迫ってきた。
今年は、松本人志さん不在で行われるようだ。
それは残念至極であり、番組の面白さを大きく損なうと思うけれど、
発表された審査員は納得のいくものだった。

5人の審査員はいずれも過去の王者で、
2代目王者の飯塚悟志さん(東京03)、
4代目王者の秋山竜次さん(ロバート)、
5代目王者の小峠英二さん(バイきんぐ)、
10代目王者の山内健司さん(かまいたち)、
7代目王者のじろうさん(シソンヌ)。
全員歴代王者による審査は初めてとなる。

今回が17回目となるキングオブコントだが、
残念ながら優勝した後もそれほど知名度が上がらなかった芸人さんもおられる。
なかでこの5人は、いい選択だと思う。
えっと、ちなみに去年優勝したコンビを覚えていますか?

初期のキングオブコントは、準決勝で敗退した芸人さんたちが審査していた。
それは一つの試みだが、なんとなくあらかじめ優勝者が決まっているような空気感があり、
しっくりこなかった。
その後、バナナマンのお二人と、さまぁ~ずのお二人と松本さんという5人態勢になったが、
これはちょっと嗜好に偏りが出過ぎる感があった。

今年と去年では松本さんがシソンヌのじろうさんと入れ替わっただけだが、
松本さんに匹敵するような大物を持ってくるより、むしろよかったと思う。
M-1も再開後第1回目の2015年に全審査員が歴代優勝者ということがあったが、
その時の審査が一番納得できたと記憶している。

正直なところ、ここ数年のキングオブコントはあまり面白くない。
松本さんの不在をすっかり忘れさせてくれるような、
爆笑の夜をお願いします。

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映画評 「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」 [映画評]

1作目の「ベイビーわるきゅーれ」は鮮烈だった。
今どきのゆるい女子高生が実は殺し屋で、
シビアな殺しをし、
ガチのアクションを見せる。
そのギャップが印象的だった。
私はこの作品に関する映画評で、
『続編を観たい気がするが、一回限りだからこそいいのかもしれない。』
と書いた。

ファン待望の声が届いたか続編が届けられ、
2作目の「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」も楽しめた。
私は、
『完結編として、もう一本くらいお願いしたい』
と書いた。

そして、第3弾として「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」が公開された。
3作目ともなると、ゆるい女子が実は殺し屋、というギャップの驚きはない。
となると、どこで楽しませるのか、どこで驚かせるのか。

今作は、アクションを極めた感がある。
前2作も、ゆるいパートはゆるく、アクションシーンはガチ、というバランスが絶妙だったが、
本作はアクション多め。
アイデアにあふれた格闘シーンが展開され、
それに応える俳優陣もお見事。
スパイスとして友情が添えられている。

主演の二人は、もちろん髙石あかりさんと伊澤彩織さん。
髙石さんは、もはや売れっ子。
スタントパフォーマーでもある伊澤さんのアクションは超絶。

主人公が輝くためには悪役が強くなければならないが、
その点、今作は池松壮亮さんが演じているので万全。
アクションも素晴らしい。
キャラの設定が今一つ定まり切っていない感はあったが、池松さんが脚本の不備をも吹っ飛ばしていた。
前田敦子さんの役もまあありかな。

このシリーズはさすがに寅さんのように長くはできないだろうから、
そろそろ終わらせる必要があると思う。
3作くらいがちょうどいいと感じていたが、
テレビシリーズも始まっていて、まだしばらく続きそうだ。
しかし、ここいらで。

完結は、テレビドラマでもネット配信でもなく、
映画でしっかり締めくくってほしい。
多くの人に愛されている作品だけに、いい終わりであってほしい。

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「日本は大国ではない」か? [ヨモヤ]

政府からアジア開発銀行の次期総裁候補に指名された神田真人・内閣官房参与が、
読売新聞のインタビューのなかで
「日本はもはや大国ではない」
とコメントされたことがYahooニュースの見出しになっている。
神田参与は、アジア開発銀行の総裁になれるかどうかに関し、
「日本の経済規模が相対的に低下していて、選挙戦になった場合厳しいのではないか」
との問いに答える形で、
『中国の経済規模は日本の4倍だし、インドにも早晩抜かれる、という意味でアジアの中で突出した大国とは言えなくなったが、国際機関の長は経済規模で決める話ではなく、どれだけアジアや世界に貢献する意志と能力があるのかと言うことに尽きるはずだ』
という文脈の中で話されている。

しかし、Yahooの見出しは、
“前財務官 日本はもはや大国でない”
となる。
Yahooの見出しはまあ大体そんなもので、
内容との整合性云々より人目を引くことを優先している。
ただ、これだけを読んで、
「そうか、日本は大国ではなくなってしまったのか」
「貧乏になったってよく言ってるもんな」
「いやいや、もともと大国じゃないだろう」
とか思ってしまう人も少なくないだろう。

さて、そうだろうか。

客観的な数字として、
日本は世界で4位の経済大国である。
約200カ国あるうちの4番目。
日本が大国でないとすると、イギリスやフランス、ロシアやインドも大国でなくなる。

ちなみに人口の1.2億人は、世界で12番目。
こちらも決して少なくはない。
面積は61番目。

つまり、ほとんどの人が知っていることだとは思うが、
日本は、人口の割に、面積の割に、経済規模が大きい国である。
G7の構成国でもある。

大国であることを鼻にかける必要はないし、
大国だから偉いわけでもない。
どんな国であるか、ということの方が、国の規模より重要だろう。

ただ、安易に悲観論に流れる人が多過ぎる気がするなか、
「もはや大国ではない」
との見出しは気になった。
いたずらに卑下せず悲観的にならず、
冷静に自分の国を見よう。

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映画評 「あの人が消えた」 [映画評]

何を見せられているのか、
と何度も自問したくなる作品。
二転三転四転するのだが、
感情を入れられる設定が全くなされていないので、
どんなどんでん返しを見せられても心が動かない。
驚きもしなければ、
そんな馬鹿な、と怒る気にもならない。
へえ、そうですか、という感じ。

「次々と人が消えてしまう謎めいたマンションを舞台に、伏線を張り巡らせた予測不能な展開で描く」
ということなのだが、
ハラハラもドキドキもしないし、
どうなるんだろうとも思えないのである。

まあ、ミステリーというよりコメディ寄りの映画であり、
そんなにマジにとらえることもないのだろう。
ただ、コメディと言っても笑えるシーンがあるわけではない。

こういう作品があってもいいとは思うが、
入場料をぐ~っと安くするとか、なんらか考えてもいいのではないか。
こうした作品が、
気合の入った日本映画や金をかけまくったハリウッド映画と同じ料金というのは、
どうなのだろう。
ジャンルは同じでも、モノによって料金に違いがあるのは本来普通のことだし。

主演に、出演作の公開が相次ぐ高橋文哉さん。
「ブルーピリオド」の女装が素敵だったが、本作では特に見るところなく。
共演に、田中圭さん、北香那さん、染谷将太さん、中村倫也さん。
北さんは、私の愛する「ペンギン・ハイウェイ」のアオヤマ君の声を演じてくれたし、「春画先生」での頑張りも印象的。
実力派の染谷さんも中村さんも、本作では実にもったいない使われ方。

やりたいことはわからないでもないけれど、
アイデアだけが空回りしたような作品。
こんな映画どうかな、というアイデアの段階では、聞いた人も含め盛り上がったのだろうけれど、
実際に作ってみると、これはないかな、とやりながら気づいたのではないだろうか。

映画って難しい。

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野次の品格 [ヨモヤ]

子供のころから野球が好きだった。
そして、野球には野次がつきもの。

関西育ちの私は、
野球の試合中、
小学校の頃から野次を飛ばしていた。
それぞれが、思い思いに声を放つのが関西スタイル。
関東に引っ越してきて、みんなで声を合わせて野次を飛ばすのに驚いた。
「バッタービビってる イェイイェイイェイ」
みたいな。

高校になっても野次から離れられなかったが、
気を付けていたことはある。
まず、「へたくそ」とかそういう直接的な言葉や汚い言葉は使わない。
相手のミスをあげつらったりもしない。
そんなのカッコ悪いし、つまらない。
また、タイミングも見計らうようにしていた。
四六時中野次りっぱなしは芸がないし、
静かにしているべき時間もある。

さて、石破首相が行った国会での所信表明演説において、
野次がやたらと騒々しかったことが話題となっている。
ネットでは
「野次がうるさすぎて聞こえない」
「所信表明くらいちゃんと聞けないのか」
「所信表明を聞こえなくする野次、迷惑極まりない」
「人の話は静かに聞きましょうって教わらなかったのかな?」
「批判するにしても、まずはちゃんと聞いてほしい」
といった声が出ていたという。

国会にも野次がつきものだと思う。
演説している人にグサッと来るような、
聞いている人がクスッとするような、
確かにそうだよなとうなずくような、
議論が深まっていくような、
そんな野次ならアリだろう。

しかし、話し手の声が聞こえなくなるようなものは野次とは言えない。
それでは妨害である。
ちゃんと聞きもせず、
人格攻撃を含むような悪口を騒ぎ立てるのも野次とは言えない。
それでは誹謗中傷である。

国会は「国権の最高機関」である。
そこでなされる議論は、我が国最高レベルであって当たり前である。
もちろん、国会議員の皆さんはそのつもりで臨まれているはずである。
そのために厳しい研鑽を積まれているはずである。
それも、最高機関なのだから当然である。

ですよね。

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映画評 「ぼくが生きてる、ふたつの世界」 [映画評]

「そこのみにて光輝く」「きみはいい子」と、連続して評判作を公開した
呉美保監督の最新作。
長編としては9年ぶりとなる。
いろいろ事情はあるのだろうが、もう少し頻度高く撮っていただきたい監督さん。
ちなみに、「お みぽ」と読む。

原作は、作家・エッセイストの五十嵐大さんによる自伝的エッセイ。
タイトルは、
「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」。
つまり、映画の題名となっている「ふたつの世界」とは、
聴こえる世界と聴こえない世界のことと考えていいだろう。

耳が聞こえない、または聞こえない親のもとで育つ子どものことをコーダ(CODA:Children of Deaf Adults)と呼ぶことがある。
コーダを描いた作品としては、その名もずばり、
「コーダ あいのうた」という映画がある。
大きな評判を生みアカデミー賞の作品賞まで受賞したが、
日本人的な感覚からはちと元気過ぎる気も(まあ、そういう映画なのだが)。
そこからすると、本作の方が胸に届く。

吉沢亮さんが、中学生時代から成人後までを演じる。
さすがに中学生役には無理があるが、まあご愛敬。
母役の忍足亜希子さんや父役の今井彰人さんはじめ、ろう者の登場人物にはすべてろう者の俳優が起用されているらしい。
それによりぐっと説得力が増している。
忍足さんは素敵だった。
粗暴な祖父を演じたでんでんさんがすさまじい。
是非、助演男優賞候補に。

若い頃の親への反発が、成長していくにつれて徐々に解消され、
最後に和解する。
よくある展開だが、
都会で絡む人たちがそれぞれに味があり、
押し付けがましくないのですっと腹落ちする。

心優しいほのぼのしたいい映画、
というのではなく、結構グサッと来るシーンもある。
ラストも、わかりやすいハッピーエンドより、余韻が感じられる。

呉美保監督、
次回作はあまり感覚を空けずに届けてほしい。

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ここのところで読んだ30冊 [読書記録]

ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。

「一人称単数」 村上 春樹
「農業新時代」 川内 イオ
「いまこそ人生で大切なことは映画で学ぼう」 蓑宮 武夫
「リーダーは話し方が9割」 小松 茂久
「世界一やさしい自分を変える方法」 西 剛志
「トークの教室」 藤井 青銅
「犬がいた季節」 伊吹 有喜
「有機農業をはじめよう」
「ターンオーバー」 堂場 瞬一
「スピーチの教科書」 佐々木 繁範
「ひとり社長の儲かる会社経営のキモがわかる本」 中尾 誠一
「沖縄上等企業に学ぶ最高のチームのつくり方」 下所 諭
「事業計画書作成講座」 手塚 貞治
「お茶の味」 渡辺 都
「地域 × アニメ」
「リンダリンダ」 鴻上 尚史
「だからここにいる」 島崎 今日子
「地域農業を担う新規参入者」 倪 鏡
「平場の月」 朝倉 かすみ
「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」 バッキンガム
「7日で作る事業計画書」 赤羽 雄二
「1ミリの後悔もない、はずがない」 一木 けい
「タイムマネジメント 24講座」
「独立してコンサルタント、専門家で活躍するために絶対にやるべきこと」 岡本 文宏
「ハマス・パレスチナ・イスラエル」 飯山 陽
「13歳からのアート思考」 末永 幸歩
「ふるさと納税の理論と実践」
「有機農業で変わる食と暮らし」 香坂 玲、石井 圭一
「世界は『  』で沈んでいく」 櫻 いいよ
「小説編集者の仕事とはなにか?」 唐木 厚

朝倉かすみさんの「平場の月」は、大人の恋愛を描いた作品。平場という言葉と月という言葉の対照がしんみり来る。

櫻いいよさんの「世界は『  』で沈んでいく」は、「友だち」という存在について描いている。ぼっち恐怖症のような今の世の中だが、別に一人でもいいじゃないかと思う。もちろん、友だちという存在のかけがえのなさも感じる。

「小説編集者の仕事とはなにか?」を書かれた唐木厚さんは、京極夏彦さんや森博嗣さんがデビューするきっかけとなったメフィスト賞の立ち上げに携わった方。ミステリを読みたくなった。

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尻上がりの観客動員という不思議 西武ライオンズ・ファンの有難み [ヨモヤ]

西武ライオンズが、今季の本拠地ベルーナドームでの試合を終えた。
1試合平均の観客動員数は21,789人となり、
昨季の20,089人を上回った。

ホーム最終戦となった10月1日は27,574人が来場。
「完売御礼」がアナウンスされたという。

まあ、最終戦が多くのファンで埋まるのはわかるが、
その前日の月曜日も24,740人。
ちなみに、
9月28日(土)も27,581人
9月29日(日)も27,588人
と、満員の来場が続いた。

ソフトバンクのように、優勝を決めたチームがホームに凱旋しているのならわかる。
ロッテや楽天のように、クライマックスシリーズ進出を争っているならなおさらわかりやすい。
今年の西武のように、
5月頃には早々に優勝争いから脱落し、
7月頃にはAクラス入りもほぼ絶望となり、
8月頃には最下位がほぼ確定、
というシーズンの9月がお客さんであふれるという現象はどう理解したらいいのだろう。

もちろん、営業の努力が大きいのだろう。
また、ボールパーク構想のもと、球場が魅力的になったのもお客さんを呼んでいる理由の一つだろう。
それにしても有難い。

本拠地最終戦後のセレモニーで挨拶した主将の源田壮亮内野手は
「最下位という順位が決まったあとも、たくさんのファンの方々がお越しくださいました。
ファンの方々の熱は選手全員に届いています」
と感謝の思いを伝えた。
そして
「この秋からしっかり練習して強いチームになって、来シーズンのこの時期はファンの皆さんと喜び合いたいと思います」
と加えた。

そう、ファンからもらった思いは、
勝って返すしかない。

シーズン全体を通しても、
個々の試合を見ても、
あまりにも不甲斐なかった2024年。
それでも球場に足を運び、
声を枯らしてくれたファンの方々に、
来年こそはいいところを見せてもらいたい。
熱い試合を、
プロの技術とパワーを見せてもらいたい。

倍から勝って、返すしかない。

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さよなら 「オレンジ色のニクい奴」 [ヨモヤ]

産経新聞社が、
発行するタ刊紙『夕刊フジ』を2025年1月31日発行をもって休刊すると発表した。

夕刊フジの創刊は、1969年のことらしい。
ライバル紙の日刊ゲンダイは1975年の創刊だから、
6年ほど先輩。
日本初・唯一の駅売りタブロイド紙としてスタートを切ったという。

個人的にも、大学時代はちょくちょく買っていた。
当時は、今より熱心に競馬に取り組んでいて、
週末だけではなく、平日にもフジを買って、
調教の様子などを確認していた。

夕刊紙としては日刊ゲンダイのほか東京スポーツと競っていた。
ゲンダイは、論調は滅茶苦茶だし、エロもかなり振り切っていて、
色が濃過ぎるくらい濃い。
東スポは、今はそうでもないが、かつてはプロレスを前面に押し出していて、
プロレスファンだった私のニュースソースだった。
そこからすると、フジの立ち位置はやや中途半端だったかもしれない。
それでもここまで続いてきたのだから、しっかりファンを獲得していたのだろう。

これらの夕刊紙は、よく電車の網棚に置きっぱなしにしてあって、
拾って読んだものだった。
内容的に、家に持って帰ることはできなかったが。

夕刊フジのキャッチコピーは、
『オレンジ色のニクい奴』。
確かに紙面はオレンジ色なのだが、「ニクい奴」の意味がわからなかった。
結局、何かニクいのか、わからないままに終わってしまいそうだ。

学生も社会人も、
何かに憑りつかれているかのようにスマホを凝視している時代に、
夕刊紙の生き残りはしんどいのだろうと思う。
もう何年も買ったことがなかったけれど、
なくなってしまうと思うと、
帰りの駅の売店でニクい奴の姿を見られなくなってしまうと思うと、
やはり寂しい。

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