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映画評 「あまろっく」 [映画評]

映画のタイトルとなっている「あまろっく」は、
兵庫県尼崎にある尼崎閘門(あまがさきこうもん)の通称名「尼ロック」から来ている。
尼崎市臨海部の運河・河川と尼崎港を隔てる閘門であり、
治水・高潮対策及び臨海部の船舶利用のために設置されているのだという。
この映画を観るまで、そのような施設の存在を知らなかった。

「ご当地映画」というジャンルがある。
明確な定義はないが、Wikipediaでは
「ある地域を舞台とし、実際に撮影が行われた作品」
と広くとらえている。
「21世紀以降、行政・市民有志・企業など地方側が主体的に動いて『ご当地映画』を企画製作する事が増えている」
との記述もある。
本作もそうした作品の一つであろうか。

残念ながら、というべきか、
ご当地映画はそういうものだと割り切るべきか、
ご当地映画で優れた作品には滅多に出会えない。
優れた、という表現は多分に主観的ではあるが、
面白い作品、楽しめる作品はあっても、優れた作品はあまりない気がする。
ご当地映画にそうしたことを求めるのは筋違いなのだろうか。
近年で例外と言えるのは青森県を舞台にした
「いとみち」。
この作品は、その年のキネマ旬報ベスト・テン日本映画第9位に選ばれるなど高く評価された。
それ以外のほとんどの作品は、
あたたかかったり、ほのぼのしたり、ということはあっても、
「いい映画を観たなあ」
には至らず。
まあ、ご当地映画にそうしたことを求めるのは筋違いなのだろう。

「あまろっく」は、尼崎市を舞台としたご当地映画。
コメディであり、
ちと首を傾げてしまう展開の連続。
さすがに感情が理解できない部分も少なくない。
コメディだからと割り切ったとしても。

楽しめる映画ではあるが、
いい映画、と思える作品までにはかなりの距離がある。
しかしまあ、ご当地映画にそうしたことを求めるのは筋違いなのだろう。

いや、そうだろうか。
ご当地映画にそうしたことを求めてはいけないのだろうか。
映画である以上、いい映画であることを求めたいが、それは欲張りすぎるのだろうか。

江口のりこさんと中条あやみさんがダブル主演。
江口さんはいつもの芸達者ぶりを披露し、中条さんは元気はつらつ。
尼ロック的な存在の江口さんの父役に笑福亭鶴瓶さん。
駿河太郎さんも出演されていて、鶴瓶さんと親子共演をされている。

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